- 生きづらさをずっと感じている
- 自分を責め過ぎてつらくなる
- 周りの人と良い関係性を築くのが難しい
このように、生きづらさを感じて悩む人の中には、アダルトチルドレンの特徴を持つ人もいます。
アダルトチルドレンとは医学的な診断名ではなく、対人関係や自己評価などにおいて、
大人になっても生きづらさを感じる状態を表すための概念や心理学的な枠組みです。
チルティ少しでも多くの人が前向きになってくれたら嬉しいな。
ぜひ最後まで読んでみてね。
記事執筆者


公認心理師:田原直裕
理学療法士として、施設、病院、区役所に従事したのち、各機関で学んだ医療・心理学・コミュニケーションの現場体験と知識を活かし、公認心理師の資格を取得。性格やメンタル、人間関係に悩みを抱える知人が多かったことから、現在は恋愛サポートや公認心理師としての活動も行なっている。
【保有資格】 理学療法士、公認心理師
→詳細なプロフィールはこちら
アダルトチルドレンの特徴とは?


この章では、アダルトチルドレンの特徴について解説します。
- 自尊心や自己肯定感の低さから、人に依存しやすい
- 精神疾患など、二次障がいになりやすい
自尊心や自己肯定感の低さから、人に依存しやすい
アダルト・チルドレンの特徴としては、自尊心や自己肯定感の低さが挙げられます。
所謂、「他人軸」と言われる思考回路です。
そうなると、無意識に周囲の人の顔色や機嫌を伺ったり、
見捨てられ不安から他者の要求を断ることができなくなったりしてしまいます。



自分自身のことを認めてくれる、評価してくれると感じさせてくれる人には過度に執着しちゃうことも……。
さらに、自分のことを必要としている、頼っていると感じさせてくれる他者は承認欲求を満たしてくれて、
自分の価値を感じさせてくれる大きな存在となるため、「生きがい」として認識することも少なくありません。
そのため、恋愛関係においては、共依存が形成されやすくなります。
精神疾患など、二次障がいになりやすい
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アダルトチルドレン自体は病気ではありませんが、
その特徴である自己肯定感の低さや、対人関係に悩みを感じやすいため、
社会生活への適応が困難になりやすくなり、さまざまな精神疾患に関係すると考えられています。
例えば、以下の疾患が挙げられます
- うつ病
- アルコール依存症
- 不安障害
- 適応障害
- 摂食障害
- 複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)
後に説明しますが、
アダルトチルドレンの主な原因と考えられる機能不全家族での経験は、時にトラウマとなり得ます。
特に、長期間にわたる虐待やネグレクト、不安定な環境は、
単一の出来事によるトラウマ(例:事故や災害)とは異なり、複雑性PTSDと関連が深いと考えられています。
また、アダルトチルドレンは、嗜癖(しへき)行動を起こしやすいとされています。
アダルトチルドレンの6タイプについて
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アダルトチルドレンの6タイプは、生まれつきの性格ではなく、
機能不全家族と呼ばれる環境の中で子どもが生き延びるために身につけた「役割」として説明される場合が多いです。



その役割のパターンが大人になっても続くことで、対人関係や自己評価に影響を及ぼすことも……。
また、複数のタイプの特徴を持つこともあり、あくまで傾向として捉えるのが大切だとされています。
それぞれのタイプの特徴は、主に以下のようなものが考えられます。
ヒーロー(英雄)
家族の期待に応えようとする中で、成果や結果によって自分の価値を証明しようとする傾向があります。
- 勉強や仕事において高い成果を出すことが多い
- 周囲から「しっかりしている」「優秀」と見られやすい
- 常に努力し続けようとする
- 「できる自分」でいることが前提となり失敗に対する恐怖が強い
- 休むことに罪悪感を感じやすい
- 評価が下がると自己否定が強まる
- 完璧主義になりやすい
スケープゴート(いけにえ)
家庭内の問題や不満のはけ口となることで、家族のバランスを保とうとする役割を担うことがあります。
- 「問題児」や「悪者」として扱われることが多い
- 自分に対して否定的な認識を持ちやすい
- 反抗的な態度や行動が見られやすい
- 怒りや不満を抱え込みやすい
- 「自分が悪い」という感覚が強い
- 孤立しやすい傾向がある
ロスト・ワン(いない子)
家庭内での衝突や問題を避けるために、自分の存在感を消すことで安定を保とうとする傾向があります。
- 目立たないように振る舞いがち
- 自分の感情や意見を表現する機会が少なくなりやすい
- 自己主張が苦手
- 一人でいることを好む、または慣れている
- 感情を言葉にするのが難しい
- 周囲との関係で受け身になりやすい
ケアテイカー(世話役)
家族の感情や問題に対して積極的に関わり、他者を支えることで自分の価値を保とうとする傾向があります。
- 他人を優先する行動が習慣化しやすい
- 人の気持ちに敏感で共感力が高い
- 頼まれると断れない
- 他人の問題を自分のことのように抱えやすい
- 自分の感情やニーズを後回しにする
- 共依存に陥りやすい
ピエロ(道化師)
家庭内の緊張を和らげるために、明るく振る舞ったり冗談を言ったりすることで、
場の空気を調整しようとする傾向があります。
- 周囲からはポジティブな印象を持たれやすい
- 場を和ませる行動をとりやすい
- つらい状況でも明るく振る舞う
- 本音や弱さを見せることが少ない
- 空気を読みすぎる傾向がある
- 内面の感情に気づかれにくい
イネイブラー(慰め役・支え役)
他者を助けたり支えたりする中で、結果的に相手の問題行動を維持してしまう役割を担うことがあります。
- 過剰な自己犠牲や共依存的な関係に陥りやすい
- 相手を助けることに強い責任感を持つ
- 相手の問題を自分が解決しようとする
- 関係を維持するために無理をしやすい
アダルトチルドレンになる原因はある?
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アダルトチルドレンになる主な原因は、機能不全家だと考えられています。
子どもにとって本来、家庭は安心や安全、情緒的な受容が得られる環境であるべきですが、
機能不全家族では、それらが十分に満たされない状態となります。
例えば
- 虐待
- DV
- ネグレクト
- 親の依存症や精神的不安定さ
- 両親の不仲
といった状況がある場合、子どもは安心して過ごすことが難しくなります。
その結果、常に周囲の様子に敏感になり、
親の機嫌や環境に適応することを優先する行動パターンが身につきやすくなると考えられます。
子どもは自分の感情よりも周囲の状況や他者の反応を優先して捉えるようになり、
「どう感じるか」よりも「どう振る舞うべきか」を基準に考える傾向が強くなりやすいと考えられます。
このような環境では、
- 「期待に応えなければ認められない」
- 「ありのままでは受け入れられない」
といった認識が形成されやすく、自分の価値を外部の評価に依存する傾向が強まることも、
アダルトチルドレンの原因の一つとして考えられます。
そして、共依存的な関係や役割の逆転が起きている場合には、子どもが親の世話役や調整役を担う場合もあります。
本来守られるべき立場であるにもかかわらず、他者を優先する役割を担い続けることで、
自分の感情を抑えたり、他人のために行動することが当たり前となり、
そのパターンが大人になっても続く可能性があります。
アダルトチルドレンに当てはまるか知りたい
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そのため、診断をつけるようなものではなく、その「傾向があるかどうかを知る」という認識が重要です。
アダルトチルドレンかどうかを判断する目安としてはJanet G. Woititzが提唱した13の特徴がよく用いられています。
〈Janet G. Woititzが提唱したアダルトチルドレンにみられる13の特徴〉
- 常に何が正常かを推測していて、なかなか「これでいい」との確信が持てない。
- 物事を最初から最後までやり遂げることが困難である。
- 本当のことを言った方が楽なときでも嘘をつく。
- 情け容赦なく自分に批判を下す。
- 楽しむことがなかなかできない。
- 変なところでまじめすぎる。
- 他人と親密な関係を持つことが大変難しい。
- 自分にコントロールできないと思われる変化に過剰反応する。
- 他人からの肯定や受容、承認を常に求める。
- 「自分は他人と違う」といつも考えている。
- 常に責任をとりすぎるか、責任をとらなさすぎるかのどちらかである。
- あるものに過剰に忠実である。無価値なものとわかっていてもこだわり続ける。
- 衝動的である。「他の行動も可能である」と考えることなく、一つの選択肢に自分を閉じこめる。
この中で2つ以上あてはまる場合、自分をアダルトチルドレンと認識したほうが、
その後の生きづらさが軽くなり、生き方の解決策が見つかりやすくなると考えられており、推奨されています。
【補足】HSPとアダルトチルドレン
HSP(Highly Sensitive Person)とは、生まれつき非常に感受性が強く、繊細な気質を持つ人のことですが、
アダルトチルドレンも繊細で傷つきやすい傾向があります。
そのため、以下のような点は共通している特徴として考えられます。
- 他者の顔色を伺いやすい
- 物事の判断や決断が苦手
- 人間関係に悩みがち
- 完璧主義
- 断ることが苦手
しかし、両者には根本的な違いがあります。
また、アダルトチルドレンの中にはHSPの気質を持っている人もいれば、そうでない人もいます。
また、HSPだからといって機能不全家族で育ったとは限りません。
しかし、HSPの人が機能不全家族で育つと、その感受性の高さからより深く傷つき、
アダルトチルドレンとしての生きづらさが強く現れる場合があります。
アダルトチルドレンは克服できる?


アダルトチルドレンを克服したいと感じた場合にまずすべきことは、しっかりと原因を認識することです。
具体的に言うと
「今感じている生きづらさの原因は、自分自身の欠陥や能力不足ではなく、過去に生まれ育った環境に適応してきた癖の名残である」
と認識しましょう。
これは環境や他人のせいにするなどの話ではなく、
自分自身が生き抜くために、当時は必要だった生存戦略である可能性が高いためです。
ただ、大人になった今、その戦略が上手く機能していないだけかもしれません。



これらを踏まえたうえで、アダルトチルドレンを克服する方法をいくつか紹介していくよ!
感情日記
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アダルトチルドレンは無意識に自分の感情を抑え込んだり、後回しにしてしまう傾向があります。
その状態を長く続けていると自分の感情に気付けなくなったり、わからなくなったりしてしまうことがあります。



意識を向けるために、感情を言葉にしたり、文字に書き起こしてみたりすることがおすすめだよ。
自分の感情がわかるようになり、自分の本当の気持ちに気づくことができるようになることが、
相手に合わせてしまう癖からの脱却と、自分を大切にする自分作りへの第一歩になると思います。
責任の明確化
他者からの依頼などを断れない、受け入れたくない依頼も受けてしまうなどによって、
疲労やストレスを感じることも少なくありません。
そういった状況の対処法としては、断ることが一番ですが、すぐに取り組むのは難しいかと思います。
ここでいう責任は”課題”という表現にも置き換えられます。
例えば、他者から何かの依頼をされたり、役割を与えられたりした場合に、
「自分の責任・課題の範囲」を明確にします。
この際、併せて他者の責任・課題も明確にしておくとさらにわかりやすくなります。



自分と他者の責任・課題の範囲を明確にすると、自分がやるべきことに集中できるから、相手の範囲の責任まで負ってしまう状況を防げるようになるよ!
可能であれば、明確にした責任の範囲を相手にも共有するとさらに効果的です。
できること・できないことをはっきりさせる


仕事場面において多くみられますが、自分の許容量を超えた仕事や依頼を引き受けてしまうことがあります。
例えば
- 「この仕事にはどれくらいの時間がかかる」
- 「この仕事に取り掛かれるのはいつ頃か」
などをはっきりさせておく、といった形です。
これらをはっきりさせておくと、何か仕事の依頼を受けた時、依頼を受ける/受けないの回答ではなく
「その仕事には〇〇時間かかる」、「その仕事に取り掛かれるのは〇〇時間後」といった回答ができるようになります。
これらの回答をすることで、仕事をこちらに任せるか否かの判断を、依頼してきた相手に委ねることができます。



そうすることで、こっちから断らずとも依頼を受けずに済ませられるかもしれないし、自分の許容量を守ることもできるよ。
周囲の期待に応えたい気持ちが大きい場合や、自分の価値を能力の価値と結びつけやすい考えがあると、
ついつい実際の自分よりも良い状態を見積もってしまうことがよくあります。
しかし、そうすることで後々苦しくなってしまうのは自分自身です。
専門的支援を受ける
幼少期に機能不全家族で過ごした経験が、時にトラウマ体験として刻み込まれている場合があります。
その場合はトラウマ体験の整理が必要となり、カウンセリングや認知行動療法などが有効な手段とされています。
まとめ|生きづらさを感じて辛い方は相談しよう


アダルトチルドレンは、他者に自分の本心を曝け出したり、頼ったりすることを苦手としている場合が多いです。
また、身近な人や自分のことをよく知る人にこそ、これらの苦手意識が出やすいことも少なくありません。
これまでたくさんの方と関わらせていただいた中で、そんな声もたくさん聞いてきました。
同じような考えや気持ちがあるようでしたら、専門機関やコミュニティを活用することも、おすすめです。



周りに相談できる人がいない場合や、一人で悩んでいてつらいときは、Tealsホームを活用するのもおススメだよ。
このブログを運営しているTealsのコミュニティ「Tealsホーム」では、MBTIを含む性格検査なども活用しながら、
自己理解を深め、日々の生活をより過ごしやすいものへと改善していきます。



⼀⼈で抱え込まず、気軽に相談してみてね。
記事執筆者


公認心理師:田原直裕
理学療法士として、施設、病院、区役所に従事したのち、各機関で学んだ医療・心理学・コミュニケーションの現場体験と知識を活かし、公認心理師の資格を取得。性格やメンタル、人間関係に悩みを抱える知人が多かったことから、現在は恋愛サポートや公認心理師としての活動も行なっている。
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