精神科って何をするのかよく分からないから行きにくいよね…。
お医者さんに何を話せばいいんだろう?って不安になるよね。
精神科を初めて受診する場合
- 行ったことがないからよく分からなくて不安になる
- 何を話せばいいのかな?
- どんな治療を受けるんだろう?
と、よく知らないために不安な気持ちを持つ方も多いのではないでしょうか?
今回は、初めて精神科を受診する方が疑問や不安に感じるであろう
- 精神科の診察内容
- 心療内科や神経科との違い
- どういう時に精神科を受診した方がいいのか
- 自分に合う医療機関の探し方
- 受診時の流れや費用について
- 利用できる支援や相談窓口
を詳しく解説します。
うつ病などの精神疾患は、他の病気と同じように早期発見・早期治療がとても大切です。
精神科を受診することに不安を感じている方も、この記事を読んで少しでも安心していただければ嬉しいです。
精神科とは?-精神科医の役割も理解しよう
ここでは「精神科ってどんなことをしているの?」という疑問について解説します。
精神科ができること
精神科は、こころの症状や病気を専門に診る医療機関です。
精神科医について、厚生労働省では以下のように説明されています。
厚生労働省が認定した国家資格である医師資格を持ち、精神疾患や精神障害、神経症、心身症などの診断と治療を専門的に行います。
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 精神科医(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-033.html)から引用
患者のこころの状態を把握して、薬物療法や心理社会的治療、精神療法などを行います。
精神科のお医者さんは、こころに関する症状のプロなんだね!
そうだね。精神科の先生は病気を治療するために、具体的にどんなことをするんだろう?
医学的な検査
精神疾患の多くは体調不調を伴います。
そのため、他の病気と見分けをつけることが難しい場合があります。
心と体の症状は互いに密接な関係があるため、実は内臓の病気がうつ症状を引き起こしていた…という可能性も否定できません。
心身の状態を正確に把握するためにも、血液検査や脳波検査・CT検査などの医学的な検査を行うことがあります。
こころの病気は診断が難しいからこそ、他の病気と区別するために医学的な検査をするんだね!
体の状態を正しく把握することで、治療薬の量や種類を決定したり、薬の副作用を防いだり、適切な治療にもつながります。
参考
- マオメディカルクリニック 心療内科で血液検査を行う理由とは?(https://maomedical.com/clpsychosomatic/2319/)
診断書の作成
うつ病などの精神疾患で学校や会社を休む時、医師の診断書の提出を求められる場合があります。
診断書とは、病名や症状、治療内容、治療期間などが書かれた書類のことで、診察した医師が作成します。
診断書は、
- 学校を休むとき
- 会社を休職・退職または復職するとき
- 公的機関に支援や手当などの申請をするとき
などに提出が必要になることがあります。
診断書は、すぐに受け取ることができる場合もあれば、作成に時間がかかる場合もあるので、病院やクリニックに確認してくださいね。
参考
- たわらクリニック 【職場や公的機関で必要な診断書、うつ病の場合どこでもらうべきか】(https://www.tawara-clinic.com/blog/007/)
薬の処方
精神疾患の中には、薬での治療が効果的とされているものもあります。
精神科で処方される薬には、抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬などがあります。
精神疾患に対する薬の処方は、患者さんの症状や体質によって異なるため、精神科ではその人にあった適切な薬物療法を受けることができます。
参考
- 早稲田メンタルクリニック 精神科で使われる薬について(まとめ)(https://wasedamental.com/director/dictionary/drug/)
治療方法はその人に合わせて様々
精神疾患の治療方法は、その人の症状や体質など状況によって様々です。
代表的な治療方法には、以下のようなものがあります。
- 薬物療法
- 電気けいれん療法
- 精神療法
- 心理療法
- 集団精神療法
- 家族療法
- 作業療法
- 精神科デイケア
- 入院治療
「治療」と一言でいっても、色んな治療法があるんだね!
参考
- シンプレ訪問看護ステーション 精神疾患の主な治療方法をご紹介(https://shimpre-houkan.com/blog/disease/mental-disease-treatment/#chapter4)
- 厚生労働省 こころもメンテしよう 精神科ではどんな治療をするの?(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/hospital/hospital_02.html)
精神科医の役割と専門性
精神科医は、こころの症状や病気を専門に診る医師です。
医師の役割で最も重要なものは、薬の処方をすることです。
患者さんにとって「医師の存在や一言」は大きな影響力を持つことがあるため、時には病状を大きく左右する可能性もあります。
また、患者さんの詳細な情報を医療チームに提供することも大事な役割となっています。
近年は看護師だけでなく、心理士や精神保健福祉士・薬剤師などの専門スタッフと協力し、医療チームとして治療を行うことが多くなっています。
診断や治療方針の決定、適切な薬物療法が行われているか、副作用のチェックなどの観察をチーム全体のコーディネーターとして行うことも重要な役目です。
そして、患者さんとその家族との信頼関係を構築・維持していくことも大切な役割の一つです。
参考
病院によってはできること
病院によっては、精神科医療機関で実施されるリハビリテーションを行うところもあります。
精神療法
精神療法は、心理学的なアプローチを用いて、心の健康をサポートする治療法の一つです。
同じような症状の方とグループになって話し合いをする集団精神療法や、カウンセリング、認知行動療法などがあります。
参考
- 厚生労働省 こころもメンテしよう 精神科ではどんな治療をするの?(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/hospital/hospital_02.html)
精神科デイケア
精神科デイケアは、日帰りのリハビリテーションのことです。
医療機関が持つ外来施設に通うことで、精神療法や作業療法などの治療法を組み合わせた様々なプログラムを受けることができます。
参考
- 元住吉こころみクリニック 【専門家が解説】精神科デイケア(https://cocoromi-cl.jp/knowledge/other/system-service/daycare/)
カウンセリングは精神科で受けられる?
精神科の外来診療には、カウンセリングは含まれないことが多いです。
薬の処方は医師が行いますが、心理療法(カウンセリング)については、心理カウンセラーが担当することもあります。
カウンセリングを受けたい場合は、カウンセリングを別途予約する必要があります。
受診する精神科でカウンセリングを予約できるかどうか分からない場合は、病院に問い合わせてみてくださいね。
参考
- LITALICO仕事ナビ 精神科とは?受診する方の症状例や、心療内科との違い、初めて通う際の準備などを解説(https://snabi.jp/article/148#f4vkr)
カウンセリングと精神科治療の違い
カウンセリングも精神科治療も、患者さんの話を詳しく聴くのは同じですが、治療方法が大きく異なります。
精神科では、医師が薬物療法や精神療法を行います。
お薬の量や種類の調整と療養する上での指導やアドバイスを行いますが、精神科の多くでは外来の患者さんが多いため、初診以外の診察時間は短いことが実状です。
カウンセリングでは薬物療法を行わず、患者さんとカウンセラー(臨床心理士や公認心理師など)が様々な心理療法でのやり取りを通して、症状の改善に努めます。
1回のカウンセリングで、30分~1時間ほどかかることが多いです。
治療にかかる費用も精神科とカウンセリングでは異なります。
精神科の診療には健康保険が使えますが、カウンセリングには健康保険が適用されません。
一般的には、1回約1時間のカウンセリングで数千円程度の自己負担が生じることが多いです。
精神科の診察では、それほど時間を取ってもらえない(3~5分程度)ことが多々あるので、話を聞いてもらいたい時はカウンセリングを使うといいね。
僕の体験だと、カウンセリングは5000~10000円と価格帯は様々だったよ。いずれにしてもお金がかかったなぁ…。
精神疾患を持っていて働けない人にとっては大きな出費だよね…。
カウンセリングも保険適用してもらいたいね…。
参考
- 千葉県 よくある質問 精神科とカウンセリングとは違うのですか。(https://www.pref.chiba.lg.jp/kenshidou/faq/363.html)
心療内科・神経科との違いは?
こころの専門の病院には、精神科・心療内科・神経科など色んな科名があるよね。
そうだね。たくさんあるけど何が違うんだろう?
診療科目名の違いについて
診療科目の区別は、あいまいな場合が多いので分かりにくいかもしれません。
看板には「心療内科」「メンタルクリニック」と表記していても、実際には「精神科」の診療内容を行っている場合もあります。
精神科、精神神経科
精神科と精神神経科は、名前は違いますが実際にやっていることは同じです。
どちらかが書いてある場合や、併記してある場合は、こころの病気や症状を専門に診る医療機関です。
精神科は、精神疾患を診る医療分野で、うつ病や不安障害、睡眠症状など様々なこころの病気に関する診察・治療を受けられます。
心療内科
心療内科は、ストレスなど心理的なことが原因で身体に何かしらの症状(胃潰瘍や気管支ぜんそくなど)が現われる「心身症」の治療を主に行う医療分野です。
心と身体の関係を重視しているんだね!
しかし、「心療内科」と書いてあっても、実際に診ているのはこころの病気だという医療機関もあります。
神経内科
神経内科は、脳や神経系の病気や症状を診る医療分野です。
パーキンソン病や脳梗塞、脳卒中、手足の麻痺や震えなど、脳や脊髄、神経、筋肉に関する病気を診ます。
精神科のように、こころの病気を主に診ているわけではありません。
しかし、「神経内科」と書いてあっても、実際にはこころの病気を含めて診ている医療機関もあります。
どの診療科で受診すればいいのか迷った時は?
診療科の違いについては分かったけど、結局どこを受診したらいいのかな?
医療機関の中には、精神科と心療内科の両方を診察しているところもあります。
どの診療科で受診すればいいのか悩む時は、複数の診療科の診察に対応している病院を選ぶのも一つの手です。
自分で判断が難しい場合は、症状を伝えることでどういった治療をすればいいのか、柔軟に対応してもらうこともできます。
電話などで予約する時に、どんな病気を診てくれるのか問い合わせてみたり、受診先に悩んでいることを伝えたり、判断を仰いでもらうのもいいですね。
参考
- 厚生労働省 こころもメンテしよう こころを専門に診る病院の種類は?(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/hospital/hospital_01.html)
精神科に行った方がいい症状は?-適切な受診時期を見極める
これくらいの症状で精神科に行ってもいいのかな…って悩むけど、受診するのに適切な時期ってあるのかな?
精神科をはじめて受診する場合、どれくらいの症状で行っていいのか悩んで不安になる方もいるかもしれません。
うつ病などの精神疾患は、他の病気と同じく早期発見・早期治療が大切です。
ここでは、精神科を受診した人によく相談される代表的な症状や受診の基準について解説します。
よく相談される症状の例
精神科を受診した人によく相談される代表的な症状の一例を紹介します。
初めての精神科で不安な方へ|初診の流れ・費用・診察内容について解説 LITALICOワークス(https://works.litalico.jp/column/mental_disorder/055/)から引用
- 憂鬱な気持ちが長い間続いている
- 落ち込んだ時と、気持ちがすっきりしている時の、気分の波が大きい
- ドキドキして心細くなりやすい
- 人前で話すとき過度に緊張してしまう
- 体調や気分は問題ないのに、いつも集中できない
- 最近物忘れが増えてきたと感じる
- 周囲の人が自分のことを悪く言っているような気がする
- 誰かに後ろからつけられているように感じる
- 近所の人が自分のことを監視しているように感じる
- 小さなころから落ち着かなく、大人になった今でも悩んでいる
- 食欲がわかず、仮に食べてもおいしいと感じられない
- 食べる量を適切にコントロールできず、いつも食べ過ぎてしまう
- 疲れているはずなのに、布団に入ってもなかなか眠れない
- 悪いことをしていないのに、悪いことをしてしまったと感じることがある
こころの病気は、自分で「なんか調子悪いな」と気づいていても、こころの病気だと思っていない場合や、自分では気づかない場合もあります。
周りの人が気づきやすい症状の一例を以下に紹介します。
こころの病気について理解を深めよう 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所(https://kokoro.ncnp.go.jp/health_understanding.php#01)から引用
- 服装が乱れてきた
- 急にやせた、太った
- 感情の変化が激しくなった
- 表情が暗くなった
- 一人になりたがる
- 不満、トラブルが増えた
- 独り言が増えた
- 他人の視線を気にするようになった
- 遅刻や休みが増えた
- ぼんやりしていることが多い
- ミスや物忘れが多い
- 体に不自然な傷がある
受診した方がいい基準は?
受診した方がいい基準や目安というのは、明確にありません。
その人によって「つらい・しんどい・苦しい」と感じる程度は異なります。
また、本人がつらくて苦しくても、周りの人に気づいてもらいにくい・理解してもらえにくいこともあります。
仕事や学校生活・日常生活の中で、あなた自身が苦しさやつらさを感じていて、診察を受けるべきかどうか悩んでいる時は、一度診察を受けることを勧めます。
「精神科はすごく怖い環境なのではないか…?」と想像して不安になるよね。
僕もすごく不安だったけど実際に診察に行って、あまりに普通の環境で驚いたよ!かかりつけの内科と同じような感じなので安心して受診してね。
症状が重くなる前に相談しよう
つらい状態が長引いて日常生活に支障が出たり、気になる症状が続いたりする場合は、自己判断せずに、専門機関や周りの人に相談してみましょう。
精神科の専門医による診察で、症状の改善や緩和の可能性があります。
精神疾患は、他の病気と同じように早期発見・早期治療が大切です。
「この状態にならないと受診してはいけない」「これくらいの程度では受診してはダメ」などの基準はないよ。
どんな症状でも我慢せず、症状が重くなる前に受診を検討してみましょう!
多くの精神疾患の経験者は「もっと早く受診しておけばよかった…」と言っているよ!
参考
- 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 こころの病気について理解を深めよう(https://kokoro.ncnp.go.jp/health_understanding.php#01)
精神科のある医療機関の選び方は?-自分に合った病院・クリニックを見つける
精神科のある病院ってたくさんあるけど、結局どんな病院を選んだらいいのかな?
総合病院やクリニックなど、精神科のある医療機関は、それぞれ特徴をもっています。
自分の症状や要望、行きやすい時間帯などの生活スタイルに合った医療機関を選びましょう。
- 予約はしやすいか?
- 通いやすいか?
- どんな治療を行っているのか?
といった条件にも照らし合わせるといいですよ。
精神科のある医療機関の違いについて
大きな病院やクリニックなどいろいろな形の精神科があるよね。どう違うんだろう?
精神科診療所・メンタルクリニック
診療所・クリニックは、入院用のベッドを持たない医療機関のことです。
精神科医の先生が一人で診療をしている場合が多いので、土日や平日夕方にも診療をしているなど、自分の都合に合わせて受診できる可能性もあります。
受診が気軽にしやすい雰囲気があって、交通の便が良いところにある場合も多いです。
心理療法士のカウンセリングが受けられたり、デイケアが充実していたり、それぞれの診療所やクリニックごとに特徴があります。
精神科病院
精神科病院は入院用のベッドを20床以上持っているため、必要な時は入院が可能です。
作業療法士やケースワーカーなどのメディカルスタッフも充実していて、デイケアが充実している病院が多く、精神科医も複数勤務しています。
緊急医療や依存症、子どもの精神疾患など、病院によっては特に専門的な治療をしていることもあるよ。
総合病院の精神科
総合病院は内科や外科など多くの診療科目を持っていて、その中の一つに精神科の診療をしているところもあります。
他の診療科との連携が密なため、こころの病気だけでなく身体の病気も診てもらいたいという場合に役立ちます。
また、医療保険に算定されていない最新の治療や検査を受けることができる場合もあります。
しかし、他の診療所や病院からの紹介状なしで「大病院」に分類されている病院を受診した場合、診察料のほかに特別料金がかかってしまうことがあります。
地域の診療所や中小病院を受診してから、総合病院などの大病院の受診を検討した方がいいかもしれません。
詳しくはこちらを参考にしてください。
参考
- 政府広報オンライン 紹介状なしで大病院を受診すると特別の料金がかかります。診療所や病院を適切に使い分けましょう。(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201603/5.html#anc01)
- 日本精神神経学会 精神科医療機関受診についてQ&A(https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=2)
口コミを評判を参考にする
インターネット上の口コミサイトを見て、実際にその病院を利用した人の感想を確認したり、病院の公式ホームページを確認したりするのもおすすめです。
口コミサイトに記載されている評価や感想は、個人的な意見である場合が多いため、参考程度にしておきましょう。
病院の公式ホームページでは、診療時間や診察内容、医師の紹介や院内の写真などが掲載されています。
「よくある質問」などで準備しておくといいものや、どんなことを聞かれるのかなど、まとめている病院もあるので事前にチェックしておくのがおすすめだよ!
病院によってそれぞれ特徴を持っているので、条件を照らし合わせながら、自分に合った精神科を選びましょう!
自分の地域の精神科、探し方は?
自分の地域にある精神科って、どこにあるんだろう?どうやって探せばいいのかな?
ここでは、自分の地域にある精神科の探し方について紹介します。
全国医療機関検索(厚生労働省)
全国医療機関検索は、厚生労働省が各都道府県にある医療機関をまとめた検索サイトです。
都道府県別に、精神科・心療内科などの診療科や、地域、医療機関の特徴、薬局などからも検索できます。
ぜひ活用してみてね!
参考
- 厚生労働省 「全国医療機関検索」(http://kokoro.mhlw.go.jp/facility/)
精神保健福祉センターへ電話してみる
精神保健福祉センターとは、各都道府県・政令指定都市ごとにある支援機関です。
「こころの健康センター」と呼ばれることもあります。
精神保健福祉センターでは、こころの健康や精神疾患、依存症、ひきこもり、認知症など精神保健福祉全般にわたる相談をしています。
電話や面接で相談できます。ただし、面接は事前予約が必要な場合が多いので注意してくださいね。
参考
- 全国精神保健福祉センター長会 「全国精神保健福祉センター一覧」(http://zmhwc.jp/centerlist.html)
地域の医療機関情報に強い
精神保健福祉センターは、各都道府県・政令指定都市ごとにあるため、その地域の医療機関の詳しい情報を持っています。
受診を迷っている場合や「この症状はどこの病院で診てもらったらいいのかな?」と分からない場合は、精神保健福祉センターに電話で相談することができます。
「電話が苦手…」「上手に話せるかな…?」という人は、紙に聞きたいことを書いておいて、それを見ながら電話してみるのがオススメだよ!
自分の希望を考慮してもらいやすい
精神保健福祉センターは、その地域の病院の詳しい情報を持っています。
電話で相談すると、「ゆっくり話を聞いてくれる穏やかな先生がいい」「医療費やお金のことが心配なので、そういう相談もできる病院がいい」など、細かい自分の希望を考慮してもらいやすいです。
自分の希望を伝えて、いくつか病院の候補を聞いてみるといいですよ!
参考
- 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 相談しあう・支えあう(https://kokoro.ncnp.go.jp/support_consult.php)
- 子ども情報ステーション 精神科の選び方 — 精神科の受診を考えている方へ part.2(https://kidsinfost.net/2020/03/27/psychiatry-21/)
精神科の受診の流れは?-安心して受診できるように準備しよう
ここでは、精神科の受診の流れについて解説します。
初診は予約が必要な場合が多い
精神科での初診は、予約制のところが多いです。
医療機関によっては予約が取りにくく、すぐに診察してもらえない可能性もあります。
必要に応じて、早めに予約を取るように心がけるといいですね。
僕の経験では1か月待たされたよ…。3か月待たされた友人もいるよ。
悲しいことですが、日本では精神疾患が増えているのが現実です。
待たされても諦めずに通いましょう!
診察では何を話す?何を聞かれる?
はじめての診察……緊張する……。
診察前の準備は必ずしも必要ではないですが、「何を話せばいいのかな?」「何を聞かれるのかな?」と不安になりますよね。
診察の前にまとめておくと安心な項目について紹介します。
初診時に聞かれることが多い内容
精神科の初診で、聞かれることが多い内容をまとめたものです。
初めての精神科で不安な方へ|初診の流れ・費用・診察内容について解説 LITALICOワークス(https://works.litalico.jp/column/mental_disorder/055/)から引用
- 現在、何に困っているのか?
- どのような症状があるのか?
- いつから困っているのか?
- 受診に至った経緯
- 具体的にどのようなときに、どのような症状が出るのか?
- 原因として思い当たることはあるのか?(出来事、人間関係、ストレス要因など)
精神科における問診では、単に症状やあなたの状態について聞くだけではないことがあります。
例えば、
- 周りの人との関係(家族・職場・友人など)
- 仕事の内容
- 趣味や好きなこと
- 現在の生活環境(休日の過ごし方・睡眠時間など)
- 過去の生活環境(生活史・生育歴など)
- 過去の受診歴
など、プライベートな内容にも踏み込んで聞かれることもあります。
あまり言いたくない場合には、強制ではないので無理やり話す必要はないよ。
しかし、治療するにあたって、正確な診断や効果的に治療するには、プライベートな問題が重要な情報である可能性があります。
話せる範囲でかまわないので、「相談してみたい」「話したい」と思ったら、少しずつ時間をかけて相談してみましょう。
初めて話す人に、自分の内面を晒すのって怖いよね…。
そうだね。でも、僕たち患者側が「この話は病気とは関係ないだろう」と判断するのは良くないよ。
少しでも早く治すために、できるだけ多くのことを語ってほしいな。
参考
- 城山病院看護部外来 はじめて精神科・心療内科を受診される方へ(http://www.jyozan.or.jp/gairai0401/gairai110411.html)
心配な人はノートにまとめておく
診察前に聞かれそうな項目を頭の中で整理しておくと、スムーズにコミュニケーションが取れますが、なかなか難しいですよね。
そこで、あらかじめノートにまとめておくのがおすすめです。
相談したいことや伝えたいこと、聞かれそうな質問に対しての回答などを項目ごとにまとめておくのもおすすめです。
ノートを見ながら話したり、話すのが難しいという人は、ノートをそのまま先生に見せるのもいいね!
診察前に準備しておくと良いものは?
診察前に必ず準備しておくものは「保険証」です。
また、すでに他の医療機関で受診している場合は「紹介状」が必要になる場合もあります。
何が必要なのか不安な方は、受診前に準備しておくものを病院に直接問い合わせてみてくださいね。
診察にはどれくらい時間がかかる?
初診の場合、診察前に問診票の記入があったり、臨床心理士や精神保健福祉士などの医療従事者による聞き取りや面談をする場合もあります。
初診では詳しい問診のため、一般の内科などに比べるとかなり時間がかかる可能性があります。
僕の初診では、1時間~1時間半ほどかかったよ。
時間に余裕をもって受診できるように心がけましょう!
どんな薬が処方される?副作用はないの?
診察の結果、治療に必要と判断された場合は薬が処方されます。
はじめて精神科を受診した人は特に、「強い薬を使うのかな?」「薬に依存しないかな?」「副作用はないのだろうか?」など不安な気持ちになると思います。
精神疾患において、薬物療法はとても大切な治療方法です。
薬物療法によって、抑うつ・不安・不眠・興奮など、様々な症状の改善に効果があります。
また、症状が安定した後の再発を予防する効果もあります。
各医療機関では、薬の説明や副作用についても説明し、患者さんの理解を得た上で飲んでもらうようにしているところが多いです。
「なぜその薬が必要なのか」「どんな症状に効くのか」など処方された薬に疑問や不明点、不安なことがあれば、遠慮せず気軽に相談してみましょう。
参考
- 早稲田メンタルクリニック 精神科で使われる薬について(まとめ)(https://wasedamental.com/director/dictionary/drug/)
精神科の入院が必要な場合って?
病気の症状が重い場合や、自殺などの危険を避ける必要がある場合、環境を変えて休息を取る必要がある場合などに、入院治療することで症状が改善することもあります。
他にも、薬の調整や依存症改善の治療、リハビリテーションのために入院するなど、その人の症状や状態によって入院の目的は様々です。
参考
- 日本精神神経学会 精神科医療機関受診についてQ&A(https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=2)
精神科の受診に付き添いは必要?
精神科の受診に付き添いが必要かどうかは、医療機関によって異なります。
受診する前に病院に問い合わせたり、病院の公式ホームページで確認してみましょう。
付き添いの人がいることで、安心して受診できるというメリットもあります。
自分では症状を正確に伝えられない場合、付き添いの人が代わりに医師に情報を伝えることもできるね。
付き添いの同席を望まない場合は無理をせず、自分の意向を尊重してもらうことも大切だよ。
参考
- あわの診療所 Q6 うつ病の受診時には家族も付き添った方がよいのですか?(https://awano-clinic.jp/sickness/depression/depression-qa2/faq06/)
- 川崎沼田クリニック 精神科の家族の付き添い(メンタルクリニック・心療内科も含む)(https://blog.kawasaki-numata.jp/tsukisoi/)
診察後のフォローアップや次回受診について
フォローアップや次回受診については医療機関によって異なるため、精神科医の意見に従うことが大切です。
診察後にフォローアップや次回受診について説明や指示がある場合には、その指示に従うようにしましょう。
症状が改善した場合でも、自己判断はせず、医師の指示がある場合は必ず受診するようにしましょう。
病気の本質を見極めるまで、精神科の診察では時間がかかることが多いです。
症状の経過を観察することで様々な情報が蓄積し、途中で診断内容が変わる可能性もあります。
治療の見通しについて疑問や不安に感じることがある場合は、医師に相談してみてくださいね。
参考
- 品川メンタルクリニック 医療と心の話(https://www.shinagawa-mental.com/column/psychosomatic/hospital/)
精神科でかかる費用は?
ここでは、精神科の受診時にかかる費用について解説します。
精神科の診療は保険診療
精神科の診療は、一般的には保険が適用される保険診療なので、自己負担額は3割であることが多いです。
実際にかかる費用は医療機関によって変わりますが、目安としての診察料はこのようになります。
- 初診時:2,500円~3,000円程度
- 再診時:1,500円程度
上記の費用は、初診料・診察料、処方箋料、通院精神療法料などを合算した目安です。
※通院精神療法料:医師が時間をかけて診察した場合に加算される費用のことです。30分未満、30分以上、60分以上など、診察時間によって点数が異なります。
初めての精神科で不安な方へ|初診の流れ・費用・診察内容について解説 LITALICOワークス(https://works.litalico.jp/column/mental_disorder/055/)から引用
具体的な料金は医療機関や症状によって異なるため、不安な場合は予約する時に症状を伝え、大まかな金額を聞いて確認しましょう。
他の費用が加算される場合もある
初診では心身の状態を正確に把握するため、血液検査や画像検査などを行うことがあり、その費用が加算される場合があります。
また、カウンセリングなど別途費用がかかる診療を行っている場合も、その費用がかかる可能性があります。
費用について不安や疑問がある場合は、予約の電話をする時に、費用についても聞いてみてね。
自立支援医療制度について
自立支援医療制度とは、こころの病気による通院で、継続した治療を受けることによって多くかかる医療費の負担軽減を目的にした制度のことです。
自立支援医療制度の対象となると、一般的な保険診療で自己負担額が3割のところを、1割負担に軽減されます。
自立支援医療制度の申請は、市区町村の担当窓口(障害福祉課や保健福祉課など)で行うことができます。
詳しく知りたい方はこちらを参考にしてくださいね。
参考
- 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 こころの病気への助成(https://kokoro.ncnp.go.jp/support_promotion.php)
僕は病院に月1回通っていて、自立支援医療を利用して1割負担になりました!支援なしで1年間通い続けたとすると…30,120円損することに気がついたよ。
精神科に通院していることを周りに知られたくない場合は?
「精神科に通院していることを周りに知られたくない…」という人もいると思います。
ここでは、守秘義務や配慮された病院の選び方について解説します。
守秘義務について
精神科医を含め医療従事者には、法的に守秘義務が課せられています。
精神科を受診したことや、診察時に話した内容が外部に漏れることはありません。
本人の承諾がなければ、本人以外からの治療内容や診察内容の問い合わせには一切応じることもありません。
安心して精神科を受診してね。
参考
- 日本精神神経学会 精神科医師の倫理綱領細則(https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/about/ethics_detailed_regulations.pdf)
待合室が配慮されている病院を選ぶ
「病院で他の患者さんと顔を合わせるのも嫌だな…」という方は、待合室が配慮されている病院を選びましょう。
医療機関によっては、プライバシーにとても配慮された待合室をもつ病院もあります。
例えば、
- 診察の順番を端末に表示し、口頭で名前を呼ばず診察室に案内する
- プライバシーを守るためのスペースが設けられている
- 患者同士が顔を合わせないように、仕切りなどで工夫されている
受診する前に、病院の公式ホームページや問い合わせ先で確認したり、精神保健福祉センターに電話して相談してみるのもおすすめです。
精神科以外で利用できるサポートはあるの?-幅広い支援を活用しよう
精神疾患をもつと、普段の生活や経済面などに不安を感じる方は多いと思います。
精神科へ通院するのと並行して、精神科以外の公的な専門機関や支援機関など、幅広い支援の活用も検討してみましょう。
専門機関について
精神科以外の専門機関にはどんなのがあるんだろう?
保健所「こころの相談」
保健所では、こころの健康に関する相談や、医療や福祉に関すること、依存症など幅広い相談ができます。
精神科のある医療機関をはじめて受診する場合に不安な場合や、困ったことがある場合には利用するのもおすすめです。
保健師さんをはじめ、医師、精神保健福祉士など専門家に電話や面談、家庭訪問などで相談することができます。
面談や訪問での相談を希望する場合は、事前に電話で相談してみましょう!
近くにある保健所の連絡先はこちらを参考にしてくださいね。
参考
精神保健福祉センター
精神保健福祉センターとは、各都道府県・政令指定都市ごとにある支援機関で「こころの健康センター」と呼ばれることもあります。
こころの健康や精神疾患など精神保健福祉に関する相談をはじめ、自立支援医療や精神障害者保健福祉手帳など各種制度の申請も行っています。
近くの精神保健福祉センターを探す方は、こちらを参考にしてくださいね。
参考
- 全国精神保健福祉センター長会 「全国精神保健福祉センター一覧」(https://www.zmhwc.jp/centerlist.html)
地域活動支援センター・活動支援センター・地域生活支援センター
地域活動支援センターとは、精神疾患など障害のある方の日中の活動をサポートする機関です。
「活動支援センター」や「地域生活支援センター」と呼ばれることもあり、地域の人との交流・相談や、創作活動を行うオープンスペースの提供などをしています。
例えば、精神疾患を診断された人が「就労に向けて少しずつ生活を整えたい」と、日中活動の場が欲しいという場合などに利用することができます。
地域活動支援センターは、地域との接点を作れるように、様々な活動の場を提供してくれる機関です。
各市町村やセンターによって具体的な利用方法などが異なるので、利用したい場合は事前に確認してね。
地域活動支援センターについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
参考
- LITALICO仕事ナビ 地域活動支援センターとは何をするところ?サービス内容や利用方法などを解説します(https://snabi.jp/article/203)
障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターは、地域において障害のある人の自立と安定した職業生活の実現を目的としている機関です。
生活面と就業面に関する一体的な相談や支援を行っています。
障害者就業・生活支援センターについてもっと詳しく知りたいという方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
参考
- LITALICO仕事ナビ 仕事と生活のワンストップ窓口!障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)とは?生活相談の内容と利用の流れ(https://snabi.jp/article/3)
公的支援について
精神疾患をもつ人が受けられる公的支援ってどんなのがあるんだろう?
精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳は「障害者手帳」の種類の一つです。
精神疾患のある人に交付されます。
精神障害者のある方の自立と、社会への参加を促進することを目的としています。
手帳を持っている人には、公的支援や税金・年金・各種控除の優遇措置など様々な支援がされます。
精神障害者保健福祉手帳について詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてくださいね。
参考
- 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 こころの情報サイト「障害者手帳・障害年金」(https://kokoro.ncnp.go.jp/support_certificate.php)
就労移行支援・就労継続支援
就労移行支援・就労継続支援とは、精神疾患のある方の就職をサポートするサービスです。
一般企業へ就職を希望する人に、働くために必要な知識や能力を身につけるサポートを行っています。
就労継続支援には、企業と雇用契約を結ぶA型(雇用型)と、雇用契約は結ばないB型(非雇用型)の2種類あります。
詳細についてはこちらの記事を参考にしてみてくださいね。
参考
- LITALICO仕事ナビ 就職から安心して働けるまでを全力サポート!就労移行支援について分かりやすく説明します(https://snabi.jp/article/2)
- LITALICO仕事ナビ 就労継続支援A型とは?仕事内容と給料、利用までの流れを徹底解説!(https://snabi.jp/article/16)
- LITALICO仕事ナビ 就労継続支援B型とは?作業内容や工賃の額、対象者、利用手続きなどを解説します(https://snabi.jp/article/15)
自立訓練・生活訓練
自立訓練・生活訓練では生活能力を維持・向上するために、一定期間、必要な訓練や支援などを行います。
自立した日常生活をするために、食事や家事などの能力向上の支援や相談支援などもしています。
参考
- 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 こころの情報サイト「障害福祉サービス」(https://kokoro.ncnp.go.jp/support_service.php)
自立支援医療
自立支援医療制度とは、医療費の負担軽減を目的にした制度のことです。
自立支援医療制度の対象となると、一般的な保険診療で自己負担額が3割のところを、原則1割負担に軽減されます。
経済的な負担が軽くなると、治療費や通院を続けることに対しての不安も軽くなるので、専念した治療につなげることができます。
自立支援医療制度について詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてくださいね。
参考
- 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 こころの情報サイト「こころの病気への助成」(https://kokoro.ncnp.go.jp/support_promotion.php)
地域の自助グループや相談窓口
自助グループとは、同じ問題や悩みを抱えた人たちが、自発的に当事者同士でつながり、結びついたグループのことです。
例えば、アルコール依存症の自助グループ、薬物依存症の自助グループ、ひきこもりの自助グループ
、摂食障害の自助グループなど様々な自助グループがあります。
一人では問題や悩みに向き合うのが難しくても、グループの人たちと話し合ったり、体験を共有したり、悩みを直視することで自分を変化させることにつながります。
自分の地域に自助グループがあるかどうか知りたい場合は、各市区町村や保健所、精神保健福祉センターに問い合わせてみてくださいね。
他にも利用できるサポートは様々あるので、自治体の福祉相談窓口に問い合わせて、相談してみるのも良いですね。
精神疾患を抱える人は真面目な人が多いです。「支援に頼るなんて申し訳ない…」と考えてしまうこともあるかもしれません。
「少しでも早く治して社会に復帰した方が社会にとってはプラスだ」と考えて支援を受けることをおすすめします!
参考
- 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 こころの情報サイト「相談しあう・支えあう」(https://kokoro.ncnp.go.jp/support_consult.php)
まとめ
こころの病気に対して、不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
こころの病気は他の病気と同じく、早期発見・早期治療が重要です。
人によって「つらい、苦しい」と感じる程度は異なります。
日常生活や仕事・学校などで、心身の不調やつらさ・苦しさを感じる場合は、我慢せず、一度精神科の受診を検討してみてくださいね。
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