繊細でなんか人よりも疲れやすい気がする・・・
それはもしかしたら、HSPなのかもしれないよ。
HSP? たまに聞く単語だけど、ちゃんと知らないなぁ。
この記事を見ている方は、HSPについて詳しく知りたいと思っているのではないでしょうか。
本記事では、
- そもそも、HSPとは?
- HSP気質との上手な付き合い方
- 身近なHSPの人との接し方
について解説します。
ご自身がHSPかもしれない、あるいは身近にHSPの人がいる、という方に特におすすめの内容となっていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
HSPってなに?
HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)のそれぞれ頭文字をとった言葉で、生まれつき「感受性が強く、非常に敏感で繊細な気質をもった人」という意味です。
HSPは疾患として診断されるものではありません。
アメリカの心理学者である、アーロン博士が提唱した心理学的概念になります。
HSPについて、次の章から詳しく説明するよ!
HSPの特徴
ここからは、HSPの特徴について詳しく解説していきます。
アーロン博士はHSPの特徴を「DOES(ダズ)」という4つの特徴で表しています。
- Depth of processing(深い思考)
- Overstimulation(刺激への敏感さ)
- Empathy and emotional responsiveness(共感力の高さ)
- Sensitivity to subtleties(感覚の鋭さ)
それぞれの頭文字をとって、「DOES(ダズ)」としています。
以下、ひとつずつ紹介していきます。
Depth of processing(深い思考)
HSPの人は、物事を深く考えてさまざまな思考をめぐらせる傾向にあります。
- 一を聞いて、十のことを想像できる
- 浅い話よりも、生き方や哲学的な話を好む
- 見たり聞いたりしたものを、深く複雑に考える
- 人から言われたことに対して、多方向から考える
この記事を読んでいるあなたも、ひとつの物事に時間をかけて考えたり想像したりすることはありませんか?
たしかに考えすぎて悩んだり、行動に移すまでに時間がかかる場合もあります。
ただ、多角的な視点で突き詰めて考えられる点は長所といえます。
Overstimulation(刺激への敏感さ)
HSPの人は、刺激を強く受けやすいといった特徴があります。
- 気候の変化に弱い
- 大きな街の人混み、車や電車の騒音、強い光が苦手
- ちょっとした相手の言動に傷ついたり落ち込んだりする
五感が鋭く、周りから受ける情報が強すぎて、神経がすり減ってしまいます。
ものに対してもそうですし、人に対しても同じことが言えます。
居酒屋などのガヤガヤした場所が苦手な方も多いかもしれませんね。
Empathy and emotional responsiveness(共感力の高さ)
HSPの人は、共感力が強い傾向にあります。
- 動物や赤ちゃんの気持ちが分かる
- 困っている人をみると、助けたくなる
- 怒られている人を見ると、自分までつらくなってくる
- 悲しい映画を見ると、しばらく気持ちを引きずってしまう
他人の喜怒哀楽に振り回されやすく、疲れを感じやすい方も多いです。
他人の気持ちが無意識に情報として入ってきてしまうため、自分の感情よりも他人の感情を優先してしまいがちです。
Sensitivity to subtleties(感覚の鋭さ)
HSPの人は、些細な感覚も察知する鋭さを持つ方も多いように思います。
- 直感に優れている
- いつもと違う味に気づく
- 時計の秒針の音が気になる
- カフェインや添加物に反応する
- 衣服の繊維のごわつきが気になる
- 隣の人のかすかな香水の匂いが気になる
このように普通の人が気づかないような、小さな刺激を敏感に察知してしまう特徴があります。
また、他人の機嫌や雰囲気なども敏感に察知します。
いつもと違うちょっとしたことも、すぐ感じ取れるんですよね。
HSP4つの分類
HSPは、タイプが4つに分かれていると考えられています。
このように、4タイプそれぞれに特徴や個性があるのが分かりますね。
こちらの記事では、特にHSS型についてくわしく解説されているのでよかったらのぞいてみてくださいね。
もしかして、わたしもHSPかも?簡単にセルフチェックしてみよう!
この記事を読んでいて、わたしもHSPかも!?と思った方はセルフチェックをしてみてはいかがでしょうか。
アーロン博士が作成したHSPセルフチェックリストには、14個以上当てはまるとHSPである可能性が高いと言われています。
HSPは病気なの?
HSPは病気ではなく、その人が生まれ持った「気質」であり、「個性」です。
医学的な疾患があるわけではないので、治すものではないのです。
しかしながら、HSP気質により特に「疲れやすい」「刺激を受けやすい」「落ち込みやすい」と悩まれて、少しでもその悩みを取り除きたいと思う方も多いと思います。
そういった方は自分の気質をよく理解し、うまく付き合っていくことが大切です。
ただ注意しておきたいのは、HSPと思っていても実は精神疾患や発達障害が隠れている可能性もあります。
もし、今すでにHSPと自認されていてつらい思いをしている方は、然るべき医療機関を頼るようにしましょう。
こちらの記事に、HSPの人のための医師監修「うつ病・躁うつ病・発達障害」チェックリストがありますので、気になる方は試してみてくださいね。
HSPが得意なこと・悩みやすいこと
HSP気質を持っている方は、得意なことと少し苦手なことが存在します。
具体的にHSPの方が得意なこと、悩みやすいことをそれぞれご紹介します。
わたしの経験談も付け加えていますので、ぜひ読んでみてくださいね!
得意なこと
苦手なことが目につきやすいけど、得意なこともあるよね!
HSPの方は、他の人にはない長所を持っている人が多いです。
ここでは、HSPの方が得意なことの事例をご紹介します。
思いやりがあって、気配りができる
HSPの人は相手の気持ちを察する能力や、困っている人への共感力が高く、優しい人が多い傾向にあります。
「困っている人に親切にしたい」「誰かに頼まれたら、少しでも役に立ちたい」と思う気持ちが強いためかもしれません。
そのため、周囲から信頼されやすく、良好な関係を築けます。
チームワークが大事な場面において、欠かせないピースになりうるでしょう。
わたしも道を聞かれた時に、その人の目的地まで一緒に行ったことがあります!
感受性や想像力が豊かで、クリエイティブな能力が高い
HSPの人は、その感受性の豊かさや想像力の高さで、クリエイティブな人が多い傾向にあります。
美術的・芸術的センスに優れていて、優れた創作品を生み出している人もいるでしょう。
視覚や聴覚から得られる情報の深さから、音楽をより楽しめたり、絶景を見て深く感動したりしやすいです。
センスがあるってなんかかっこいいね!
色んな感覚に優れているんだよね。わたしはスポーツをしていたら、テクニックがあると言われたことがあるよ。
慎重で、些細なことにも気づくので、危機管理能力が高い
特に仕事の場面において、他人の小さなミスに気づいて感謝された経験はありませんか?
HSPの人は、じっくり考えて慎重に作業をおこなう人もいるため、大きなミスをしにくい方も多いです。
違和感に気づきやすく、その感覚の鋭さでケアレスミスをカバーできます。
勘が良いと言われることもあるかもしれませんね。
個人的には、車の運転にこの能力が役立っていると感じています。
比較的慎重な運転で、「ここから自転車が飛び出してくるかもしれない!」と勘も働くので、長所が活きているなと感じます!
仕事がていねい
ひとつ前の慎重さのところに通ずるかもしれませんが、HSPの人は仕事がていねいな方が多いように感じます。
洞察力が高く、違和感を感じたらとことん調べなおす人も。
正義感の強さもあると、どんな仕事に対しても力を抜かず、やり遂げる気持ちが強いのかもしれませんね。
チームや上司に迷惑をかけたくないといった気持ちもあいまって、ていねいな仕事ぶりを発揮しやすい印象です。
少し地味な作業ほど、ていねいに正確にやれるイメージがありますね。
縁の下のちから持ちで信頼されそう!
悩みやすいこと
HSPを自覚するきっかけは、気質からくる悩みの人がほとんどかもしれませんね。
悩み……抱えやすいんだよね。
ここでは、HSPの方が抱えやすい悩みについて詳しくみていきます。
まわりの環境からの刺激を受けやすく、疲れやすい
疲れを感じやすいHSPは多いのではないでしょうか?
五感が鋭く、まわりからのさまざまな刺激や情報をキャッチしやすいため、神経がたかぶって疲弊することも。
- 光の強さ
- 気候の変化
- ごわごわした布地
- 人混みや雑然とした場所
- 匂い(タバコ、芳香剤、香水)
- 騒音(車のクラクション、機械音)
など、さまざまなものが刺激となります。
人間に対しても同じように刺激を受けやすく、疲れやすい印象です。
共通した特徴はありますが、育ってきた環境や性格によって感じ方や反応の強さは人それぞれになります。
満員電車なんかは、人の多さ+車内の匂いで個人的にはかなり苦手です……。
ちょっとしたことに傷ついてしまう
HSPは感受性が強い分、些細なトラブルに深く傷ついたりしてしまいがちです。
相手にしてみたらそんなに強く言ったつもりがなくても、HSPは何日もそのことが忘れられなくなってしまう場合も。
マイナス思考の想像力も働いて、「わたしは嫌われているのかな」と思ってしまう方も多い印象です。
わたしも過去の仕事で、上司に注意された時の相手の表情・声のトーン・雰囲気をダイレクトに感じて怖くなったことがあります。
人の目を気にしやすい
人の目があると、なかなか自分の力を発揮できないなと思ったことはありませんか?
HSPは、相手の気持ちを察しやすく、自分がどう思われているかを想像してしまいます。
相手の仕草・目線・声などを感じ取って、機嫌や思っていることがなんとなく分かっちゃうな。
空気が読めることは、良好な人間関係を築くのに必要な能力ですが、気を使いすぎてしまうHSPの方は相手の感情に左右されやすく、疲れやすいです。
良いところも裏を返せば、悩みにつながってしまいますね……
自分を責めがち
HSPは、自己否定をしてしまう方も多いように思います。
前述したような環境や人間からの刺激により悩みやすく、マイナス思考に陥りやすいのかもしれません。
「自分はなんでこんなに繊細で、疲れやすいんだろう」と悩む人も多いですが、自分に合った対処法を身につければ、悩みが減る可能性もあります。
次の章で、対処法を紹介しますよ!
HSP気質と上手に付き合うコツ4選
HSPの特徴は分かってきたけど、どうすればもっと生活しやすくなるのかなー?
上手く付き合うコツを紹介するので、自分なりに合う方法をアレンジしてみよう!
たかぶった神経を休ませる時間をつくる
生きているだけでたくさんの情報を処理し、頭や五感をフル回転させているHSPの方は、疲れやすく神経もすり減りやすいです。
まずは一人の空間で、神経を休ませる時間をなるべく取ってください。
- スマホの電源はオフにする
- 部屋を少し暗くして間接照明をつける
- 心地よい音楽をかけてぼーっとしてみる
情報過多な頭の中がすーっと軽くなると思います。とにかく疲れたらまずは休みましょう。
自分だけのゆったりした時間を与えてあげてくださいね。
自分が特に苦手なことをしっかり把握する
HSPの中で共通した特徴はありますが、苦手の度合いや反応の強弱には個人差があります。
「自分は特にこれが苦手だな」と感じたことをメモなどして、覚えておきましょう。
どんな状況で不安定になりやすいのか、逆にどんな状態なら快適と感じたかを書き出してみるのがおすすめです。
自分の気質を理解することが、対処法を考えるうえでとても重要になってきます。
職場の人の話し声が気になりやすいから、イヤホンすることにしたよ~。
自分なりのリラックスできる方法をみつける
疲れを感じやすいHSPの人は、仕事終わりや休日の時間にいかにリラックスして神経を癒せるかがカギになります。
次の日に疲れを持ち込まないように、自分なりのリラックス方法をたくさん持っておきましょう。
ここで、わたしが実際におこなっているリラックス方法を具体的に紹介します!
- 足湯をする
- お香を焚く
- お風呂に入浴剤やヒノキを入れる
- ゆるい音楽(lofi-music)を部屋に流す
- 寝る前のスマホをやめる(制限をかける)
- ストレッチグッズで、効率よく筋肉のコリをほぐす
lofi-musicを聞いたことがない方のために少しだけご紹介します。
1990年代後半にアメリカで生まれた音楽ジャンルで、温かみのある手作り感とどこか懐かしいサウンドが特徴です。
激しいリズムや、複雑なメロディーがなく、心地よく穏やかなサウンドなのでリラックスにはもってこいです。
ぜひ、youtubeなどで検索して聴いてみてくださいね。
なるべく刺激と距離を置く
避けられそうな刺激とは、なるべく距離を置きましょう。
わたしは疲れてくると聴覚が過敏になってきます。
そんなときは、耳栓やイヤホンを使ってみるといいかもしれません。
苦手な人に対しては物理的に距離をとって、離れてみるのも一つの手です。
毎回はできなくても、接する回数を減らすだけで気持ちが違うかもしれません。
身近な人がHSPだったら?HSPの人との接し方
この記事を読んでいる方の中には、自分ではなく身近な人がHSPである状況もあると思います。
HSPの自分からしたら、HSPのことを知ろうとしていただくだけでとてもありがたいです!
基本的には、他の人と同じような接し方で大丈夫です。
ただ、その人が悩んでいたら、少しだけ話を聞いてあげてください。
その時に、「少し繊細すぎるんじゃない?」「考えすぎじゃない?」と言われると、「この人は分かってくれない」と感じてしまいやすいです。
一言でもいいので、寄り添ってあげてね。
この記事のことを思い出して、「人よりも繊細で、敏感な性質を持っていたんだったな」とちょっとでも思いやってくださったら嬉しい限りです。
まとめ
本記事では、HSPの特徴と付き合い方、それから身近なHSPの人との接し方について解説しました。
本人も周りの人も、HSPを正しく理解することで過ごしやすくなります。
そして、格段に生きやすくなります!
悩むこともあるかもしれませんが、長所を活かせれば輝くことはきっとできるので、しっかりと休みながら自分に合った生き方を探してみてくださいね。
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仕事を含めた、生き方の軸を見つけられる内容となっていますので、ぜひ一度覗いてみてくださいね!
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