毎日仕事に行くたびにゆううつな気分になる……。
自分もそうでしたが、仕事が長続きしなくてつらいこともありますよね。
こんなふうにHSPの方が仕事をつらく感じたり、長続きしにくいのは甘えではありません。
そんなときは、いっぱいいっぱいになる前に転職を考えるのも一つの手です。
また、そうでなくとも新卒の際にリスクを減らした就活をしたいと考えているHSPの方は多いかと思います。
しかし、HSPの気質を活かした適職の探し方はなかなか分かりませんよね…。
そこで、この記事ではHSPの方向けに
- HSPさんが適職を見つけるための7つのポイント
- HSPさんの具体的な職種の向き不向き
- HSPさんが仕事を長く続けるための6つのポイント
を紹介しています。
ぜひ参考にして就職・転職活動にご活用ください。
そもそもHSPとは?
HSPってなんだろう?
簡単にいうと繊細さや敏感さといった”気質”です。
具体的に見ていきましょう。
HSPは性質であって病気ではない
HSPとはHighly Sensitive Person(ハイリーセンシティブパーソン)の略称で、感受性が強く、敏感な気質をもっている人を指します。
このHSPにはDOES(ダズ)という4つの以下の特徴があげられます。
D Depth of Processing/深く処理をする
あらゆる物事に対し、深く思考を巡らせる
O Overstimulation/過剰に刺激を受けやすい
刺激に対して反応が現れやすく、疲労にも繋がりやすい
E Emotional response and empathy/感情の反応が強く、共感力が強い
人との心の境界線が希薄で、感情の影響を受けてしまいやすい
S Sensitivity to Subtleties/些細な刺激を察知する
音や光、匂いなどといった些細な刺激にもすぐに気づく
(参照:サワイ健康推進課 https://kenko.sawai.co.jp/mental-care/202103.html)
これらはあくまで気質であり、病気ではありません。
ですが、繊細さがストレスをためやすい要因となる場合も。
自分がHSPと自覚のある方はこれらの特徴を意識し、日頃から無理をし過ぎないように心がけましょう。
あなたはHSP?セルフチェックしてみよう
この記事にいらしてくださっているみなさんは、多かれ少なかれ自分がHSPである意識がすでにある方が多いでしょう。
ですがこれを機に改めてセルフチェックをしてみてはいかがでしょうか。
こちらはHSPの提唱者、アーロン博士によるセルフチェックリストです。
14個以上あてはまるとHSPの傾向があると考えられますので参考にしてみてください。
HSPがリスクを減らせる適職探しの7つのポイント
ここからは記事の本題である、HSPの方が適職探しをするときに気を付けるべき点を7つご紹介します。
苦手なことを明確にする
自分が苦手な要素を洗い出す作業は通常の就職活動においても大事です。
しかし、HSPさんにとっては特に慎重になるべきポイントとなります。
その理由は、HSPさんには不得手がより大きく働きやすさに関わっている場合が多いからです。
具体例として、私は雑音の多い場所が苦手なのですが、新卒時代の職場はワンフロアに複数部署が集まっており、営業の席が近かったため辛い思いをすることがありました。
営業の部署には頻繁に電話がかかってくるため、その声に気をとられ自分の業務に集中できない状況もしばしばでした。
このような職場の実情の部分は、就職活動において気を配っていても実際入社してみないと分からない場合も多いです。
ですが、あらかじめ懸念点が多い職場を避けるためにも、苦手を把握しておき、職場選びの基準にすることは大事です。
今一度、紙に書き出すなどしてみるのがおススメです。
興味がもてる仕事を探す
HSPさんは自分の興味をもった事柄に対して意欲的に学んだり、知識を深めたりする方が多い印象です。
そのため自分が関心をもてるかは、やりがいの点で重要になります。
また、いくら自分に合っている仕事でも、大変な業務や苦手な対応は発生します。
でもそんなとき、やりがいのある仕事なら「もう少し踏ん張ろう」って思えるよね!
自分の利点を生かし、働きがいをもつためにも、自分なりに興味がもてる仕事を選ぶとよいかと思います。
苦手の克服ではなく、HSPの特性を理解し強みとして活かせる職種を選ぶ
HSPの方に限らず、人は十人十色。つまり、得意も苦手もバラバラです。
とはいえ、HSPの中には真面目な方もいるため、自分の苦手を克服しようと努力される方も多いかと思います。
でも、苦手を苦労して克服したところでそれが得意な人には到底敵わないのが現実だったりするよね……。
もちろん、不得手の克服は立派ですが、それならば自分の得意を伸ばす方がWin-Winだと思いませんか。
あえて苦手に挑むのもよいですが、HSPさんは克服段階で心的ダメージを負う可能性も。
注意深く物事を観察できる、ていねいに仕事をこなせるなど、HSPならではの特性を活かせる職種を選ぶ方が心身ともに健康に働ける確率が高くなるはずです。
職場環境や人間関係が自分に適しているか見極める
これも実際に会社に入ってみなければ分からないところが大きいでしょう。
ですが、面接など選考段階で汲みとれる部分もあります。
HSPさんの中には「この職場は自分に合うか合わないか」が、なんとなく分かる人も多いのではないでしょうか。
実際自分も就職活動の際、面接のときに圧迫的な態度をとられたり、横柄な態度をとられた企業がありました。
そういった企業はたとえ内定をいただいても、入社してから悩んでしまいそうだなとお断りした経験があります。
入社してから関わる人は、必ずしも面接で関わった人とも限りませんので中々見極めるのは難しいポイントではあります。
ですが、直感でここはやめた方がいいかも、と感じる場合にはHSPさんの感覚センサーがはたらいていますので即決せず、慎重な判断をおすすめします。
希望条件を整理する
いざ仕事を探すとなったとき、たくさんの求人票を眺めていると自分が本当に企業に求めている条件が分からなくなる瞬間もあるでしょう。
また、面接を経た際にまわりに流されず自分の軸を強くもつためにも、希望条件を改めて整理しておくことは大切です。
具体的な整理の仕方は以下の通りです。
やり方
- 「~がいい」に限らず「~は嫌だ」という視点も交えながら、思いつくだけ希望する項目を書き出す
※こうでないとだめ、今の自分にはワガママすぎる条件だ、などと深く考えすぎない - 自分が思いついた条件をどれだけ大事にしているかで順位付けする
この作業をやってみると、就職活動で本当に大事にしたい軸もおのずと見えてくるでしょう。
まずはアルバイトで経験してみる
いきなり正社員で入社して自分に合わない会社だったらどうしよう……。
正社員だと合わないと感じてもすぐに辞められないし不安ですよね。
そういった悩みを抱えているHSPさんは多いと思います。
この場合には、やってみたい仕事をまずはアルバイトで経験してみるのもよいかもしれません。
アルバイトなら給料も安いですが、その分正社員よりも責任が軽く、辞めるとしても比較的気楽に退職可能です。
その立場で興味のある職種を経験してみて、なにかしらの確信がもてたら雇用形態を変えての就職活動に挑むのも一つの手段です。
中にはアルバイトからの正社員登用をしている会社もありますから、自分に合ったら同じ企業内でキャリアアップに挑戦する考え方もできます。
また、休職を挟んだなど就業にブランクがある方は急に週5日8時間働くのは不安ですよね。
そういった方にもいきなり無理に正社員を目指すのではなく、まずはアルバイトで経験を積むのがおすすめです。
そもそもすぐに労働することに不安がある場合にはリワークへの通所も検討するとよいでしょう。
客観的な視点を取り入れる
いざ就職活動を始めてみてもやり方が分からないし、自分で適職を探してみたけれど実際に特性を活かせるのか不安……。
そういった方におすすめなのが、転職支援の利用です。
転職支援では専門のキャリアアドバイザーが面談をして、あなたに合った求人を紹介したり、面接の練習をしてくれます。
支援サービスは基本、利用料金がかからないケースが多いですが、注意したいのはそのカラクリ。
転職支援は紹介企業から掲載費用をもらうこと、内定者を出し報酬を得ることで成り立っています。
そのため、支援によっては利益重視でとにかく求人への応募を勧めてくる場合も少なくありませんので気をつけましょう。
私も就職活動でさまざまな就職支援サービスを利用しましたが、本当に自分に合っているかを見極めたうえで求人を紹介してくれているのか怪しい場所も多々ありました。
当時は紹介された企業に対して逐一応募するかを問われ断るのに苦労したり、教えていただいたのだからとりあえず説明会には参加してみなきゃと次から次へと応募しました。
結果、自分の時間をより多く割き、就職活動そのものに疲弊する結果となりました。
在職しながら転職活動を進められる方も多いかと思いますので、可能ならば限られた時間を有効に使いたいですよね。
そんなHSPさんに勧めたいのが、Tealsの転職支援です。
TealsホームはHSPの方が集まるコミュニティだから、その中の転職支援のサービスはもちろんHSPの方向けに特化してるよ!
一般的な支援とは異なり無理に転職を勧めませんし、HSPの方の気質に寄り添ったペースで転職活動を支援してくれます。
興味をもたれた方はぜひコミュニティへの参加や、Tealsのキャリア相談の利用を検討してみてくださいね。
【具体例アリ】HSPの特性が活かせる仕事
ここでは具体的にHSPの気質を活かせる仕事を紹介していきます。
相手の心身のケアをする仕事
HSPの方は共感力が高いため、人を助けたいと思う方も多いかと思います。
そういった気質を活かせる仕事は以下のような職種があげられます。
具体例
- 整体師
- マッサージ師
- 針灸師
- 介護福祉士
- エステティシャン
- セラピスト
- カウンセラー
- コーチング
これらの仕事は人と直接関わり、その悩みを解決していく業務が主となっています。
誰かのためになりたいと強く思うHSPさんにとってやりがいのある仕事でしょう。
動物や自然などに携わる対人ではない仕事
HSPの方は感受性が強いがゆえに人の気持ちを汲み取りやすく、対人の仕事では疲弊しやすいケースもあります。
そこで、主な業務が対人ではなく動植物を相手にする以下のような仕事を選ぶのもよいでしょう。
具体例
- 花屋
- ペットショップ店員
- トリマー
- 動物のトレーナー
- ペットシッター
- 水族館・植物園職員
動植物を相手にする仕事では、業務中に癒しも得られますよ。
正確さや細やかな気配りが求められる仕事
細かいところまで気配りができるHSPの方は、ミスや間違いの少ない丁寧な仕事に繋がります。
その特性が活かせる業務は以下の通りです。
具体例
- データ入力
- 製造業
- 修理職
- 研究員
- 薬剤師
- 職人
- 整備士
- 検査・検品
このような仕事では、とりわけ正確さや緻密さが必要とされます。
注意深く業務を進められるHSPさんには向いている職種だといえるでしょう。
ITやWeb系、クリエイティブ職など専門性の高い仕事
HSPで創造力や勤勉さを活かしたい方に向いている職種には次のような仕事があります。
具体例
- プログラマー
- 各種エンジニア
- Webデザイナー
- DTPオペレーター
- Webライター
- イラストレーター
近年デジタル化はますます進んだ反面、人材不足が続いているためIT系職種は需要が特に高いといえるでしょう。
また元々はオフィスワークだったとしても、つきつめればリモートワークや独立してフリーランスへの道も目指せるので、将来の安定性や後々の働きやすさの展開も秘めています。
対人業務が発生しにくい仕事
対人も苦手で動植物もあまり得意ではない方もいらっしゃるかと思います。
そのような場合には人に接する機会が比較的他の職種に比べ少ない、以下のような業務の仕事がおすすめです。
具体例
- 博物館職員
- 学芸員
- 図書館秘書
- 経理
- 事務
- 家事代行
- 老人ホームの送迎などの運転手
- 配達員
- 回収業
知識や技術を活かす職種や、バックオフィスの業務であればたくさんの人に対応するケースはありません。
配達員や運転手などは体力こそ必要ですが、運転が好きな方にはよいでしょう。
移動時間が一人であったり、お昼休みも車の中で自由に過ごせますから、オフィスワークとは違い個別のスペースが確保されている点で中には向いてる方もいるのではないかと思います。
在宅ワーク
人と関わる機会を最小限にしたい、自分の働きやすい環境で働きたい。
そんな想いをもっとも叶えてくれるのが在宅ワークだと思います。
実際に探してみると、登録制の業務でデータ入力など、さまざまな仕事があります。
しかしそれらは単発や短期の仕事であったりと、なかなか長期間安定して働ける案件は多くないかもしれません。
加えて、正社員で在宅やリモートワークとなると、どの業界でもある程度の経験を求められてしまい、なかなか未経験から始められる求人はないのが現状です。
じゃあ、在宅ワークを実現するためにはどうしたらいいのかな?
一つの方法として、ご自身で経験を積む、またスクールに通うなどが考えられます。
ですが、フリーランスとして働くためのノウハウは一朝一夕で身につくものではありませんし、スクール通いですと想像以上に学習費用がかかってしまうケースも。
かくいう私も、フリーランスに繋がるスキルを身につけたいと思いつつも、独学するには知識が足りず、スクール通いするほどの資金もないためなかなか学習に踏み切れずにいました。
そんなとき見つけたのが、Tealsコミュニティのスキルクラスです。
筆者はライタークラス受講生で、講師の指導を受けながら実際にこの記事を執筆しています。
スクールに比べ圧倒的に破格ながら実践的な経験を積めるため、スキル習得方法に悩まれている方には検討をおすすめします。
未経験からでも安定的な在宅ワークを実現したいと思っている方はぜひ、私たちと一緒にスキル習得に挑戦してみませんか。
スキルクラスは毎月コミュニティ内で募集をかけておりますので、興味のある方は、まずTealsホームをのぞいてみてくださいね。
HSPが疲弊しやすい仕事の具体例
向いている職種紹介の次は、逆にHSPの特性を活かしにくい仕事を見ていきましょう。
ノルマや売り上げ目標を目指す仕事
具体的に数値を掲げられ、そのノルマの達成を求められるような仕事はHSPの方にとってはプレッシャーになりやすい場合が多いです。
具体的には保険や不動産の営業職があげられます。
こういった仕事は、目標に向かって店舗や個人間で切磋琢磨し、売り上げを伸ばす狙いがあるのだと思います。
ですが、HSPの方にとってはそれが適度な緊張ではなく負荷となってしまい、ストレスを抱える原因になる場合も。
どんな会社でも目標はある程度設定されるかもしれませんが、それが個人に求められたり、強く意識させられるような仕事はあまりHSPの性質に向いているとはいえないでしょう。
迅速さが求められる仕事
HSPの方は思慮深く、一つの行動を起こすにもじっくりと考え、石橋を叩いて渡るような人もいます。
対応の素早さが求められる仕事では、混乱してしまって、本来のパフォーマンスを発揮しづらくなることも。
たとえば飲食店のフロアスタッフ、コールセンター、料理人、警察官、消防士、救急外来の医療関係職などがあげられます。
これらの仕事は時間を意識しながら素早い対応を求められるため、思考深さや仕事の丁寧さを活かしにくいかもしれません。
不特定多数の人との交流がある仕事
多くの人と関わる業種は、それだけさまざまな性格の人に対応しなければなりません。
世の中には人に対して親切に接したり、優しく対応ができたりする人がいる反面、ぞんざいに扱ってきたり、荒い口調の人もいます。
不特定多数の人を相手にするってことは、心無い人に出くわす確率もおのずと高くなっちゃうよね…。
具体的な職種としては、前項であげたコールセンターに加え、接客業(特にスーパーやコンビニなど顧客が限定されにくい店など)、受付や窓口業務、公共機関系(公共交通機関職員、市区町村の公務員など)などが考えられます。
もちろん、人と接する機会が多い仕事はその分やりがいを感じられる機会にも恵まれます。
ですがHSPの方の中には、たとえ相手に非があるときでも自分を責めてしまう場合もあるかもしれません。
そのため、物理的に関わる人の数や幅を縮小し、対人関係で悩む要素を減らす方法をおすすめします。
上下関係に厳しい、積極性を強く求められる仕事
いわゆる体育会系の職種には、上下関係の厳しさや積極的な行動を強く求められる傾向があるかと思います。
飲み会やイベントなどへの誘いが多く断りにくいような環境は、プライベートと仕事が地続きとなってしまいがちです。
それは、一人の時間をもち、適度な休養を必要とする傾向があるHSPの方には適さない環境といえます。
これについては会社に入ってみないとなかなか分からないと思いますが、面接などで社員の方と話すときに違和感を感じた場合には気を付けた方がよいでしょう。
私は就職活動の際、「他の人はこれだけできるけれども、貴方はどれだけ頑張れるのか」など過度に積極性を求められていると感じた会社は、たとえ選考通過しても辞退してきました。
面接ってほぼ初対面でお互い気を遣ってるはずの段階だし、そんなタイミングですらプレッシャーを感じてたら、入社してからのストレスは高くなりそうだよね…。
HSPの方は物事に敏感な方が多い印象です。
転職活動の際もぜひその感覚は大切にされた方が自分が働くうえで適した環境を見つけやすくなるでしょう。
残業が多い、休みの取りづらい環境
HSPの方は感受性の強い方も多く、日々生活しているだけでも気付かぬうちに多くのストレスを抱えているケースも。
そのため、仕事とプライベートのメリハリをつけ、休日はしっかりとリフレッシュすることが大切です。
この前提があるため、残業が多い職種や、休みをとりづらい職場はHSPさん向きではないといえるでしょう。
もちろん、どんな仕事にも繫忙期はあり、ある程度残業を迫られるタイミングはあるかと思います。
しかし、それが数か月に留まらず何か月も続く、時期に関わらず繁忙期である、そもそも人手不足で残業を求められるような場合は我慢する必要はありません。
休日に連絡が入るような企業も心が休まりませんからよくないでしょう。
上記のような事項も職場によって異なるため、前項のように実際に入らないと分からない部分が大きいかと思います。
そのため、選考の段階でできるだけ質問をしたり、職場を見学できる機会があれば働いている人の様子を見たりして、入社前の可能な限りの対応をおすすめします。
転職支援利用時の注意点
転職支援は便利なサービスですが、HSPの方が利用する際に気を付けて欲しい点がいくつかありますのでご紹介します。
HSPとしての特性を伝える
HSPならではの気質はさまざまです。
たとえば僕は突発的なできごとの対応とか、人の多い場所は苦手だなぁ。
HSPの方同士であればなんとなく共感ができる内容だと思いますが、そうでない方にとっては想像しにくい場合もあるでしょう。
そのため、苦手に感じる要素は可能な限り担当者に伝えてみてください。
伝え方としては、HSPの気質を理解して欲しいと言うよりも、具体的に「電話が苦手」「黙々と作業できる方がいい」などの言い方がよいでしょう。
人はみな誰しも、得手不得手があります。
HSPだからというよりは、自分の得意、不得意の観点で伝えられればよいかと思います。
紹介された企業は自分視点で調べ直す
いくらHSPの性質を分かったうえで求人などを紹介してもらっても、やはり相手が自分の視点と全く同じ目線をもっているわけではありません。
そのため、自分の観点から改めて企業を調べ直すとよりよいでしょう。
基本的に転職支援では担当者がつき、並走して活動を進めてくれますが、あくまでもそれは自分のための活動であることを忘れないでください。
受け身ではなく自主的に活動すれば、限られた時間を有効活用した転職活動にも繋がります。
HSPの転職例を聞いてみる
HSPの方には一般の方の転職例よりもHSP気質をもつ方の転職例の方が参考になるかと思います。
利用する転職支援で同じような性質をもっている人がどんな業界や職種に就いたか尋ねる場合には、一度聞いてみるのもおすすめです。
ですが、利用する支援の担当者がHSPの方を担当しているとも限りませんよね。
HSPの方向けに転職支援をおこなっているTealsの転職支援では、HSPの方を相手にしているため、実際に転職された方の具体的な話を聞けます。
転職支援にありがちな無理な転職の催促はないから安心してね。
HSPの気質に寄り添った転職活動をしたいと思われる方は、Tealsコミュニティへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。
担当者が合わない場合は遠慮せず変更を申し出る
HSPさんは合わない相手にも無理をして合わせてしまう方が多い印象です。
転職支援を利用するときも、相性の悪い担当者に我慢して求人を積極的に受けたりと、気付かずに疲弊してしまうときもあるかと思います。
しかし転職は人生の大きな転機、それだけで思った以上に心身をすり減らします。
少しでも就活の負担を減らすために、担当者が合わないと感じたら遠慮せず変更を申し出ましょう。
でも、直接本人に言うのは気が引けるなぁ……。
そうですよね。
「メールで伝える」「本人ではない経由で伝える」、他にもサービスによっては担当者変更の申し出ができるフォームがあるケースもありますので、自分が伝えやすい方法で連絡しましょう。
人間誰しも合う合わないはありますから、罪悪感を感じる必要はありません。
相手側は仕事上の業務に過ぎませんからあまり気にしていないと割り切ってしまって、過度に気に病む必要はないですからね。
転職活動が辛くなったら休む
先にも述べた通り、転職活動は人生の中の大きな転機です。
ですが、HSPの方はたくさんの変化についていけない方も多いかと思います。
つまり、転職活動自体が負担になってしまいがちです。
特に現職を続けながら活動をする方はさらに大きな負荷がかかります。そのため、少しでもつらいと感じたら早めに休みましょう。
実際私も新卒での就職活動の際、連日の説明会参加や面接に疲弊してしまい、内定出しがもっとも盛んである6~7月に1か月程就職活動を大幅にセーブした経験があります。
休んでしまったらブランクができてしまうと心配になるかと思いますが、大丈夫です。
私の場合、休みを入れてからの方が肩の力が抜けたのか、就職活動が上手く進みました。
心身を壊す方がよくないから、つらいときは勇気を出して自分自身を守ってあげてね。
あまり根を詰めてしまうと、元々は意識していたことや見えていたこともかすんできてしまい、適切な判断を下すのは難しくなるでしょう。
そのため、疲れたときは思い切って一度その場から離れてみてください。
第三者目線で見直してみると、実は自分が大事にしていた事柄に気付ける場合もあるでしょう。
見ていなかった業界が、自分にとって合うかもしれないと視点が変わるケースもあるかもしれませんし、「休息=悪」ではありません。
自分を見つめ直すいい機会だと割り切り、無理はせず疲れたときは休憩を挟んでみてはいかがでしょうか。
HSPが仕事を続けるためのコツ
HSPが仕事を続けられるコツってあるのかな?
ここでは、HSPの方が仕事を続けるためのコツを紹介します。
自分を責め過ぎない
HSPの方は何か失敗をした際や人間関係に問題が生じたとき、自分が悪いのだと反省しすぎてしまう方が多いのではないでしょうか。
ですが、自分一人ですべてを背負う必要はありません。
仕事もですが、社会もさまざまな人がたくさん寄り集まって成り立っています。
だからこそなにかがあったとき、それは貴方だけのせいで起きたとは言い切れません。
また、どんなに性格のいい人でもその日の体調によって性格は多かれ少なかれ変わります。
あまり眠れなかった日とぐっすり眠れた日は、同じように元気に対応できるとは限らないよね。
HSPさんは敏感な方が多いため、相手の機嫌にも気付きやすい方が多い印象です。
他の人は何とも思っていなくても、上司の機嫌に気をとられ質問しにくくなったり、気分を損ねないようにしたりとたくさん気を遣い、普段はしないようなミスをうっかりしてしまったりするものです。
たまたまミスをしてしまっても過度に気に病む必要はないのです。
生きていれば間違いや失敗は必ず起こり得ます。
そのとき自分の体調は万全だったか、なにか気にかかる問題があったのではないか、などと要因を思いつく限りあぶり出し、自分を責め過ぎないようにしましょう。
職場環境を可能な限り整える
リモートワークであれば自宅の環境のため、自分にとって働きやすい環境はすでに整えられているでしょう。
しかしオフィスワークの場合はなかなかそうもいきません。
とはいえ、できるだけ仕事のしやすい環境を整えるためにできる方法はあります。
例えば
- 周囲の雑音が気になる場合には耳栓をしてみる
- デスクの隣同士の距離感が近いと感じる場合にはブックエンドを活用し、机の両脇を資料で囲ってみる
- 意識的にトイレに立つなど、適度にデスクから離れる小休憩を挟む
などの対処があげられます。
もちろん、そういった対処が不可能な職場もあると思います。
そんなときは、お昼休みには近くの公園でお弁当を食べるようにするなど物理的に職場から離れる時間を作るのもおすすめです。
HSPさんは、誰かと同じ空間に長くいるだけでも気力を消耗してしまう方が多い印象です。
そのため、たとえ一時でも一人になれる時間があるとほっとできるでしょう。
もし今の職場環境があまりにも負担であれば、やはり転職を考えるのもひとつです。
とはいえ、上記のような対処をまずしてみる方が手軽なため、これを機に一度職場環境を見直してみてはいかがでしょうか。
ストレスをこまめに解消する
当たり前のようですが、HSPの方にとってストレスは特に大敵です。
日頃から我慢をしたり、他人の機微を気にかけがちなHSPさんは、気付かぬうちにストレスをため込みやすい傾向があります。
休日においしい食事を食べに行く、ゆっくりお風呂につかる、趣味にのめりこむ、とにかくたくさん寝るなど、自分がリラックスできる手段ならばなんでもかまいません。
日々こまめにストレスを発散しつつ、次の週に持ち越さぬよう休日にさらにしっかりと心に休養を与えてあげることがおすすめです。
苦手な人に無理に関わろうとしない
誰しも万人に愛される人はいません。
やはり合わない人は一定数存在します。
仕事となると業務上、苦手な人とも関わらざるを得ないときもありますが、それ以外のタイミングでも無理に付き合おうとする必要はありません。
職場はあくまで仕事をする場であり、それ以上の関係に心をすり減らす必要はないのです。
ただでさえHSPの方は周囲の空気感や他人の感情に敏感で気を遣いがちですから、職場でのストレスは大きくなる傾向があります。
一番は自分を大切に。無理に苦手な人に関わらなくても大丈夫だよ。
良好な職場関係を築けるのはなによりですが、もしも近くに利用してくるような人がいた場合には意識的に距離をとりましょう。
他者との適切な距離感を保つ対処が、職場での働きやすさにも繋がってきます。
一人で抱え込まず相談できる相手、場所をもつ
HSPの方は一人でいる方が気楽で、悩みをもったときも相談するより自分一人でストレス解消をする方がいい方もいるかと思います。
ですが、いくら人と関わりたくなくても、あまりにも一人で抱え込まない方がよい場合もあります。
実体験として、筆者は新卒で一人暮らしをしており、仕事が辛くなるたびに休日一人部屋にこもってはストレスを解消していました。
しかし、途中で辛くなってしまい、結果抑うつと診断され、休職になった経験があります。
一人暮らしの方は特に家族が身近に居らず、気軽な相談相手がいない状況になりがちです。
職場の同僚などで気楽に話せる人がいればよいのですが、同じ仕事場の相手だと現場の話が伝わりやすい反面、もしも愚痴を漏らされてしまったらどうしよう、などと気にしてしまって話しにくいケースもあると思います。
家族や友人などが近くに居り、気が置けない場合には頼ってみるのもよいでしょう。
もしそうでない場合や、家族とは折り合いが悪い、友人とすぐに会える距離ではない場合には職場のカウンセリングなどの福利厚生があれば利用してみたり、もしない場合には自分で探すのも一つです。
ただし、カウンセリングは利用料金が発生する場合もあります。
また、カウンセラーは特別な資格がなくとも名乗れるため、利用の際には注意が必要です。
おすすめなのはおすまいの自治体やハローワーク、若者サポートステーションなどの経由での紹介と利用です。
基本的に無料で相談でき、カウンセラーとして認められた方による支援が受けられます。
その他にも、趣味の習い事などで知り合いを作り相談相手を見つけるなど方法はさまざまですが、自分がつらくなったときに一人で抱え込まず相談できる相手をもっておくとよいでしょう。
精神疾患になる前に
先程お話しした通り、私は仕事のつらさを抱え込んでしまい、結果抑うつの診断を受け休職する経験をしています。
HSPの方は自責の念が強かったり、まだ大丈夫、もう少し頑張れる、などと自分に鞭を打ってつらい状況でも頑張り続けてしまう方もいるかと思います。
ですが、抱え込みすぎてしまい無理をしてしまうのはよくありません。
特に息苦しい、吐き気やめまいがする、食欲がない、冷や汗をかくなど、症状として反応が現れてきた場合には要注意です。
こういったときには我慢をせず、できるだけ早く精神科にかかり、医者の指示を仰ぎましょう。
精神科への通院は勇気も必要ですが、だからといって行くのをためらっているとより症状が悪化してしまうケースも。
精神疾患にかかると治癒するまでに長い時間がかかりますし、完治ではなく、症状と上手く付き合っていく方法を探すようになるケースもあります。
もちろん、精神疾患にかかったらおわりではありません。
診断が出た場合には、医師の指示を仰ぎ、状況に応じて休職するなど十分な休養をとりましょう。
治る、寛解するとはいえ、精神疾患になると治療に沢山の時間がかかるのは経験上事実です。
そのため”未然に防ぐ”を意識し、抱え込むと悪化してしまうケースを前もって理解して、少しでも症状が出てきたときには早急に通院などの対応をするよう心がけましょう。
深刻になると通院も困難な状況になる場合も考えられますので、可能な限り早い対応を推奨します。
以上6つのポイントを紹介してきましたが、無理なく仕事を続けるためのヒントはこちらの記事にもありますので併せて参照してみてください。
今すぐできる「仕事に行きたくない」の対処法
この記事を読まれている方には、すでに仕事に行くことへのためらいをもっている方も多いのではないでしょうか。
そんなとき、今からできる対処法をいくつか紹介したいと思います。
自分を見つめ直し、本当に在りたい姿を探る
寝る前や出勤前、ふと仕事に行きたくないなと思ったらそれは正直な自分の表れかもしれません。
たとえ、具体的な症状として吐き気やめまいなどが出ていなくても、その時点で心の症状が現れ始めているといえます。
そんなときは今の自分を見つめ直すチャンスかもしれません。
なぜ仕事に行きたくないと感じるのか、じっくり考えてみてはいかがでしょうか。
上司と合わないんだよなぁ……。分からないことを質問したくても聞きづらくて。
他にも仕事量が多いと残業が発生したり、休日も心が休まらないケースもありますよね。
このように理由は様々だと思いますが、仕事に行きたくないという感情には突き詰めると沢山の要因が含まれているはずです。
もしも他人にそんなことで悩むな、もっと我慢しろなどと責め立てられたとしても自分の気持ちを否定する必要はありません。
現場のことは本人にしか分かりませんから、周りがとやかく言う権利はないのです。
自分の素直な感情に気付いたとき、ただ我慢するのではなく、それを踏まえて転職する考えをもっておくだけでも、つらい気持ちが少しは救われるような気がしませんか。
でも、今の職場で働くのもつらいのに他でやっていける自信ないんてないよ……。
HSPの方は真面目な方が多い印象ですから、このように今の職場で上手くいかなかったらおわりだ、などと考えてしまうケースもあるかと思います。
しかし世の中には約400万社もの会社があるといわれており、自分の所属する会社はその内のたった1社なのです。
たしかにそう考えると、もっと今よりも気楽に働ける会社がある気がするね。
また、かならずしもどこかの企業に属する必要はなく、フリーランスで働く形もあります。
働く場所も、働き方も多様になってきた現代で、あえてつらいと感じる企業に固執する必要はないのです。
もしも仕事に行きたくないと感じるときは、まずは自分を見つめ直してみてください。
きっとその先に、自分が本当にありたい姿が見えてくるはずです。
他のHSPの方と交流する
仕事に行きたくない、とは思うけれど、転職を考えるほどではない方もいるでしょう。
そういったときには気軽に相談ができたり、愚痴を零せる存在がいるとありがたいですよね。
ですがHSPの方は人の話に深く感情移入して聞ける分、自分の話をするとなんだか相手がそっけなく感じたり、そもそもHSPの性質に関連する悩み事であると共感してもらいにくかったりするかと思います。
そんなときは同じHSPの方との交流がおすすめです。
自分と近しい感覚をもっている方と交流できれば、悩み事にも共感してもらいやすくなるでしょう。
オンラインのコミュニティなので、近くに相談できる人が居ない人にもおすすめです。
詳細は以下で確認できますのでよろしければ覗いてみてくださいね。
HSPの適職の探し方 まとめ
ここまでHSPの方が適職を探すための方法を具体例を交えながら紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
就職や転職は人生の大きな節目ですし、仕事は自分の時間を多く割くので、HSPさんの日々の過ごしやすさが仕事によって左右されるといっても過言ではないでしょう。
私自身、職場について悩み、抑うつ診断を受け、休職からの退職を経験した身です。
そんな自分にとってこのテーマは自身の抱えている問題でもあり、身近に感じました。
今悩まれている方が当記事を読んで、少しでも気持ちを楽に生活できるヒントを見つけられるようにと執筆しましたので、実際の活動の際の一助になれれば幸いです。
HSPの気質をもつみなさまが自分に合った働き方を見つけ、充実した日々を送れることを心より願っております。
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