「職場に刺激が多すぎていつも疲れてしまう……。」
「人の顔色がいつも気になってしまう……。」
HSPさんはこんな悩みを抱えていることが多いのではないでしょうか?
確かにHSPをデメリットだと感じてしまうことも多いかもしれません。
しかしHSPだからこその『メリット』もあるのです。
このページでは「HSPであることに自信を持ちたい」という方、「HSPを仕事に活かしたい」という方に
- HSPだからこそ得られるメリット
- HSPを活かすために必要なこと
- HSPのメリットを活かせる仕事
について、筆者の体験談も交えながら解説していきます。
私自身もHSP気質でたくさん苦労をしてきましたが、ポジティブな面を意識し、HSPを前向きに捉えられるようになりました。
HSPだからこそ得られるメリットを存分に活かして、毎日をよりハッピーに過ごしていきましょう♪
HSPとは?
HSPとはHighly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略。
「環境感受性が高い」人たちのことを指します。
アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士によって提唱された概念です。
アーロン博士によれば、人口の約20%(5人に1人)の人がHSPの気質を持っていると言われています。
こちらの記事で詳しく紹介しているので、合わせて読んでみてくださいね。
HSPだからこそ得られるメリット
HSPとは「生きづらさのラベル」でも「天才のラベル」でもなく、あくまでニュートラルな気質です。
なので、メリットもデメリットもあって当然ですし、環境や仕事によって変わります。
HSPというとネガティブな面に注目が集まりがちですが、実はたくさんのメリットがあるんです。
今回はHSPのメリットを「仕事編/日常編/人間関係編」にジャンル分けしてご紹介していきます。
HSPと仕事編
まずは仕事の場面において発揮できるHSPのメリットをご紹介。
多角的なものの見方ができる
HSPの人は、ものごとを多角的に見る傾向があります。
なぜなら、収集したたくさんの情報を思慮深く分析できるからです。
たとえば
筆者は、過去に下着メーカーの商品企画部に所属していたのですが、お客さんの些細な一言や行動から細かなニーズを察知することが得意でした。
集めた情報をもとに分析して、新商品を思いついたこともあります。
HSPだからこそ、ほかの人がなかなか気づけないことに気づき、新たな発見ができることがあるのです。
危機管理能力がある
HSPは常にアンテナを張って情報を収集しているので、ほかの人が気づかない小さな違和感に気づきやすいです。
例えば、誰かのミスにいち早く気づき、大きな損失が起きる前に対処できる場合があります。
また、あらゆる可能性を考慮して未来を予想できるので、最もリスクの少ない選択ができます。
探究心がある
HSPの中には、探究心が強い人もいます。
日頃から深く考える癖がついていることが多いので、一つのことを極限まで追求したエキスパートになることができます。
たとえ興味の無いことに対してでも、持ち前の勤勉さと探究心で自己鍛錬を積んでいくのが得意です。
想像力が豊か
HSPで想像力が豊かな人は多いです。
筆者も想像力が豊かで、仕事に役立った経験があります。
たとえば
筆者が以前いた下着メーカーの職場では、上司とマンツーマンで仕事をすることが多くありました。入社1年目だった当時の私は、上司に大いに気をつかったわけですが、その配慮の姿勢が上司に高評価でした。
上司の立場に立って想像し、いつ声をかければいいのか、どんなふうに質問すれば答えやすいかなどを配慮できたのです。
HSPが持つ想像力は、オフィスワークや接客など、あらゆる仕事で役に立ちます。
丁寧に仕事できる
HSPには真面目で完璧を目指す性格の人も多いです。
このタイプの方は、どんな仕事に対しても丁寧に仕事ができる勤勉さを持ち合わせています。
たとえば
筆者自身も、真面目で何事も手を抜かない性格が職場で評価されていました。例えば朝一番の職場の掃除。
ちょっとめんどうな仕事ではありますが、私は全身全霊でした。ゴミひとつ残すまいと掃除するので、先輩から「もっと適当でもいいよ」と言われたほど。
このような誠実な姿勢はどんな職場でも歓迎されるはずです。
HSPと日常編
続いては、日常生活において発揮されるHSPのメリットをご紹介していきます。
ひとりの時間を楽しめる
HSPはひとりの時間を楽しめます。
世の中には「1人なんてつまらない!」という人もいますが、HSP気質の人にとってはひとりの時間が大切なエネルギー回復の時間です。
たとえば
筆者もひとりの時間が大好きで、基本的に趣味は1人でできるものばかり。
読書や映画鑑賞など、お家でできることはもちろん、カフェ巡りや旅行も1人で行きます。
自分の力で自分を楽しませることができるのはとても素敵なことですよね。
些細な幸せに気付ける
HSPは、身の回りにある小さな幸せに気づくことが得意です。
ほかの人であればスルーしてしまいそうなことも敏感に察知できるので、幸せな瞬間を取りこぼさずに済みます。
空の色が綺麗だったり、飲んだコーヒーが美味しかったりしたら、それだけで胸いっぱいに幸せを感じられるのはHSPの大きなメリットですよね。
芸術に心を動かされやすい
HSPは感受性が豊かなので、芸術に心を動かされやすい傾向にあります。
美術館で鑑賞するアートはもちろんのこと、音楽や映画、建築やインテリアなど身の回りにあるものでも感激してしまうことがあるのです。
たとえば
筆者は素敵なお店の紙袋に出会ったり、すれ違った人がおしゃれだったりするだけでとても幸せな気分になります。
動物や植物の体調の異変にすぐ気づける
HSP気質の人には、動物や植物が発するSOSのサインを敏感に察知することができる人が多いです。
常に高感度のアンテナを張っているので、些細な変化に気がつきやすいのです。
たとえば
筆者の猫のお話をします。
実はアレルギーを持っている猫で、ハウスダストや花粉に反応してすぐに耳が赤くなったり、口元が腫れたりしてしまうのですが、症状が出そうなときは私のHSP気質がとても役に立っています。
「いつもより多く顔を毛繕いしているな」とか「よく口元をなめるな」と思ったらすぐに薬をあげることができるのです。
おかげで今まで大事に至ったことはありません。
HSPと人間関係編
最後に、人間関係において発揮できるHSPのメリットをご紹介します。
気配りができる
HSPは、誰に対しても細やかな気配りができる人が多いです。
いわゆる「空気を読む」のが上手なので、人間関係において摩擦が生まれる言動をすることは少ないと言えます。
会食の場では飲みものや食べものが行き渡っているかどうかチェックしたり、会話を盛り上げようとしたりします。
たとえば
筆者も気配りは得意なほう。
自宅に友人を招くときには、前もって相手の近況をリサーチして話題を用意しておいたり、快適に過ごしてもらえるよう空調や、提供する食べ物や飲み物にもこだわったりします。
「楽しかった!」「ステキ!」と言ってもらえることがとっても嬉しいんです。
共感力が高い
続いてのメリットは、共感力の高さです。
HSPは相手の雰囲気やしぐさから何を考えているか、どんな気持ちなのかがなんとなくわかってしまうのです。
周囲に何かで悲しんでいる人がいると、まるで自分のことのように悲しみを感じるので、いてもたってもいられず相手の悲しみを和らげようと声をかけます。
こうした姿勢は相手から好感を得やすく、良好な人間関係を築くのに役立ちます。
たとえば
筆者には一緒に暮らすパートナーがいますが、特に彼の気持ちに関しては手に取るようにわかります。
彼が仕事で疲れていて、明るい気分になれないと察したときは、あえて放っておいてひとりになれるようにしますし、筆者に対して何か不満そうにしていればすぐに気づいて「私何かした?」と聞くことができます。
困っている人に手を差し伸べられる
HSPは常にアンテナを張って情報を収集しているので、周囲に困っている人がいると敏感に察知することができます。
自分のことを差し置いても困っている人を助けようとするHSPは、電車では自分が疲れていたとしても疲れていそうな人に席を譲る人も多いでしょう。
たとえば
筆者も周囲に困っている人がいると自分が落ち着かない性格。
以前の職場では、慣れない業務で悩んでいる同僚がいれば率先して話を聞いていました。
ただし自分のキャパシティを度外視してまで、助けようとしてしまうので注意が必要です。
多様性を受け入れられる
HSPは、持ち前の感受性の高さから、さまざまな考え方や価値観に触れることが多いです。
さらに優しく広い心を持っていることが多いので、自分と違う考え方も受け入れられます。
またHSP自身もマイノリティーとしての自覚を持っていることが多く、自分と違う意見に寛容です。
たとえば
筆者自身もHSPとして、また精神疾患を持つ者として、特に人生観や仕事に対する考え方がマジョリティーとは違うという自覚があります。
日本社会に暮らしていて、生きづらいと感じる場面を数多く経験してきたからこそ、もっと多様な生き方が認められてほしいと願っていますし、HSPに限らず外国籍の方、障がいのある方、性的マイノリティーなど社会から排除されがちな人々が生きやすい世の中になってほしいと願っています。
HSPさんがメリットを活かすために必要なこと
たくさんのメリットがあるHSPですが、メリットを十分に活かすには必要なことがあります。
それは、ネガティブな影響も受けやすいという特徴への対策です。
十分に対策しておくことで、HSPである自分をもっと好きになれますよ。
苦手な人から離れる
HSPがまず行うべきなのは、苦手な人から可能な限り離れることです。
なぜなら、周囲の人に気を使いすぎてしまう傾向のあるHSPは、苦手な人とも仲良くしようと労力を使いすぎてしまうからです。
全員と仲良くするのは不可能だと割り切り、仕事上関係を持たなくてはならない人とも極力距離を取るようにすることで、自分の体力を温存できるようにしましょう。
たとえば
筆者も人間関係は狭く、深いタイプ。
一緒にいて心地のいい人、自分に対して敬意を持ってくれる人を大切にし、そうではない人とはほどほどの関係でいるよう心がけています。
ただし苦手な人に対しても敬意は忘れず、相手を傷つけてしまうことがないようにしましょう。
そうすることでトラブルを避けることもできますよ。
一人の時間を大切にする
続いてHSPが行うべきことは、一人の時間を大切にすることです。
仕事のあと飲みに誘われても、時には自分の体力回復のために断る勇気が必要です。
一人になりたいと思うのは決して悪いことではありません。
前もって、職場の人や親しい人たちには一人の時間が必要なことを伝えておくと安心です。
たとえば
筆者も週に1日は、自宅で1人ゆっくりする時間をもうけるようにしています。
周囲の人に合わせて無理をしてしまわないように気をつけましょう。
理解のある相談者を見つける
続いては理解ある相談相手を見つけることです。
HSPは、どうしても深く考え悩んでしまいます。
そんなときは、1人で考え込まずに誰かに相談することが大切です。
他の人からすれば、大きな問題ではないと判明するかもしれません。
筆者は「Tealsホーム」というコミュニティで、理解者を見つけました。
HSPやうつ病、発達障害の人たちが「共感」や「交流」はもちろん、「自分のままで働く」を実現していくコミュニティです。
自分らしくいられる居場所が見つかって、とても嬉しいです。
気になった人はぜひのぞいてみてください。
五感から入る刺激を軽減する
HSPは感覚が鋭いため、心身の負担になってしまいがち。
人によってどの感覚が敏感なのかは違うため、下記を参考に対策をしてみてください。
視覚が敏感な人
帽子やメガネ、サングラスなどで視界から入る情報を制限する。
聴覚が敏感な人
大きな音のする場所を避け、どうしても避けられない時は耳栓やノイズキャンセリング機能のあるイヤホンをつける。
触覚が敏感な人
自分が苦手な繊維を知っておき、その繊維が使用された服は着ないようにする。
他人から触られるのが苦手な人は、用事をかける時は声をかけてもらうよう周囲に知らせておく。
嗅覚が敏感な人
マスクで匂いを遮断する。
中にお気に入りのアロマオイルを垂らしておくのもおすすめ。
味覚が敏感な人
自分の苦手な食感、味を理解しておき日頃から避けるようにする。
ぜひ試してみてください。
HSPのメリットを活かせる仕事
HSPにはたくさんのメリットがあることが分かりましたが、それではそのメリットを活かせる仕事とはどんなものがあるのでしょうか?
今の職場が合わない人、これから仕事探しをしたいHSPに必見の内容です。
ぜひ参考にしてみてください。
人の心や体をケアする仕事
HSPにおすすめしたい仕事のひとつは、人の心や体をケアする仕事。
相手の気持ちに寄り添い、共感することができるHSPにはぴったり。
困っている人を助けたい、人の役に立ちたいという思いの強い方はぜひ検討してみてください。
ただし共感する能力が高すぎて、自分が疲弊してしまう可能性には注意しましょう。
たとえば
整体師
カウンセラー
介護福祉士
エステティシャン
などが挙げられます。
動物や自然と触れ合う仕事
続いてHSPにおすすめなのは、動物や自然と触れ合う仕事。
HSPが持つ共感力は人以外にも発揮できます。
動物や植物の異変をすぐ察知できる人は、特に向いているといえるでしょう。
たとえば
動植物園の飼育員
トリマー
ペットシッター
花屋
などが挙げられます。
在宅ワークができる仕事
「周囲に人がたくさんいると緊張してしまう」
「静かな環境で仕事をしたい」
というHSPには在宅で仕事ができる方が向いています。
たとえば
WEBライター
WEBデザイナー
動画編集
内職
などが挙げられます。
正確性が求められる仕事
丁寧に仕事でき、ひとつのことを探求できるHSPは正確性の求められる仕事にも向いています。
たとえば
事務
工場のライン作業
整備士
データ入力
などが挙げられます。
クリエイティブな仕事
感受性が豊かなHSPは、クリエイティビティが求められる仕事にも向いています。
個性を発揮できる仕事なので、やりがいのある仕事をしたい人にはぴったりです。
たとえば
イラストレーター
デザイナー
ハンドメイド作家
などが挙げられます。
IT系などの技術職
コンピューターを扱う技術職は、人間関係に苦手意識のあるHSPに向いています。
ひとつのことを深く洞察する力も求められるので、メリットを大いに発揮できるでしょう。
在宅で仕事ができる場合も多いです。
たとえば
システムエンジニア
プログラマー
アナリスト
などが挙げられます。
他者との関わりの少ない仕事
人に気を使いすぎて疲れる傾向のあるHSPは、できるだけ他者との関わりの少ない仕事を選ぶのも良いでしょう。
黙々と作業をしたい人にはぴったりです。
たとえば
倉庫作業
図書館司書
清掃員
ドライバー
などが挙げられます。
HSPのメリットを発揮して、毎日をハッピーに過ごそう
ネガティブな側面ばかりが注目されがちなHSP。
しかしHSPにはたくさんのメリットもあるのです。
今回ご紹介したメリットを活かせるよう、ちょっぴり見方を変えてみると「HSPでよかった!」と思えるようになるはずです。
HSPのメリットを存分に発揮して、毎日をよりハッピーに過ごしてくださいね。
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