- 「何事も完璧にやらないといけないと思う」
- 「ちょっとした失敗でも自分を責めすぎてしまって辛い」
- 「他人のミスを受け入れるのは苦手」
そんな考えが頭をよぎることはありませんか?
チルティもし当てはまるなら、それは完璧主義の特徴の現れかもしないね。
ただ、「手抜きをせずに完璧を求める」「向上心が高い」などだけではなく、
- 高い基準を置く
- 失敗に対して過敏
- 理想と現実のギャップを感じる
- 他者からのプレッシャーを感じる
なども完璧主義が要因かもしれません。
特に近年では、成果を重視する志向よりも、
失敗を過大評価することや自分の価値を結果で測ってしまうことが、しんどさの中心だと考えられています。
記事執筆者


公認心理師:田原直裕
理学療法士として、施設、病院、区役所に従事したのち、各機関で学んだ医療・心理学・コミュニケーションの現場体験と知識を活かし、公認心理師の資格を取得。性格やメンタル、人間関係に悩みを抱える知人が多かったことから、現在は恋愛サポートや公認心理師としての活動も行なっている。
【保有資格】 理学療法士、公認心理師
→詳細なプロフィールはこちら
完璧主義とは?
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完璧主義というとなんとなくイメージできる人も多いかと思いますが、
完璧を求める矛先や要因によって大きく3つのタイプに分けられます。
3つのタイプとそれぞれの特徴は以下の通りです。
- 自己指向的完璧主義
- 社会的に規定された完璧主義
- 他者指向的完璧主義
自己指向的完璧主義
自分自身に完璧を求めるタイプです。



向上心が高く、妥協を許さないから、ミスが少なかったり、高い成果を出しやすかったりする傾向があるよ。
その一方で、自分自身に対して非常に高い基準を設定しやすく、
「もっと頑張らないといけない」と感じ続けてしまうことも少なくありません。
また、失敗に対する恐怖も強くなりやすいため、
小さなミスでも強い自己否定につながってしまったり、休むことに罪悪感を抱えてしまったりすることもあります。
さらに、「結果を出せている自分」に価値を感じやすい傾向があるため、
思うような成果が出ない時に、自分の価値そのものが下がったように感じてしまうこともあると考えられます。
社会的に規定された完璧主義
他者が自分に完璧さを求めていると認識するタイプです。
与えられた役割や仕事には真面目に取り組み、周囲の期待に応えようと努力する傾向があります。
しかし、「失敗したら嫌われるかもしれない」「期待を裏切ってはいけない」との思いが強くなりやすいため、
常にプレッシャーや緊張感を抱えながら行動してしまうことも少なくありません。



自分で自分を評価するよりも、「周囲からどう見られているか」を重視しやすい特徴もあるよ。
そのため、周囲の反応や評価に敏感になりやすく、
少しの指摘や評価の低下でも強い不安や落ち込みにつながってしまうことがあります。
さらに、どれだけ努力しても安心感を得にくく、「まだ足りない」と感じ続けてしまうこともあると考えられます。
他者指向的完璧主義
他者に完璧さを求めるタイプです。
他者への要求水準が高いため、他者の未熟さやミスが気になりやすく、
「もっとできるはず」「なぜそんなミスをするのか」と感じやすい傾向があります。
そのため、周囲に対して厳しい言動になりやすく、
「厳しい」「冷たい」との印象を持たれることもあります。



自分の中に「こうあるべき」という理想像を強く持っていると、
自分の期待通りに動いてもらえないことにストレスを感じやすい特徴もあるよ。
さらに、相手を正そうとする意識が強くなりすぎると、無意識のうちに相手をコントロールしようとしてしまったり、人間関係の摩擦につながってしまったりすることもあると考えられます。
完璧主義になる原因とは?


例えば、生まれ持った気質や環境、過去の経験などです。
しかし、その中でも心理学研究などでは、親の影響や養育スタイルが特に関連しやすいと報告されています。
具体的には
権威主義的な子育て、つまり「親の言うことは絶対」というスタイルで
「〇〇はだめ」、「□□をしなさい」など、親の意見が中心となっていた場合に、
完璧主義的傾向が強くなると言われています。
また、親が完璧主義だとそれを模倣することによって、自身も完璧主義的傾向が強くなると考えられています。
なお、この点に関しては、同性の親との関連が特に強いことも報告されています。
言い換えると、女性は母親、男性は父親の影響を強く受けると言われています。
そして、これらの家庭環境に伴って、
完璧主義的な物事の捉え方や考え方が形成されていくことも原因の一つと考えられます。
完璧主義の長所と短所


一般的に完璧主義はネガティブな印象を持たれることが多いかと思います。
しかし、ポジティブに働く側面もあります。
よくみられる長所と短所の一例を挙げてみます。
長所(ポジティブ面)
- 計画性がある
- 粘り強い
- 責任感がある
- 仕事や作業が丁寧
- 達成意欲が高い など
短所(ネガティブ面)
- 決断が苦手
- 先延ばし癖がつきやすい
- 自己否定しやすい
- 燃え尽き症候群を起こしやすい
- 対人ストレスを感じやすい
- うつ病や摂食障害を引き起こすこともある など
よくあるケースだと、例えば何かに取り組んだ時に達成率が80%だったとします。
その時に「80%もできた!」と捉えることができるとポジティブな出来事として認識できます。
一方で、「20%もできなかった……」と捉えると、
ネガティブな出来事として認識し、自己否定などにつながってしまいます。
このような場合には、周りが80%で満足していても、
自分は自分を許せない、責めてしまうことがあるため、捉え方はとても重要なポイントになります。
完璧主義の改善方法はある?
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ここでは、完璧主義を和らげる方法を紹介するよ。
①ポジティブに捉える練習をする
完璧主義の人は極端な考えに陥りやすいことも特徴の一つです。
例えば、10ある課題のうち9つができても1つできなかった場合には、
すべてできなかったような感覚になってしまうことがあります。
言い換えると、0か100で物事を考えやすいところがあります。
しかし、頭でわかっていても、すぐにその思考を切り替えることは難しいかと思います。
この時、できるだけ「考える」だけで終わらせずに、
発言してみたり、文字に書き起こしたりして自分に言い聞かせるイメージでやってみましょう。



これが習慣化されると、物事のネガティブな部分だけでなく、ポジティブ面にも意識が向くようになるかも!
そうすることできっと結果に囚われすぎたり、ネガティブな面ばかりに目を向ける意識が改善されて、
自分の努力もしっかりと受け入れることができるようになるはずです。
②80点でも自分を褒める
完璧主義の人は自分に厳しく評価を下したり、理想や目標を高く設定したりすることも特徴として考えられます。
そのため、自分が100点だと思って設定した目標は、他者から見たら120点になっていたり、
80点しか出せなかったと感じている結果は他者から見たら100点だったりすることも少なくありません。
そのせいで80点の結果を出しても満足できないどころか、自分を責めてしまうことがよくあります。
ずっと100点、120点を目指していたあなたの出した80点なら、それは妥協ではなく十分な成果になるはずです。



80点を出した自分自身もしっかりと褒めてあげてね。
③やらなくていいことを決めておく
何かに取り組んでいるときに100点を目指すつもりが気付かぬうちに120点を目指してしまうと、
あれも、これもとタスクを増やしてしまうことがよくあります。
そうなると自分をどんどん追い込んでしまい、苦しくなってしまうこともあります。
場合によっては、やらなくていいかどうかの判断も難しいかもしれませんが、完璧主義の人の「やった方がいい」と思うことは「必要はないけどやったほうが完璧に近づけられる」であることがよく見られます。



そういった部分を省略するのは、手抜きではなく、
取捨選択として捉える考え方も取り入れておくと気持ちを楽にする手段の一つになるかも!
④他者から前向きな評価を受ける
完璧主義は思考の癖ともいえるため、
自分自身の解釈だけだと無意識にネガティブな部分に目が向きやすくなります。
特に作成した物の内容や成果物の質など、数字で評価することが難しい場合は、
正解がなくて結果が目に見えづらいため、いくらでも自己否定できてしまいます。
そういった時こそ、他者からのフィードバックで自分の良さに気付かせてもらいましょう。
こういった内容を見ると、「自分のことは自分で気付くべきだ」と考える方もいると思います。
しかし、それこそ完璧主義の思考の現れかもしれません。
「自分自身のことは自分で解決すべき」「他者に頼るのは迷惑だ」といった考えがあるとしたら、
それは自分を縛る思い込みとなってしまっているかもしれません。
体調を崩した時、原因を知るため医師に診てもらうように、
自分自身のことを知るためには、他者の力を借りるのはごく自然なことです。
人一倍努力して何事にも真面目に取り組む姿勢から、周りから頼られることも多いかもしれませんが、
だからといって、あなた自身が誰かを頼ってはいけないなんてことはありません。
まとめ|完璧じゃない「ありのまま」の自分も大切にしよう


完璧主義は育った家庭環境や親の特徴、自身の気質などに影響を受けて出来上がった、考え方の癖のようなもの。
私自身も元々、完璧主義的な傾向が強く、仕事や対人関係に悩むことが多くありましたが、
社会に出てからたくさんの人の力を借りて、考え方を変えてきました。
完璧からの脱却ができたことは人生の転機だったと言えます。
SNSでは美を追求する方々が注目を浴び、メディアには輝かしい功績を残した方が称賛されます。
周りを見ても、一生懸命に努力している方がたくさんいます。
しかし、それらはあなたが完璧でなければならない理由にはならないはずです。
本記事では『完璧主義の改善方法』についてもお話ししましたが、
「完璧を目指して努力している自分が好き」なのであれば、そのままでもいいと思います。
ただ、必要以上に自分を追い込んでしまったり、責めてしまったりしてつらい思いをすることがあれば、
本記事の内容を参考にしてもらえたらと思います。
完璧主義の傾向を持つ方の中には、
- 理想があるけど、失敗するのが怖くて始められない
- 何かを始めても、いつも中途半端になってしまって自己嫌悪
- やることが散らかっていて、いつも焦っている
といった悩みを抱えている人も多い印象です。
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【参考文献】
・Agnes M. Stairs et al., Clarifying the construct of perfectionism. Assessment, Jun 10;19(2):146–166, 2011
・Speirs Neumeister K.L. Factors Influencing the Development of Perfectionism in Gifted College Students. Gift. Child Q, 48:259–274, 2004
・Vieth M et al., Family Patterns of Perfectionism: An Examination of College Students and Their Parents. J. Pers. Assess, 12:49–67, 1999
記事執筆者


公認心理師:田原直裕
理学療法士として、施設、病院、区役所に従事したのち、各機関で学んだ医療・心理学・コミュニケーションの現場体験と知識を活かし、公認心理師の資格を取得。性格やメンタル、人間関係に悩みを抱える知人が多かったことから、現在は恋愛サポートや公認心理師としての活動も行なっている。
【保有資格】 理学療法士、公認心理師
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