子どもの泣き声や騒ぎ声、絶え間ない刺激のせいで心が疲れ、
「自分は子育てに向いていないのでは?」と深く悩んでいるHSPのママはいませんか?
チルティHSPの親御さんにとって、子育ては人一倍ストレスフルな環境だよね。
その苦しみは、努力不足ではなく、繊細な気質と過酷な環境とのミスマッチからきているかもしれません。
この記事では、「頼れない」「休めない」というマインドの壁を壊し、「私の子育てはこれでいい」と自分を許すことで、子育てを穏やかに変えるためのレッスンをお届けします。
- 「完ぺきでなくていい」と自分を許す方法
- エネルギーを守り抜く「守りの育児」戦略
- 孤独なワンオペを終わらせるための具体的な行動
子育ての辛さをのりこえた筆者の実体験と、HSP気質に関する知識、子育ての心理学に関する知識をもとに記事を書いたので、ぜひ読んでみてくださいね。



あなたの繊細さこそが、子育ての「強み」になることに気づき、心から「私の子育てはこれでいい」と決意するキッカケになるといいな。
「子育てに向いていない」と悩むあなたへ贈ることば


子どもの泣き声や騒ぎ声で心と体が疲れ、「自分は子育てに向いていない」と深く悩んでいるなら、まずは立ちどまってください。
あなたの苦しみは、努力不足のせいではありません。
それは、生まれ持ったHSPという繊細な気質と、子育てというとても強い刺激環境とのミスマッチから生じているのかもしれません。
あなたの苦しみは、その特性によって引き起こされているかもしれない、とても自然な感情だと考えられます。



あなたのその苦しみは、努力不足のせいじゃない。そう思えるだけで、心が少し軽くなりますように。
【HSPの子育てが人一倍辛い理由】刺激・共感疲労・そして「完ぺき主義」
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HSPの親御さんが子育てで直面する辛さは、おもに次の3つに集約されます。
- 【多すぎる刺激】
子どものかんしゃくや騒音、前もっては分からないできごとといった、ふだんの音や光に強くストレスを感じ、いつも神経が消耗してしまう - 【共感疲労】
子どもの喜び、不安、悲しみを自分のことのように感じ取り、心からどっと疲れてしまう - 【完ぺき主義】
「完ぺきにやらなければ」とすべてを1人でこなそうとし、そのプレッシャーで自分を責める気持ちになる
【実体験】「ワンオペはラク」から産後うつ・自死寸前に至った心の軌跡
私(筆者)もかつて、上の子を出産した当初は、
「夫は生活費を稼ぐから、私は1人で頑張って子どもを見ないといけない。母もワンオペだったし、子育てはそういうものだ」
と思い込んでいました。
一時的には「他人と関わらなくて良い点で子育てはラクだな」と感じた時期さえありました。
しかし、子どもと2人きりの状況が続き、子どもが毎日ミルクを吐く怖さと、その後の掃除の辛さに心を削られ続けた結果、孤独なワンオペの中で心と体は限界を迎えました。
その結果、産後うつ病になり、自死寸前まで追い詰められました。
この壮絶な経験から、HSPにとって「孤独」と「重すぎる責任感」がいかに危険であるかを痛感しています。
なぜ「頼りましょう」のアドバイスは響かないのか?「頼れない」マインドの構造
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多くの記事で「休息やサポートの活用」が勧められていますが、本当に苦しい状況にあるHSPの親の心には、その言葉が響きにくい場合があります。
なぜなら、HSPの繊細さや責任感の強さゆえに、「頼れない」「休めない」という無意識の壁が立ちはだかってしまうからです。



「頼りましょう」の言葉が響かないのは、「すべて1人でやるべき」という強い責任感が、頼る行動を阻んでいるのかも。
- 「私さえ頑張ればうまくいく」というHSPの気遣いと完ぺき主義
- 「母親だから完ぺきにやるべき」という古い価値観
この記事を読んで、この「頼れない」マインドの構造を理解し、「私の子育てはこれでいい」と心から納得して穏やかな日々を取り戻す心のレッスンになれば嬉しいです。
「完ぺきでなくても大丈夫」と自分を認める心の解放レッスン


HSPは「気にする力」が強いがゆえに自分を追い込みがちですが、完ぺきを目指すのをやめることが、穏やかな子育てへの最初の鍵になります。
【古い価値観の手放し】「母のワンオペ」=「子育てはこういうもの」という思考の連鎖
「母もワンオペだったから」という経験則から、「自分も1人で頑張るべきだ」という古い価値観に縛られていませんか?
この思考は、あなたの心と体を疲れさせる連鎖です。
「夫は仕事、妻は育児」という決めつけを捨て、子育ては夫婦で、ときには外部も含めて協力するものだと認識を改めましょう。



「自分さえ頑張ればいい」という思い込み、誰でも持ってしまうよね。でも手放して大丈夫なんだよ。
完ぺきな親を目指さなくていい、決定的な理由


私は心理学を学んだとき、私の完ぺき主義へのこだわりが「思い込み」だったと気づき、心が大きく解放されました。
そのきっかけとなったのが、エリクソンの心理社会的発達理論です。
【エリクソンの発達課題】「否定的側面(不信)」こそが子どもの成長に必須である
この理論では、子どもが成長するために大切なのは、親がいつも完ぺきに応じ続けることではなく、「基本的信頼」と「基本的不信」という両極端な葛藤(心理社会的危機)を経験することだとされています。
たとえば、「親がすぐに助けてくれない」「不安になる」といった面も、子どもがその課題を乗りこえて健やかに伸びるための大事な要素なのです。
エリクソンの発達段階理論(Erikson’s stages of psychosocial development)は、人間が生涯を通じて経験する心理社会的な課題や危機を、8つの段階に分けて示した理論です。
それぞれの発達段階には、直面する課題(発達課題)や困難(心理社会的危機)、課題を克服した際に得ることが出来る力があり、各段階で課題を克服することが、個人の健全な発達と成長に重要であるとされています。また、それぞれの段階での課題の達成が、次の段階への準備や成功につながり、個人の成長を促進するとされています。
いつも完ぺきに対応できなくても良い、という自分への許可
親がすべて完ぺきに対応する必要はないと分かれば、「いつも完ぺきに対応できなくても良い」と自分に許可を出せます。
「ダメな親だ」と責める自分を許すためのマインドセット
イライラしたり、うまくできない自分を責めてしまうのは、HSPの「気にする力」の強さと関係しているかもしれません。
まずはHSP気質を受け入れ、子育ては「そもそも大変なもの」と認識することから始めましょう。



自分を責める時間を、「自分を満たす」ための時間に変えていこう!
自己肯定感の回復が「穏やかな子育て」への特効薬
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私自身の経験から、子育ての悩みはテクニックではなく、親自身の「自己肯定感」の低さがもとになっていることが多いと気づきました。
【体験談】 自己肯定感の向上で、子どもの泣き声への「焦り」が消えた事実
自己肯定感を高めるための学びや行動に取り組み、それが上がったと感じてからは、子どもの泣き声への反応が大きく変わりました。
以前は「早く泣き止ませないと」と焦り、刺激が倍になりましたが、自己肯定感が回復すると、「私は大丈夫」という心の余裕が生まれ、泣き声にも落ちついて応えられるようになりました。



自分の心をみたすことで、子どもの泣き声への反応まで変わるなんて、驚きだね。
子育てに必要なのはテクニックよりも「親の自己肯定感」であるという気づき
私自身の経験から、子育てに必要なものは自己肯定感だと確信しました。
親が心を満たし、安定していることが、そのまま子どもの安心感につながります。
【実践】HSP気質と過去の回復経験を結びつけ、自信を育む方法
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特性を受け入れる
繊細だからこそ人一倍疲れるのは当然であり、「子育てに向いていない」のではないと理解しましょう。
過去の経験を肯定する
これまでの困難な子育ての経験をのりこえ、今は子どもと一緒に生きています。
その自分の回復力や生命力を認め、誇りに思いましょう。



その経験こそ、あなたの自己肯定感を支えるゆるぎない土台になるよ。
ほかの家の子育て(SNSやママ友)を「比較」から「参考」に変える心の距離の取り方


子育てにおける人との関わりは、ときに大切な情報源になりますよね。
しかし、「比較」の対象になったとき、あなたの心のエネルギーを大きく消耗させます。
ママ友や学校関係者との人間関係では、気を使いすぎず、意識的に適度な距離をたもつことが、あなた自身の回復力を守ります。
情報(SNS・ほかの家の子育て)との距離の取り方


ほかの家の子育ての情報を「自分へのプレッシャー」ではなく「参考資料」として活用するための具体的な行動を実践しましょう。



ほかの家の成功例を見ても、焦らなくて大丈夫だよ。あなたと子どものペースが1番大切だからね。
比較のスイッチを「質問」に変える
ほかの家の成功例を見たとき、「うちの子(私)に、この方法を部分的に適用できるか?」という問いに、意識的に変換します。
「適用できない=おとっている」という思考パターンを断ち切りましょう。
SNSは「ハイライト」と割り切る
SNSの情報は、子育ての「最高のとき(ハイライト)」であることを理解し、裏側の失敗やどれだけ努力したかまでは見えていないと認識します。
物理的距離を取るために、スマホを見る時間を意識的に制限し、目的のないダラダラ見を防ぐことも有効です。



SNSは他人の「ハイライト」だけを切り取ったものなんだね。
あくまで参考に、自分の子育てのペースを大切にしよう。
情報の取捨選択のルールを決める
「今、わが家のやるべきこと」に直接つながりがない情報は、たとえすごいと感じても一旦「ノイズ」として扱い、情報の取捨選択のルールをしっかりと決めることで心の負担をへらします。
人間関係(ママ友・学校関係者)との距離のたもち方


心のエネルギーをへらさせないよう、ちょうど良い境界線を設定し、たもつスキルを身につけましょう。
「やんわり断る」定型文を持つ
気が進まない誘いや、プライベートに踏み込む質問に対し、「その日は予定があって」「うちでは今のところ考えてなくて」といった「断るクッションことば」をあらかじめ用意し、反射的に使えるようにします。
これは、刺激に敏感なHSPにとって、心の不安に目を向け、子ども関係の付き合いがつらい状況から自分を守る手法にもなります。
人間関係は「広く浅く」を基本にする
特定の人に深く依存する関係をやめ、挨拶や情報共有ができるくらいの浅い関係をたくさん持つことに力を入れます。
これにより、誰か1人の言動に心が振り回されるリスクをへらすことができます。
周りの人に助けを求められず1人で悩むことをさけるためにも、「積極的に頼る」ための距離感が重要です。
会話で「立ち入らない話題」を決める
子どもの成績や家庭のお金のことなど、比較されたり、悪く言われたりしやすいプライベートなことを話さないと決めます。
これは、周りの人の影響を受けやすいHSPが、周りの目が気になるという状態から自分を守るための、具体的な心の距離のたもち方です。
会話のテーマは、表面的な情報共有にとどめましょう。



これらの実践を通じて、人との健全な心の距離をたもち、あなたの心のエネルギーをしっかり守ろうね。
心と体のエネルギーを守り抜き、疲労をリセットする「守りの育児」戦略


自己肯定感をたもち、穏やかな子育てを続けるには、HSPにとって生命線とも言える「心と体のエネルギーを守る戦略」が必要です。
HSPの子育て最大の敵「多すぎる刺激」と「慢性的な疲労」から神経を守る
HSPは刺激に敏感なので、ただでさえ気が張る毎日で疲れやすいです。
そこへ子どもの騒ぎ声や泣き声が加わると、さらにぐっと疲れが増え、睡眠不足が続くと心と体が限界になります。
まずはこの特性を理解し、自分を守ることを最優先にしましょう。



疲れるのはあなたの努力不足じゃなくて、気質なんだよね。
だから、自分を守るために休むことは、最も大切な仕事なんだよ。
感覚過負荷の予防と緩和


「音をへらして余裕を取り戻す」ための具体的な環境の工夫
テレビや音楽を流しすぎない、静かな時間を作るなど、耳から入る刺激を意識的にコントロールしましょう。
外出時の周りの視線が気にならなくなるマインドセット
外出先で子どもが泣いたり騒いだりした際に、周りの視線が気になり緊張状態が続くのはHSPあるあるです。
「他人はそこまで見ていない」「子どもの成長に必要な泣きだ」と割り切り、過度な緊張から自分を解放しましょう。



外の視線よりも、今あなたが穏やかでいることのほうがずっと大切。
周りのことは気にせず、子どもとの時間に集中しよう!
疲労をリセットする「強制シャットダウン」術


「先回りせずに休む」を徹底し、1人時間を作る
疲労や睡眠不足が限界になる前に、「月に1度は1人の時間」をとるなど、意識的に休むことを優先しましょう。
敏感すぎて疲れた心と体を癒し、睡眠不足を解消するための優先順位
子どもの様子が許すかぎり、自分の休息(睡眠)を最優先にして、心と体のエネルギーを回復させましょう。
【心のバリア】 共感疲労を防ぐための心の境界線(バウンダリー)の引き方
子どもの感情に強く共感しすぎて消耗する時は、共感しながらも心の距離をたもつことが大切です。
子どもの感情や問題を自分の責任だと抱え込まず、「私は私、子どもは子ども」という心のバリア(境界線)を意識しましょう。



自分の心を守るためにバリアを張るのは、冷たいことじゃないよ。
子どもに寄り添う優しさをたもつための、大切な防御策なんだ。
「頼れないマインド」をやめる具体的ステップ


「頼りましょう」ということばが響かないのは、「すべて1人でやるべき」という強い責任感が、頼る行動を阻んでいるからです。
この「頼れないマインド」をやめて、孤独な育児を終わらせましょう。
「頼れない」はあなたの頑張りすぎのサインであるという認識
「自分さえ頑張ればいい」という思考は、あなたの心と体を壊しかねません。
子育ては「1人でするものではない」と認識し、苦手なことは上手に手放しましょう。
【行動を変える】 パートナーや外部へ協力をお願いする実践的な話し方
頼るのが苦手なHSPだからこそ、感情ではなく、どのような助けが必要かを言葉にする練習をしましょう。



HSPの特性と必要な休息を、罪悪感なく具体的に伝える方法も参考にしてみてね
【実践的なお願いの仕方】
「私はHSPの特性で、音や刺激にとても疲れやすいです。体調を守るために、毎週〇曜日の午後は静かな1人の時間を取りたいです。その時間は声をかけたり、予定を入れたりせずに過ごさせてもらえると助かります。」
このように、理由と具体的な要求をセットで伝えて、協力を求めてみましょう。
【孤独感を断ち切る】HSPの悩みを理解し合えるコミュニティを活用する
HSPの子育ての悩みは、その繊細さゆえに、一般的な子育ての悩みとして理解されにくい部分があります。
ときには「考えすぎ」や「気難しいな」と周りに言われて、さらに孤独を深めてしまうことも少なくありません。
あなたの悩みは決して特殊なものではありません。
HSPの悩みは、同じHSP気質を持つ人にしか心から理解されない部分があります。
そのため、悩んでいるときには、子育てをしているHSPの親に相談するのがおススメです。



もしあなたの周りにHSP気質の方がいない場合は、僕たちと同じようにHSPの子育てに向き合う仲間が集まるTealsホームをぜひのぞいてみてね。
悩みを共有し、共感し合える仲間がいることは、「1人ではない」と実感し、孤独感を解消する大きな力になります。



1人で抱え込まなくて大丈夫だよ。
理解し合える仲間がいる場所が、あなたの心の居場所になりますように。
【孤独感を解消する】行政サービスや共感し合えるコミュニティの活用法
自分の繊細な悩みを1人で抱え込まず、行政のサービス(一時預かりや相談窓口など)や、子育て支援を積極的に使いましょう。
あなたの繊細さこそが、子どもを育む「強み」になる


辛い経験をのりこえようとしているあなたは、すでに「子育てに向いていない」親ではありません。
HSPの繊細さこそが、あなたの子育ての最大の強みになります。
HSPが持つ「感受性の高さ」「危険察知能力」を子育ての強みとして再認識する


感受性の高さ
子どものささいな変化や小さな幸せをよく感じ取り、愛情深く育てることができます。
共感力
子どもの気持ちに深く寄り添い、安心感をあたえることができます。
危険察知能力
あらゆるリスクを深く考えられるため、子どもの安全を守る上で役立ちます。
「私の子育てはこれでいい」と腹をくくり、「最強のHSP親」として穏やかな日々を手に入れる
「完ぺきにできない自分」を責めるのではなく、「この辛い状況でも、私はここまで頑張っている」と認めましょう。
「私の子育てはこれでいい」と腹をくくり、自己肯定感という強いお守りと「守りの育児」という新しい戦略を手に入れたあなたは、これから穏やかで、幸せを感じられる日々を築くことができるでしょう。
この記事を書いた人


みぃ
人の輪に自分から入れず、『邪魔ではないか』と感じてしまう気質があります。出産後に産後うつを経験し、生きることが苦しい時期もありました。職場や子育てで悩んだ経験から、同じように傷つきやすい人に寄り添えたらと思っています。HSPとしての敏感さが、個別指導塾での指導に強みになっていたのかもしれません。今は就労継続支援B型で簿記を学び、社会復帰をめざしています。布団がいちばん落ち着きます。










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