皆さんに質問です。HSPってどんな人だと思いますか?
- 刺激に敏感で変化を好まない
- 人付き合いが苦手
- どちらかといえばおとなしい
なんて「繊細で内向的な人」をイメージする人が多いのではないでしょうか。
ですが、実はHSPのなかにも外向的で刺激を好む人が存在すると言われています。
それが「HSS型HSE」。
この記事では
- HSS型HSEの特徴
- HSS型HSE気質と上手に向き合う方法
をご紹介します。

HSP気質がある気がするのにしっくりこない……という人におすすめの内容です!
HSS型HSEとは





HSS型HSEって何?



HSP由来の繊細さを持ちながら外向的で刺激好きな傾向のある人です!
HSS型HSEはHSPのうちのタイプの1つ
そもそもHSPとは、「Highly Sensitive Person」の略で、環境感受性の高い人を指します。
環境感受性は、良い・悪いに関わらず、環境の影響を受ける特性です。
誰もが持ってはいるものの、その程度には個人差があるとされています。
そして、HSPの中でも外向的な気質をあわせ持つ人が、今回ご紹介するHSE(Highly Sensitive Extrovert)なのです。
また、環境感受性が高いことによる(HSP・HSEであることによる)特徴は、HSPの提唱者であるエレイン・アーロン氏によって以下のように説明されています。



キーワードはDOES(ダズ)!
DOESとは、HSPの特徴を表した言葉の頭文字を取ったものです。



1つずつ確認していきましょう!



ここからはDOESそれぞれの意味と、その特徴が日常生活に影響する例を紹介していくよ!
D:Depth of Processing(深く考えて行動する)
- 多くの視点から物事を考えられる
- 少ない情報からたくさんの情報を得ようとする
- 考えたり調べたりしだすと止まらない
- あらゆる可能性に目を向けられる
- 考えすぎるあまり決断が難しくなるときがある
O:Overstimulation(刺激過多)
- 大きな音や人の多い場所が苦手
- 他の人と過ごすと気疲れする
- 人一倍誰かのささいな言葉に傷つく
- 音楽や芸術に心を動かされやすい
- 小さなできごとや変化にびっくりしてしまう



外に出るだけで疲れちゃう……。



それはそう。でも、小さなことで幸せになれちゃったりする要因でもありますよ!
E:Emphathy and emotional responsiveness(高い共感能力)
- 他の人の感情に影響されやすい
(例)悲しんでいる人の近くにいるだけで悲しくなってしまう - 本やドラマなどに感情移入しやすい
- 他の人のささいな仕草、声色、表情などから感情の変化を読み取れる
- 小さい子どもや動物などの気持ちもわかる気がする
- ケガをした人を見ると自分までどこかが痛くなる



私は誰かが怒られているのを見るのがすごく苦手です……。
S:Sensitivity to subtleties(ささいな刺激に対する敏感さ)
- 小さい子どもや動物などの気持ちもわかる気がする
- 環境の変化に気づきやすい
- 強い光や特定の素材などが苦手
- カフェインや添加物に敏感に反応してしまう
- 直感が当たる場面が多い気がする
- 時計の秒針や機械音などの小さな音が気になって仕方ない



エレイン・アーロン氏はこの4つの特徴全てが当てはまる人がHSPである、と述べています。
HSS型とは刺激を求める気質
HSSとは、High Sensation Seekingの略で、「刺激追求型」と呼ばれる気質を指します。
HSSの気質を持つ人は、
- 好奇心旺盛
- 新しい挑戦に対するためらいが少ない
- スリルを求める
傾向のある人が多いと言われています。
しかし現実的に、外向的なHSPも刺激追求が好きなHSPさんもいます。
HSPであるなしに関わらず、例えばビッグファイブ性格検査(心理学で最も立証されている性格理論のひとつ)には「外向性」「開放性」という指標があります。
この二つの指標とHSPをかけ合わせれば、4分類は可能です。



感覚で自分はこのタイプだ!と判断するのではなく、性格検査も実施してみると明確にできるかもしれません。
HSS型HSEとは、HSE由来の繊細かつ外向的な気質と、HSS型由来の刺激を好む傾向を併せ持つ人のこと
HSS型HSEの特徴


ここからは、HSS型HSEの気質を持つ人が生活する中でのあるあるや、周りが受ける印象などを
- 人と関わるのが好き
- 好奇心旺盛で新しいものが好き
- 気疲れすることが人一倍多い
の3つの視点からご紹介します!



自分に当てはまるところはないか探してみよう〜!
人と関わるのが好き
外向的な傾向のあるHSE気質を持っているので、人との関わりを楽しめる人が多いです。
内向的な傾向の強いHSPやHSS型HSPの人と異なり、チームで取り組む仕事や、不特定多数の人と関わるイベントなどにも抵抗なく取り組めます。
さらにHSP由来の繊細さを発揮し、周りに細やかな気配りをできる人も多いので、周りの人から頼りにされる場面もたくさんあるでしょう。



優しいリーダーがつとまる素敵な気質だなあと思います!
好奇心旺盛で新しいものが好き
刺激を好むHSS型であるため、好奇心旺盛な傾向も強いです。
- やりたいことはやらずにいられない
- 決断力がある
- 挑戦へのためらいが少ない
などはHSS型HSEのこの特徴によるものかもしれません。
気疲れすることが人一倍多い
HSS型HSEの外向性や刺激を求める気質は、その人の大きな長所となりえます。
一方で、その気質によって起こす行動や周りからの評価が、HSS型HSEさん自身を悩ませてしまう場合があります。
例えば、
- 予定を詰め込みすぎてしまう
- 誰かを気遣って動く時間が多くなる
- 人をまとめる立場になってしまい、多方面に配慮せざるをえない
などの状況が多くなると、精神的に疲れてしまうことも増えるはずです。



みんなと仲良くしたり、チームを引っ張ったり……。



得意だけれど楽なわけではないんだよね。
HSS型HSEの気質と上手に向き合うためにできること3選


HSS型HSEの気質とうまく向き合い、気疲れしないためには何ができるでしょうか。
今回は、
- 予定を詰め込みすぎてしまう
- 誰かを気遣って動く時間が多くなる
- 人をまとめる立場になってしまい、多方面に配慮せざるをえない
の3つをご紹介します!
1人で落ち着ける時間をとる
外向的で人との関わり自体は好きな傾向が強いHSS型HSEですが、周りを気遣うことによる疲れは気づかぬうちに蓄積しているかもしれません。
またHSP気質も持つので、大きな音や人混み、強い光などの刺激には人一倍強いストレスを感じるでしょう。
なので、ときどき意識して1人の時間をとるだけでも、あらゆる刺激から自分を遠ざけられて心が落ち着くはずです。



何もしない時間って結構大事。
予定を詰め込みすぎないようにする
仕事・学校・プライベートなど、種類に関わらず予定が詰まりすぎてしまうと心に余裕がなくなってしまいます。



睡眠時間が削れたり、イレギュラーに対応できなくなったり……。



余裕がない状況自体にも焦ってしんどくなっちゃう〜。
心に余裕がない状況が続くと、思わぬ失敗で自己肯定感が低くなったり、体調を崩したりしやすくなるので注意が必要です。
予定の詰め込みすぎで余裕を失わないようにするためには、
- 1つ1つの予定を短くする
- 「空き時間」を予定だと考え、他の予定を入れないようにする
- 気の進まない誘いを断るスキルを身につける
などの工夫をすると効果的でしょう。



できることから試してみよう!
自分の気持ちを書き出して整理する
HSS型HSPは人と関わる機会が多い分、もやもやする場面も多いかもしれません。
一方でそのもやもやを怒りや不安などの形にして、相手に直接ぶつけるのは苦手な人は多いのではないでしょうか。



自分のせいで相手を傷つけたくない気持ちが勝ちませんか?



そもそもうまく気持ちを言い表せられない!
そんなときは、紙やスマートフォンに自分の気持ちを書き出すのがおすすめです。
- 置かれた状況
- 自分の気持ち(今の気持ち・これからどうしたいか)
- 想像する相手の気持ち
などは書くだけで心が落ち着きます。
また自分の気持ちを書いて外に出し、客観的な視点で見ることで、自分と他の人の思考を切り離せます。



共感能力が高い人ほど自分と他の人の感情の境界線が曖昧になりがち。
さらに何度も繰り返すと、自分がもやもやする状況の傾向や、考え方のクセなども見えてきます。



「書く」で自分を攻略できたら、もやもやする機会自体が減ってくるかもしれません。



いいことづくめだ!
まとめ


今回はHSS型HSEの特徴とその気質との向き合い方についてご紹介しました。
諸説ありますが、全人口のなかでHSP気質を持つ人は約5人に1人だと言われています。
その中でもHSS型HSEはさらに少数派。
自分の抱えた悩みが理解されず苦しく思う場面もあるかもしれません。
もしこれを読んでくださっているあなたが、仲間が見つからず孤独な思いを抱えているのなら、Tealsホームをのぞいてみませんか?
Tealsホームでは、HSPさんが集まるコミュニティがあり、自分と近い感覚を持つ人と悩みを共有できます。
同じ悩みを抱えていた人が、何かいい解決方法を知っているかもしれません。
そうでなくても、自分の話を心からの共感を持って聞いてもらえる、それだけできっと心が軽くなるはずですよ。



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