「HSS型HSPは天才」って見かけたけど、本当なの?
この記事を読みにきてくださった方は、このように感じているのではないでしょうか。
この記事では、
- HSS型HSPが「天才」「変わっている」と言われる理由
- HSS型HSPの有名人
- HSS型HSPの特徴
- HSS型HSPの人が持つ才能
を解説します。
また、「HSS型HSPだけど、自分も天才と言えるのかな…?」という方へ、
- HSS型HSP本人が自分を天才だと思いにくい理由
- HSS型HSPとの向き合い方
- HSS型HSPの特性の活かし方
についても紹介します。
HSS型HSPへの理解が深まれば、特性を上手に活かした日々を過ごせるようになります。
最後までお読みいただけると嬉しいです。
HSS型(刺激追求型)HSPとは
HSS型HSPとは、HSPの中でも刺激を求める傾向にある人を指します。
HSSとはHigh Sensation Seekingの略で、刺激追求型と呼ばれる場合もあります。
また、別の言葉でHSE(外向型)というのもあります。混同されがちですが、HSS型とHSEは違う性質を指します。「HSS型は刺激を追求する人」「HSEは人に対して積極的な外向型の人」です。
もちろん、HSS型だけれどHSEではないHSPも、HSS型ではないけれどHSEの特徴を持っているHSPもいます。
以下の図のように、HSPは、HSS型の性質を持っているかどうか、HSEの性質を持っているかどうかで4種類に分類される場合が近年は多いです。
実はHSS型やHSEという言葉は、科学的に立証されたものではありません。
とは言っても、外向的なHSPや刺激を追求するHSPがいるのも事実です。
心理学で最も立証されている性格理論のひとつ、ビッグファイブ理論には「外向性」「開放性」という指標があります。
この検査で外向性が高いと出たHSPはHSE、開放性が高いと出たHSPはHSS型HSPと言えるかもしれません。
HSPが多く集まるTealsのコミュニティ「Teals Home」では、ビッグファイブを含む性格検査をより正確に実施し、理解し、生き方や働き方に活かす方法をみんなで学んでいますので、興味のある方はのぞいてみてくださいね。
ここからは、HSS型HSPやHSS型HSEが持つ「HSS型(刺激追求型)」について深掘りしていきます。
HSS型HSPが「天才」「変わっている」と言われる理由
HSS型HSPには、「自分が周りの人とは違うという自覚はなんとなくある」「けど、HSPの特徴にぴったり当てはまるわけではない」というような、「なんか違う」という感覚があるのではないでしょうか。
この「なんか違う」はHSS型HSPの矛盾した特徴によるものです。
HSS型は刺激を追求し、HSPは刺激に敏感。この相反する特徴を同時に持っているHSS型HSPの感覚は、なかなか理解されません。
理解するのが難しい「なんか違う」感覚をどうにか言葉で表そうとした結果、「天才」「変わっている」という表現になるのです。
「天才」と「変わっている」では反対の印象をもたらしますが、これは、周りの人たちがHSS型HSPの特徴をプラスに捉えているかマイナスに捉えているかの違いによるものです。また、HSS型HSPの特徴が環境に合っているかどうかにも左右されます。
つまり実際は、「HSS型HSP=天才」でも「HSS型HSP=変わっている」でもありません。
HSS型HSPと呼ばれる個性を持っているというだけなのです。
HSS型HSPは「天才な人」のことでも「変わっている人」のことでもなく、ひとつの「個性」。
HSS型HSPの可能性がある有名人
HSS型HSPさんの中には、多くの注目を浴びる環境で才能を発揮し、活躍している人もいます。
刺激の多い環境なので、上手く活かすことができればHSS型HSPに合う場所のひとつなのかもしれませんね。
HSS型HSPはまだまだ認知度が低く公表している人が少ないため、今回はHSS型HSPの可能性がある方も含めて紹介します。
もちろん、HSPが医学的定義でないように、HSS型HSPも医師に診断されるものではありません。
公表している方も、あくまで自己認識であることが多いと考えられます。
ロンドンブーツ1号2号|田村淳さん
田村淳さんは、テレビ番組で自身がHSS型HSPであることを公表しました。
X(旧Twitter)やYouTubeでもお話しされています。
多数の番組でMCを務めており、タレント活動以外にもバンドやコミュニティ作りなど、幅広いことに挑戦している田村淳さん。
この活動の幅の広さには、HSS型HSPの刺激を求める特徴が関係していそうですね。
最上もがさん
元でんぱ組.incのメンバーで、現在は個人事務所を設立しマルチに活動を続けている最上もがさん。
最上もがさんは、YouTubeの生配信で自身がHSPであることを公表しています。
こちらの生配信で語られているように、小さい頃、いろんな本を読むこと、絵を描いたり美術館に行ったりすること、活発で体を動かすことが好きだったというのは、HSS型HSPの好奇心旺盛な部分が表れているように思います。
ベッキーさん
ベッキーさんは、田村淳さんがテレビでHSPについて語った際にX(旧Twitter)で自分もHSPだと公表しています。
タレントとしての活動の他にも、ドレスや着物、Tシャツをデザインしたり、絵を描いたりなど、アーティストとしての一面も持っています。
HSS型の刺激に飛び込む実行力とHSPの感受性の豊かさが、このような活動に結びついているのかもしれません。
EXILE ATSUSHIさん
ATSUSHIさんは、著書『サイン』の中でご自身がHSPであることを公表しました。
アーティストとしての活動はもちろん、こどもたちの支援のためのYouTubeチャンネル開設、ミュージシャン支援プロジェクト「Musician Aid Japan Project」の立ち上げなども行っているATSUSHIさん。
人のために自ら行動を起こせるという部分は、HSPの「多くの人の幸せを願う」という長所とHSS型の「実際に行動に起こせる」長所を上手く組み合わせて活動しているということなのかもしれませんね。
ダウンタウン|松本人志さん
松本人志さんは、出演するテレビ番組でHSPについて取り上げられた際にHSPのチェックリストを見て「全部当てはまる」と発言されていました。明言されてはいませんが、HSPなのかもしれませんね。
また、抜群のお笑いセンスがあり、作詞家や脚本家、映画監督としても活躍しているのは、考えを形にする実行力に長けたHSS型HSPだからなのではないでしょうか。
Sexy Zone|中島健人さん
Sexy Zoneのメンバーとして活動している中島健人さんも、明言はされていませんが、テレビ番組に出演した際のHSPチェックリストに全て当てはまったため、HSPの可能性があると言われています。
アイドル活動のみならず、役者として多数の作品に出演したり、ライブ演出や動画編集、作詞作曲もおこなうなど、様々な活動に取り組んでいる中島健人さん。
このように幅広く活動しているのは、HSS型HSPの一面を持っているからとも言えそうです。
エイブラハム・リンカーン
第16代アメリカ合衆国大統領のリンカーン。
HSPの概念を提唱したエレイン・N・アーロン博士が、HSPに当てはまる有名人として名前を挙げています。
奴隷解放宣言をおこなう、南北戦争でアメリカを統一するなどの功績があり、「史上最高の大統領」とも呼ばれているのは、HSS型の未知の物事にも飛び込んでいける果敢さと柔軟性、HSPに多い平和思想よるものだとも捉えられそうです。
イングマール・ベルイマン
20世紀を代表する映画監督と呼ばれるベルイマンも、アーロン博士がHSPに当てはまる有名人として挙げた1人です。
世界三大映画祭の主要部門を制覇、外国語映画賞を3度受賞するなど、全世界に影響を与える数々の名作を生み出し続けたベルイマン。
数多くの人の心を引きつける演出を追求し続けて生まれた独自の世界観は、HSS型HSPの類まれなる発想力と熱中する力が関係しているのかもしれません。
HSS型HSPならではの特徴
ここからはHSS型HSPの特徴について詳しく解説します。
HSS型HSPの研究は多くないため、先述の性格検査における刺激追求性の特徴も含めた「このような個性と相関があると言われている」といった内容を紹介します。
全員にぴったり当てはまるとは限りませんので、参考程度にとどめておいてくださいね。
好奇心が旺盛
HSS型HSPは、刺激を求めて自由に行動します。珍しいこと、面白そうなことを見つけると恐れず飛び込んでいく場合が多いです。
いろいろなことに興味が湧くので、小さい頃は外でよく遊ぶ活発な子だったということもよくあります。
具体例
- レストランで毎回違うメニューを注文する
- 新商品に目がない
- ホラー系の作品を観る
- アウトドア派で、旅行、特に海外旅行が好き
- 仕事で新しいプロジェクトのメンバーに立候補する
たくさんの「やってみたいこと」で頭がいっぱいで、いつも慌ただしくしています。
それに満足すると、また別の強い刺激を探しに行きます。
また、好奇心が勉強に向く人もいます。この場合の勉強とは、学校で学ぶようなことだけではありません。プログラミングに興味を持ったり、身の回りの「なぜ?」を片っ端から調べたり、いろいろな資格を取得したりというのも含みます。
刺激に出会えないとモヤモヤする
刺激に出会えない状況が続くとつまらないと感じるのも、非HSS型のHSPとは違う特徴です。
具体例
- 家にこもりっきりは耐えられない
- よく部屋の模様替えをする
- 単調作業はやりたくない
- 信頼できる人であっても、定期的に連絡をとり続けるのは疲れる
刺激を求めるためには今持っている大切なものを手放すことも厭わないと思う人もいるそうです。
器用で効率化が得意
HSS型HSPは刺激に飛び込んでいくため、小さな頃からさまざまなことに取り組んでいます。その経験があるからか、大抵のことはすぐにこなせる器用な人が多いです。
また「刺激に出会えないとモヤモヤする」とも繋がってきますが、「今やっていることを更に良い方向に変えることはできないか」とよく考えています。
そして効率化の方法を見つけ、自身の強い好奇心で実行に移すことができます。
よく考えることも即行動することもある
動する前によく考えることも、思い立ってすぐに行動することもあるHSS型HSPさんは多いのではないでしょうか。この読めない行動も、周りから「天才」「変わっている」と言われる理由のひとつです。
この即行動するかどうかの差は、HSS型の刺激を追求する面が出るか、HSPの感受性が豊かで深く考える面が出るかの差とも言われています。
「自分の興味の度合い」と「実現可能性」がどちらも高ければHSS型の面が強く出て刺激に向かっていき、そうでなければHSPの面が強く出て深く考える、ということなのかもしれませんね。
熱しやすく冷めやすい
HSS型HSPは内向型や非HSS型のHSPよりもひとつのことに熱中する力が強い傾向にあります。
一度取り組み始めると寝食を忘れるほどのめり込み、驚く速さで結果を出します。
具体例
- 仕事で誰よりも速くタスクをこなす
- 目安を大幅に下回る勉強期間で資格を取る
- マニアックな分野の第一人者になる
しかし熱中できるのは自分が興味を持てる初めてのことで、そうでない物事には気が乗らないときも。
具体例
- 一度見た動画は見る気になれない
- 交友関係があまり長くは続かない
- 自分に合う環境だとしても同じ組織にずっといるのは苦痛に感じる
また、ある程度まで行くと飽きてしまい途中で別の物事に移るので、どれも中途半端で極めているものがないという状況に陥りがちです。
飽きるまでの期間は物事や人によって様々で、1か月もたないことも、5〜6年は続くこともあります。
人と違うことをしたいけれど目立ちたくない
「みんなと同じ」「流行に乗る」というものにあまり興味がなく、周りの人がしていないような新しいことを追求するHSS型HSPさんをよく見かけるように感じます。
また、「変わっている」と言われることをポジティブに捉え、時に話のネタにします。
しかし内向型のHSPの傾向が強くなり、「目立ちたくない」となる場面もあります。
それは、「変わっている」が個性と捉えられる範疇を超えたときです。
周りの人たちにとっての普通、常識的な価値観から外れないように、常に意識を外に向けて周りの様子を窺います。
具体例
- 何か意見が浮かんだとき、突飛すぎないかと周りの空気を確認したりSNSで同じ考えの人がいないか確認する
- 話しすぎて周りの空気が少し引いていることに気づいたとき、ものすごく後悔し自分を責めてしまう
- 「常識」「当たり前」「暗黙の了解」などの言葉に敏感に反応し、それに従う
このように「それはちょっと違うんじゃない?」と言われないように、そして本心を見抜かれないように、四六時中最大限の注意を払って行動する人が多いです。
人に好かれる
HSS型HSPは刺激を追求するので、周りから活発で明るいイメージを持たれている方が多い印象です。
また、前項で紹介したように「個性的でありながら常識的な価値観からは外れないようにしている」のも、人に好かれる理由のひとつです。
常識のある礼儀正しい人は信頼されます。それだけでなく個性的な一面も持っているので、親しみやすさもあります。
さらに、HSS型HSPの偏りを避けてバランスを取る力、刺激を追求しグイグイいく力で場をより良い方向に持っていくことまでできるのです。
刺激を追求することで得た経験を話題に挙げ、興味を持ってもらえることもあるでしょう。
加えて、HSPの感受性の豊かさとたくさんのアンテナでその場の空気を読み取ったり全員が輪に入れているかを確認したりして、サポートに回ることもできます。困っている人の相談に乗ることも得意です。
自分の適切な役割や求められていることを人や空気から見抜いて行動するので、「できる人」と評価されることも多いです。
周りの目を気にして、本当の自分を隠す
HSS型HSPさんは多くが自分が周りとは違うことを自覚しているように思います。
その上で、周りの人たちにとっての理想の自分を模索し、その理想であり続けようとします。そして、本当の自分を隠そうとするのです。
具体例
- リーダーシップがないのにリーダーを任され、四苦八苦しながらもこなす
- 仕事に飽きて毎日通勤するのが億劫になるも、飽きたからという理由で仕事を辞めるのは普通じゃないだろうからと考え、無理して続けようとする
- 「いい人に見られたいのかな」と思われるのが嫌で、努力を隠したりわざと一部間違えたりする
- 何も悩み事など抱えていないように振る舞うのが得意
- 本心を打ち明けられる相手は数える程で、打ち明けた経験もほとんどない
これを物心ついたときから続けており、本当の気持ちに自分すら気づけなくなっているということもあります。
独立志向がある
HSS型HSPは人に依存することを恐れる傾向にあります。
経済的にも精神的にも独立し、1人でも生きていけるような強さを持っている方が多い印象です。
また一人行動も好み、「一人旅」「一人カラオケ」「一人焼肉」などの「一人○○」にも抵抗がありません。
HSPとの共通点
HSS型のHSPさんには刺激を追求するという特徴があります。これはHSPの内向型なイメージとは逆なので、「HSS型はHSPじゃないのでは?」と感じる方もいるでしょう。
しかしHSS型の人も、HSS型である以前にHSPです。HSP全体に当てはまる特徴も併せ持っています。
繊細で刺激に敏感
HSP(Highly Sensitive Person)という名前の通り、HSPは繊細で刺激に敏感です。それは刺激を追求するHSS型HSPも同じです。
HSPは一日中、たくさんのアンテナからたくさんの情報を吸収しています。
HSPではない人が「1」を聞きそれを「1」として受け取るのに対し、HSPは「1」を聞いたときに1の形や色、1が生まれた背景などの情報まで受け取ります。
具体例
- 大きな音、まぶしい光、強烈な匂いが苦手
- ピリピリした空気が充満している場所から逃げたくなる
- 落ち込んでいる人がいたらすぐに気づき、心配して声をかける
- 話している人の声や表情、目線などから、どれだけ本気で話しているかがなんとなく分かる
- ちょっとした失敗であっても、相手の顔が曇るなどの些細な変化を察知して気になり、長期間引きずる
多くのことを考える
受け取った多くの情報をもとにしていろいろな方向に考えを巡らせることを、HSPはよくおこなっているのではないでしょうか。
例えば、上司のタイピング音から機嫌の悪さを察知し、「今は不機嫌そうだから報告は後にしよう」「機嫌が悪いのはさっき私がちゃんと椅子を入れてなくて当たっちゃったからかも?」「報告のとき一緒に謝らなきゃ」「どっちを先に話すのがいいんだろう」…というところまで考えます。
このようにHSPの深く考える力で「ここはちゃんとやらないと後々悪影響が出るかもしれない」と予測します。
但し、リスクや懸念を考えて実際に行動に起こすのは、ビッグファイブでいう「慎重さ」の項目が高いかどうかに左右されます。
実行に移すことまで得意なHSPさんもいますが、予測しても「面倒だから対処は別にいいや」「ちょっと引っかかるけど…やらない後悔よりやって後悔だ!」となるHSPさんもいます。
特にHSS型HSPは刺激を追求するので、「危険かもしれないけれど、面白そうだしいっか!」と好奇心に身を任せて行動しがちです。
疲れやすい
たくさんの情報を受け取ってたくさん考えるHSPは、常に頭をフル回転させています。そのため、いつの間にか疲労がたまっているという事態に陥りやすいです。
特にHSS型HSPは疲れの原因となる刺激に向かっていくので、内向型のHSPよりも疲れが蓄積しやすい傾向にあります。
しかもその疲れは、取り組んでいる最中には気づけません。むしろ楽しんで取り組んでいます。終わってからぐったりしてしまい、「楽しかったのにどうして…?」となりがちです。
疲れを取るために1人になる時間が多く必要なのも、HSP全体に共通する特徴です。
「狭く深く」を好む
何かの物事に対しても人間関係でも、「狭く深く」が好きなHSPさんは多い印象です。
細かいところにまで気づいて深く考えを巡らせるため、全体を通してみると狭い範囲の物事を楽しみます。
人間関係も、関わりの深い人が数人いれば満足という方が多いと思います。
「広く浅く」を目指していろいろなことを一気におこなっても、深く考えることを無理矢理止めることはできずに情報過多で疲れてしまうので、最終的に「狭く深く」に落ち着きます。
たくさんの刺激を求めに行くHSS型HSPも、場所を点々としているという違いはあれど、短期的に見ると「狭く深く」で行動しているのではないでしょうか。
またこれが理由で、HSPはマルチタスクが得意ではない傾向にあります。
HSS型HSPはHSPの中でも比較的マルチタスクの得意な方が多い印象ですが、それはいつも何かに熱中しており「あれもやりたい」「これもやりたい」という欲を満たそうとして、後天的に身につけたものなのかもしれませんね。
感受性が豊かで共感力が高い
HSPは「相手の感情が自分の中に流れ込んでくる」と表現されるほど、人に対しても動植物に対しても、また物に対しても深く共感します。
これは前項で紹介した、吸収する情報の多さと考えの深さによるものです。
具体例
- 美しい景色を見ると、自然の雄大さにじーんとくる
- ドラマやアニメ、絵画などの作品を見たとき、制作者がどのような思いを込めたのかを感じ取って涙する
- 相手が困っていそうな雰囲気を察知し、そっと手を差し伸べる
- 相談に乗るのが得意
- かわいそうだからと物を雑に扱うことは絶対にしない
痛みも強く感じるので、「自分がされたら嫌だから」と平等に優しく接するようにしています。嘘をつくようなこともほとんどありません。
また相手の感情を読み取ることが得意なので、指示で言われたことにプラスしてより良いものを作り上げることもできます。
直感が優れている
多くを受け取り深く考えるため、早い段階で「物事はこの後こっちに転がりそう」と分かったり、「あのときのあれが応用できるんじゃないか」と気づけたりします。
それを無意識のレベルでもおこなっているので、「直感が優れている」「勘が当たる」ということが起きやすいです。
具体例
- 初対面で相性のいい人かどうか分かる
- 文章を確認していて「なんとなくこの辺で変な感じする」と思ってよく見ると間違いが見つかる
- 五分五分の選択をするときに直感を信じると、半分以上の確率で成功する
- 恋人の気持ちが別の人に向くとすぐ気づく
HSS型HSPの才能まとめ
HSS型HSPはHSS型による特性とHSPによる特性の両方を持っています。これは環境や使い方が正しければ、「たくさんの才能がある」と言えるでしょう。
ひとつずつ紹介していきます。
下記の内容は、HSS型の特徴とHSPの特徴のみを掛け合わせたケースを想定しています。人の性格には他にもたくさんの要素が絡み合うので、全てのHSS型HSPさんに当てはまるわけではありません。
幅広い知識と経験を得やすい
HSS型HSPさんはジャンル問わず気になったことに飛び込むので、仕事でも趣味でも、様々な知識・スキル・経験を持ちやすいです。
全く違うジャンルの会社への転職歴があったり、世界一周旅行をしていたりなど、個性的な経歴を持つ人もいます。
ふとしたところで以前の経験が活きるということも、度々あるのではないでしょうか。
発想力があり、すぐ行動に起こせる
前項で紹介したようにHSS型HSPさんには幅広い知識と経験があるので、それらを組み合わせ、常識に囚われず新しいものを生み出す能力にも長けています。
HSPのいつも思考を巡らせているという傾向も、新しいアイデアを生み出すのに一役買っています。
最近認知されるようになってきた「マルチポテンシャライト」と呼ばれる概念がイメージに近いでしょうか。
「これだ!」と思えるものを見つけたときは即行動して実現できるという良さもあります。
この発想力と実行力は、仕事でもプライベートでも役立ちます。
具体例
- 会議中に違う視点からの新しいアイデアを出せる
- 他の人が怯んでしまうような物事でも最初に果敢に挑戦するので、周りの人の士気を上げて行動を促すことができる
- 「これをこうしたらもっと便利になりそう」と思い浮かぶので、効率的で充実した日々を送ることができる
大抵のことは手際よくこなせる
HSS型HSPさんは経験の多さからか適応能力が高く、ある程度のことにはすぐにコツを掴んで対応できる器用さがあります。
加えて好奇心が強いので、初めてのことでも臆さず楽しむことができます。
洞察力がある
HSPさんは常日頃からたくさんのアンテナを立てて情報を受け取っているので、人の能力や物事の本質を見抜くことができます。
またHSS型HSPは、自身のいろいろな物事に飛び込んでいく力で、もともと備わっている洞察力の高さをさらに経験で磨いています。そのため内向型のHSPよりも見抜く能力に長けている傾向にあります。
具体例
- 困っている人に的確なアドバイスができる
- 周りの人が気づかないような相手の魅力に気づき、それをどうすれば成長させてあげられるかが分かる
- 「この人は○○が得意だから、△△の役割を担当してもらうのが良さそう」などと適切な役割分担ができる
- 話を聞いていて、一番重要な場所、相手が本当に伝えたいことがすぐに分かる
常識があり、礼儀正しい
自分が周りの人と違うことを自覚し、周りの常識に合わせようとしているので、「礼儀正しい真面目な人」を完璧に演じられます。
仕草や表情、言葉遣いだけでなく、目線、ひとつひとつの動作をするタイミングなどまで、自然にこなしているふうに見せます。
マイナスな感情を表に出すことも滅多にありません。
そのため、会社であれば上司や取引先の人に好印象を与え、着実に実績を積んでいくことができます。
人間関係を良好に保つことができる
HSS型HSPにはHSS型の好奇心旺盛さとHSPの深く考える力があるからか、人間関係を良好に保つことができる方が多い印象にあります。
具体例
- 周りの人たちの話に興味をそそられ、明るく輪の中に入っていく
- 「ここは周りに合わせた方が良さそう」「ここでは少し個性的な面を見せよう」などと考えてコミュニケーションを取る
- 盛り上げ役・聞き役・まとめ役など、足りない役割に気づいてそれを担当する
また、幅広い経験から様々な分野の人との繋がりを持っており、多くの人との関わり方を学んでいるというのも、良好な人間関係を築くのに一役買っています。
違う立場にいる双方の人のことを理解し、橋渡しの役割を担うこともできます。
HSS型HSP本人は自分を天才だと思いにくい
HSS型HSPさんの中には、「自分も天才と言えるのかな…?」と不安になる方もいるでしょう。
天狗になりすぎないというのはもちろん大切なことです。その気持ちは忘れずに持っていて構いません。
でも、HSPを含む気質や性格は、それ自体が個性であり強みです。つまり、誰であれ自分の個性を自覚しそれを活かすことができれば、天才だと言えるのではないでしょうか?
悲観的に考えてせっかくの才能を活かせないままなのはもったいないですよね。
ここからはHSS型HSPさんが自分を天才だと思いにくい、むしろ生きづらいとすら感じる理由についてお話しします。
HSP特有の悩みがある
ここ数年でHSPの認知度は上がっていますが、HSPは全人口の20%と少数派なため、刺激に敏感で疲れやすいという悩みを理解してもらうことは難しいです。
また、感受性の豊かさで相手の望む通りに行動して自分の気持ちを抑え込んだり、勘の良さで気づいたことを論理的に説明できずに理解されなかったり…。
周りとは違うのに周りと同じように振る舞って生きるのは、とても大変なことです。
感受性が豊かであることによる悩みは他にもあります。
具体例
- 人との境界線が薄く、影響を受けやすい
- 周りのためになることが分かってそれに沿って行動するので、自分の気持ちを蔑ろにしがち
- 受け取った多くの情報を整理するために必要な一人でゆっくり考える時間が足りず、もやもやしたまま抱え込む
このように、周りからは「考えすぎだよ」で済まされてしまうような悩みを抱えています。
加えてHSS型HSP特有の複雑な悩みがある
HSS型HSP特有の悩みは、「矛盾」から来ています。「天才」「変わっている」と言われている理由と同じですね。
刺激を求めに行くときと刺激に圧倒されるときの差が激しく、自分のことが自分でも分からなくなってしまうということも起こり得ます。
具体例
- 深く人と関わって自分の普通じゃない部分を知られることを恐れ、仲良くなれそうな人に出会っても距離を置いてしまう
- 始めてすぐの企画段階ではノリノリだったが、実現直前になると過度に緊張したりやる気を失ったりする
- 一人になったときにどっと疲れが来て、みんなといるときのはしゃいでいた自分と今の自分の違いに戸惑う
この矛盾は、同じ性質を持っている人以外にはなかなか理解してもらえず悩んでしまいます。
周りの人からは明るく活発な人と見られている分、繊細な一面を持っていることを理解してもらいにくいのです。
悩みを話しても理解してもらえないどころか、引かれたり、自慢に捉えられるという経験のある方、多いのではないでしょうか。その経験から相談することを躊躇して全て抱え込んでしまう方もいます。
そこから派生して、「自分の感じ方が周りとは違うんだ」「こう感じちゃいけないんだ」と気持ちに蓋をしてしまいます。
自分を天才だと思わないようにしている
「天才」ということは「周りの人とは違う」ということになります。常識人であろうとする人が多いHSS型HSPは、「自分は天才じゃない」と思うことで自分を守ろうとします。
この考え方は人と接する上では有効ですが、本心まで変える必要はありません。自分で思うだけなら他の人には伝わらないので、「自分は天才と呼ばれる人たちと同じ特性を持っているんだ」と思うことで自己肯定感が上がるのなら、その思いは大切にしてあげてください。
HSS型HSPとの向き合い方
HSS型HSPの「矛盾」という悩みを少しでも減らすには、「自分を知る」ことが大切です。詳しく説明していきます。
休息を取る
HSS型HSPさんはよく刺激に飛び込んでいくけれど刺激の多さに疲れやすいです。そのため、知らず知らずのうちに疲れを溜め込んでいるかもしれません。
まずはしっかりと休息を取りましょう。
休息と言っても、家でのんびり過ごすのは好きじゃないというHSS型HSPさんは多いです。そのため、旅行に行ったり、スポーツをしてみたりなど、興味の向くままに自由に行動してみましょう。そうすることで抑え込んでいた自分の本当の気持ちが解放され、スッキリします。
自分が受け取りたいと思う刺激にだけ向かっていき、そうでないものは避けるようにしてみると、HSS型の面が強く出る自分も、HSPの面が強く出る自分も、満足させてあげられます。
特性を理解し、受け入れる
HSS型HSPの矛盾した特徴を、周りの人に100%理解してもらうのは難易度の高いことです。それだけでなく、自身でも理解できていないこともあり得ます。
まずは自分で自分の特性を知るところから始めてみましょう。
HSS型HSPさんは自分の中に矛盾があると「裏表がある自分は良くない」と否定的に捉えてしまうかもしれません。
ですが、自分の気持ちに蓋をし続けていると苦しくなってしまいます。蓋をし続けた結果、本当の自分の気持ちが分からなくなることもあります。
まずは自分自身がいろいろな面を持っていることを知り、「いろんな自分がいていいんだ」「全て本当の自分なんだ」と認めてあげてください。そして、本当の気持ちに目を向けてあげてください。自分が、自分の味方になってあげてください。
HSS型HSPという個性は生まれ持ったものなので、なくそうとするのではなく、受け入れたうえで「じゃあどう対応するか」が大切です。
自分がどういうときにHSS型の傾向が強くなり、どういうときにHSPの傾向が強くなるのか。基準を知ることも、自分を理解するのに有効な手段です。
自分の本当の気持ちに目を向ける
自分の特性を認めてあげることが出来たら、次は自分の気持ちに目を向けてみましょう。
本当の自分が感じていることは何なのか。
本当に自分が好きなものは何なのか。
本当に自分がしたいことは何なのか。
これまで抑え込んでいたぶん、本当の気持ちに寄り添ってあげてください。マイナスな感情も含めて、まるっと肯定してあげてください。
そして気の向くままに行動してみる時間を、少しでもいいので意識して作ってみましょう。そうすることで自分の気持ちを大切にでき、「これでいいんだ」と思えるようになっていきます。
HSS型HSPの素質の活かし方
これまでに紹介してきたHSS型HSPの素質を活かす具体的な方法について、ご紹介します。
人付き合い
HSS型HSPさんは「多様性を受け入れ、理解しようとしてくれる人」「連絡の頻度が不定期でも気を遣わずにいられる人」「同じHSS型HSPの人」との関わりを大切にするようにしてみてください。
身の回りにはなかなかいないという場合は、SNSを活用したり、Tealsのコミュニティ「Tealsホーム」へ参加したりすることも選択肢のひとつとして考えてみてくださいね。
また、余裕のあるときで大丈夫なので、多種多様な人と知り合いになっておくこと・コミュニケーション力を高めることをオススメします。HSS型HSPの発想力で思いついたことを実現しようとしたとき、協力してくれる人を集めやすくなり、実現可能性が高まるからです。
もちろん、人付き合いに疲れたときは無理せず一人の時間を作るようにしましょう。
恋愛
HSS型HSPは熱しやすく冷めやすい傾向にあるので、勢いで付き合い始め、そのあと短期間で疎遠になってしまうということが起こり得ます。その経験から恋愛に対して苦手意識を持ってしまう場合もあります。
HSS型HSPの恋愛は、「一緒にいるとき・いないときそれぞれの、相手への印象」を長い目で考えるようにしてみてください。一緒にいるときは楽しくても、その前にマイナスの意味で緊張する、後からどっと疲れがやってくるという場合は、気を張りすぎている証拠です。
加えて「連絡の頻度が不定期でも気を遣わずにいられる人」かどうか、相性の良さも意識してくださいね。
そして、自分の本当の気持ちを多めに伝えるようにもしてみましょう。恋愛はお互いに歩み寄ることが大切です。周りのことは気にせず、たくさん伝えても大丈夫です。
また結婚を考える場合についてもお話しします。
HSPではない相手とは、繊細さについて完全に理解してもらうことは難しいかもしれません。
でも、どちらにせよ、100%分かり合うことはできないのが人間です。
HSP同士での共感は、友人関係などで補完しましょう。
結婚相手がHSPではないとしても、分かり合える部分は必ずあります。
また、分かり合うことはできなくても、優しく受け止めてくれる人はいます。HSPでなくとも、器が広く、穏やかで、優しい人はちゃんといます。
HSP全体と恋愛の関係、コツについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ見てみてください。
SNS
「毎日投稿する!」と目標を決めて張り切ってSNSを始めると、飽きやすいHSS型HSPさんは次第に苦痛になってしまいます。まずは自分で自分を縛りすぎず、無理のない範囲で進めていきましょう。
そして、「本当の自分のまま理解し合える人と繋がる」ことを意識してみるとSNSを楽しく活用できるようになります。
仕事
基本的には週5日おこなう仕事、せっかくなら楽しく取り組みたいですよね。
楽しく取り組むためには、環境を整えるのが一番です。
まずは今いる職場でできることを探してみてください。
具体例
- 受け取る情報を減らすために、デスクスペースに仕切りを取り付けたり、ノイズキャンセリングイヤホンを付けたりする
- 数字やスキルを駆使して、直感や独自の発想力で浮かんだアイデアについて現実的で説得力のある説明ができるようにする
- 新しい仕事の進め方や使うツールなどを提案してみる
- どうしても部署内に相性の悪い人がいる場合、部署の異動願を出す
今の職場環境を整えるのが難しいという場合は、転職や働き方を変えることも視野に入れてみましょう。
このサイトを運営しているTealsでは、『内向型向けの戦略』を詰め込んだ転職支援サービスを行っています。
Tealsでは、内向型に寄り添った転職支援を最後まで無料で受けられます。
一人ひとりに向き合ってサポートするから、サポートできる人数に限りがあるみたいだよ!
「今の状況を変えたい」「内向型特化の転職支援を受けたい」という方は、ぜひ一度覗いてみてくださいね。
副業・趣味
仕事環境をすぐに変えるのは難しいことです。
そんなときは、副業や趣味として何か新しいことを始めることでHSS型HSPの刺激を追求したい気持ちを満たしてあげましょう。
やってみたいことが分からないという場合は、キャリアに役立ちそうな経験やスキルを探してみるのも良いかもしれません。
具体例
- ハンドメイドの作品をネットで出品する
- ココナラでコンサルティングを始めてみる
- Webライターになるため講座を受講する
まとめ
HSS型HSPが「天才」「変わっている」と言われるのは、「矛盾」が理由です。そして、自身が天才を自覚しにくい理由も「矛盾」です。
この「矛盾」は一見厄介なものに思えますが、活かし方を知ることで、前向きに生きるためのカギになってくれます。
少しずつ少しずつ、自分への理解を深めていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
監修:別府拓紀(精神科医)
HSPという概念は、精神医学の分野においていわゆる「病気」ではありません。
そのため、精神医学的な診断名にHSPという病名はないというのが現状です。
ただ、自分自身をHSPと感じられる人の中に、うつ病、躁うつ病、パーソナリティ障害、発達障害といった精神疾患が隠れている場合があります。
心が苦しい、辛い、という状態が続いている方、ずっと何となく社会生活や人間関係に違和感を感じつつ生きてこられた方の中には、もしかすると病気自体がHSPのような表れ方をしている方がいるかもしれません。
そういった状態に当てはまり悩まれている方は、一度精神科や心療内科を受診してみるとよいかもしれません。
精神科医として、大学病院、市中病院、企業の専属産業医などを経て、現在福岡県北九州市にあるスーパー救急病棟を擁する精神科病院で地域の精神科医療に従事している。その傍ら、記事執筆、産業医活動など。資格は精神保健指定医、精神科専門医・指導医、老年精神医学会専門医・指導医、認知症サポート医、臨床精神神経薬理学専門医、公認心理師、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、メンタルヘルス運動指導士、健康スポーツ医、産業医など多数。
医師監修の「うつ病・躁うつ病・発達障害」チェックリストもあるよ。
ぜひ読んでみてね!
コメント
コメント一覧 (1件)
とても参考になりました!ほぼ100%自分に当てはまり吃驚しております!自分はHSPなんだろうけどちょっと違うなと思ってましたがHSS型というのを初めて知り、自分と同じ様な気質の人がいて生きづらさを抱えて生活をしている仲間がいる事に少し勇気を貰いました!少し自分は天才なんだと心の中だけですけど自己肯定感を高めて前向きに生きたいと思います!ありがとうございました!