「子どもが学校を休みがちで、このまま不登校になるのではと心配」
「うちの子はHSPかもしれないけど、もしかしたら学校に馴染めないのと関係あるの?」
環境感受性の高い人をHSP(Highly Sensitive Person)、子どもであればHSC(Highly Sensitive Child)とよびます。
HSCの特性が、不登校のきっかけになることがあるんだ。
自分の子どもが不登校になってしまったら、親なら誰でも心配になってしまうものです。
筆者も不登校気味の娘を育てるなかで、HSCの特性を理解しながら最適なサポート方法を模索してきました。
そこでこの記事では、HSCさんが不登校になりやすい理由や、子どもが不登校になってしまった際の対応方法について解説します。
親御さんの負担を減らしてお子さんと楽しく過ごせるよう、ぜひ参考にしてみてくださいね。
HSCはひといちばい敏感な子
この記事に辿り着いたあなたは、HSPやHSCという言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。
HSCさんは環境感受性が高いため、よくも悪くも周囲の影響を受けやすいのです。
以下の記事では、HSCについて詳しく解説しています。
「自分の子はHSCなのかな?」と気になる親御さんは参考にしてみてくださいね。
HSCさんが不登校になりやすい3つの理由
ひといちばい繊細なHSCさんは、ちょっとしたことが気になってしまい、たくさんの悩み事をかかえてしまいがちに。
そのためHSCでない子どもと比べ、不登校になる可能性が高くなることも。
HSCさんはよい影響も受けやすいから、学校の環境が自分にあっていれば楽しく通える場合もあるんだよ。
環境次第では自分の能力を発揮しやすいともいえるんですね。
この記事では、HSCさんが不登校になりやすい理由について考えます。理由や特徴を知って、適応力を高めておきましょう。
環境の変化に敏感だから
刺激を受けやすいHSCさんは、学校生活のさまざまな刺激を必要以上に受け取って疲れてしまうんだ。
HSCさんの疲れの原因となりやすい刺激
- みんなの騒ぎ声
- 授業ごとの先生の入れ替わり
- 席替えやクラス替え
娘は「授業中に誰かが騒ぎだす声を聞いているのがつらい」とよく言っています。
ちょっとした音にも敏感なHSCさんは、みんなの騒ぎ声をストレスに感じてしまうんだね。
担任の先生が学校での娘のようすを話してくれたのですが、誰かが騒ぐと両手で耳を塞ぎだすそうです。
授業による担当の先生の入れ替わりも、HSCさんは疲れてしまう場合があるみたい。
先生によって求められる態度やコミュニケーションの取り方も違うため、HSCさんは適応にエネルギーを使うのですね。
席替えやクラス替えもHSCさんにとっては大きな負担になるんだ…。
このように、新しい環境に慣れるまでに時間がかかる傾向にあるHSCさんは、ほかの子に比べ緊張感が長く続いてしまうのです。
プレッシャーを感じやすいから
HSCさんは、学校生活のさまざまな場面でプレッシャーを感じてしまいがちです。
プレッシャーを感じやすい事柄
- テストや成績表
- クラスでの発表
- チームでの取り組み
HSCさんはテストや成績表の評価も深く考え、気にしてしまうことも多いよ。
特に親や先生からの期待を感じると「がっかりさせたくない」という気持ちから、プレッシャーがより大きくなります。
みんなの前での発表も、特にHSCさんにとって緊張や不安の原因になります。
チームでなにかに取り組むときにも心配が膨らんでしまうよ…
娘は体育のリレーを嫌がっていました。
なにか困ったことがあったのかな?
チームが負けたとき、走るのが遅い自分のせいだとみんなに責められたのが嫌だったそうです。
つらい経験として心に残ってしまっているんだね…
物事を深く考えてしまうから
物事を深く考えるHSPさんは、他人の些細な言葉や小さな失敗を何度もぐるぐると考えてしまう傾向があります。
娘も過去のつらかった出来事を忘れられず「あのときのこんなことが嫌だった」と話してきます。
嫌な思い出が積み重なって、自己評価も下がりやすくなってしまうことも。
娘と息子それぞれに同じことを言った際、娘は気にするのに息子は気にしない、といったことがよくあります。
HSCさんの深く考えてしまうところも、不登校につながる原因のひとつかもしれません。
HSCさんが不登校になったときによくある親の悩み3つ
もし子どもが不登校になった場合の心配事について考えてみましょう。
親自身の困りごと
子どもが不登校になると、家で過ごす時間が増えるため、お昼ご飯の用意や勉強のサポートなど親がおこなうことになります。
共働きの場合、子どもを留守番させる時間が増えてしまうのも気になりますよね。
ママがひとりになれる時間も減ってしまいそうだね。
家でだらだらしすぎてしまわないか、運動不足になるのでは、と心配事も増えます。
学校の先生とのコミュニケーション
子どもが不登校になると、学校側とどう連絡を取るべきかも悩んでしまう親御さんは多いでしょう。
お便りやプリントの受け取りはどうするんだろう?
先生によって考え方も違うので、こちらの意見が伝わらなかったらどうしようと不安にもなりますよね。
不安や疑問が多いからこそ、子どもの状況を学校と共有できるかは重要です。
必要なサポートを受けるためにも、学校としっかり連携をとるのがいいんだね!
子どもの将来に対する心配
不登校になると将来への不安をもち始める親御さんもいるよ。
小学校で不登校になったとしても、中学から進学して高校卒業まですれば、就職への心配は少なくなるかもしれません。
もし中卒での就職となった場合、「就職先が限られてしまうのでは」と心配になりますよね。
社会性が身につきにくくなるのでは?と感じる方もいるみたいだよ。
しかし、苦労を経験し「人の気持ちをより考えられるようになる」「責任感が身につく」といった、不登校によって考えられるメリットもあります。
窮屈な環境で過ごすよりものびのびできる環境で長く過ごす方が、精神的に安定するかもしれませんね。
HSCさんが不登校になったときの対応方法
子どもが不登校になったときの不安を減らせるように、サポートの方法について考えておきましょう。
ここでは、学校と家とでできるサポートについて紹介します。
学校面でのサポート
まず、学校面でできるサポートについてです。
学校との連携
学校から必要なサポートを受けるには、先生としっかり情報共有できるかが重要です。
学校の先生やスクールカウンセラーさんに相談したら、色々な視点からアドバイスをもらえました。
先生と連絡を取る際のポイント
- 連絡するタイミング:子どもからの「SOS」に気付いたとき
- 連絡方法:まずは電話する
- 共有する内容:子どもの性格・家での様子・学校での様子
「最近学校を休みたがる」「元気がない」など、子どもの様子が少しでも違うと感じたらそれはSOSかも。
お子さんからのSOSに気付いたら、まずはよく話しを聞いてあげてください。
「学校ではどんなときにつらくなってしまうのか」「どんなときに安心できるのか」などわかる範囲でよいので、一緒に考えてみましょう。
無理に聞き出そうとするとストレスになってしまう場合があるから、できる範囲で大丈夫だよ!
話した内容をまとめておき、まずは電話でよいので先生に共有しましょう。
学校でのようすや友達との関わりについても聞いておくといいかもしれませんね!
スクールカウンセラーの利用
学校にスクールカウンセラーがいるのなら、スクールカウンセラーに相談するのもおすすめです。
スクールカウンセラーは、文部科学省から全国で多くの小中学校、高校に配置されているんだよ。
スクールカウンセラーには、不登校のほか、発達・精神的な課題、家庭環境や親子関係の課題など、幅広い分野で相談できます。
多くの知識をもつ方に話を聞いてもらえるのは心強いですね。
個別対応についての相談
必要に応じて個別に対応してもらえるかどうか、学校に相談しておくのもよいでしょう。
「ひとりになれる場所でのんびり勉強したい」「教室には入らず廊下でなら授業を受けられる」など、子どもによって適した環境はさまざまです。
お子さんの得意不得意を含めて先生に相談すれば、きっと適したサポート方法を一緒に考えてくれるはずだよ!
家でのサポート
次に、家でできるサポートについてご紹介します。
HSCへの理解を深める
子どもにとってベストな対応をするための第一歩は、HSCについての理解を深めることです。
情報収集では、専門家が発信している情報や専門書を参考にしよう!
情報がたくさんありすぎて悩んでしまうのであれば「Tealsホーム」をご紹介します。
多くのHSPさんが集まるTealsホームでは、一人ひとりが個性を発揮できる社会づくりを目指し、情報提供や相談の場を設けています。
気軽に相談できる場所があると安心できるね!
お子さんと共に歩む新たな一歩を、Tealsホームで始めてみてはいかがでしょう。
子どもがゆったりと過ごせる環境づくりをする
子どもにとって、家は心地よく安心できる場所であるべきです。
ときにはダラダラとやりたいようにする時間も必要だよね…
お子さんととことん向き合って、親子の会話を楽しみましょう。
お子さんが不満や愚痴を話してきたら、「〇〇が嫌だったんだね」と、まずはお子さんの感情に共感してあげてください。
感情へ共感するよう意識し始めてから、不安定だった娘がだんだん落ち着いてきました。
学校以外の居場所を探す
家以外の居場所が増えるとお子さんの自立につながるはずだよ!
家以外でも子どもが安心してすごせる居場所を探してみましょう。
不登校の子どもの居場所の選択肢
- 市町村が運営する教育支援センター
- フリースクール
- オンライン教育
「最終目的は学校への再登校ではない。子どもが豊かな人生を歩むことだ」と考え、学校以外の居場所を探し始めたら気楽になりました。
規則正しい生活をサポートする
家にいる時間が増えると生活リズムが崩れてしまわないか気になるよね…
筆者は娘の家での過ごし方について、以下のことを意識しています。
家でのすごし方で意識すること
- 早寝早起きを心がける
- 3食しっかり食べる
- テレビやスマホを使用する際のルールを決める
- 少しでも外に出る
時間管理で悩んでしまうようであれば、学校の時間にあわせて過ごしてみるのもおすすめですよ。
親自身も頑張りすぎないようにする
子どもが不登校になると、きっとあなたも頑張りすぎてしまうよね…
考えることもやることも増えるので、親はつい自分のことを後回しにしてしまいがちです。
自分がのんびりする時間も意識してつくってくださいね。
自分らしく生きるために大切なのは自己理解
自分らしく生きるためには自己理解が大切で、それは子どもも同じです。
自己理解を深めるうちに、自分のありのままを受け入れられるようになっていくはずだよ!
自己理解を深めて、自分の強みを活かせる子になってもらえたら嬉しいですね。
HSCについて親子で話す
親が子どもへの理解を示せば子どもも安心感を得られ、自分らしさを大切にできるようになるはずだよ!
「◯◯ちゃんは大きな音が苦手だよね」「先のことまでよく考えるのが得意だよね」と身近な事柄を例に挙げながら、お子さんと話してみてくださいね。
子どもの興味があることをする
子どもが興味をもっていることに積極的に取り組むと、自分の強みや好みを知るよい機会になります。
たとえばアートやスポーツ、音楽など、興味がある分野に集中することで、子どもは自信を持ち自分の才能を発揮できるようになります。
うちでは娘が好きなお菓子作りやネイルアートをできるときにしています。
興味をのばすのが自己理解を深める第一歩だね!
まとめ
今回は、HSCさんが不登校になりやすい理由とその対応方法についてお伝えしました。
環境からの影響を受けやすいHSCさんにとって、親の理解とサポートが大切なんだね。
学校や家庭での対応を工夫すれば親子ともに心の負担が軽くなり、穏やかな日常を送れるようになるはずです。
お子さんの個性に寄り添い強みを活かせるよう、新たな一歩を踏み出してみてください。
この記事を読んでくださった方が、少しでも楽しく過ごせることを祈っています。
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