- 「考えすぎてしまう」
- 「不安が頭から離れない」
- 「頭ではわかっているのに行動できない」
そんな悩みを感じたことはありませんか?
チルティもし当てはまるなら、それは考え方の癖や行動パターンが影響しているかもしれないね。
そういった時に活用される方法の一つが、認知行動療法(CBT:Cognitive Behavioural Therapy/Cognitive Behavioral Therapy)です。
記事執筆者


公認心理師:田原直裕
理学療法士として、施設、病院、区役所に従事したのち、各機関で学んだ医療・心理学・コミュニケーションの現場体験と知識を活かし、公認心理師の資格を取得。性格やメンタル、人間関係に悩みを抱える知人が多かったことから、現在は恋愛サポートや公認心理師としての活動も行なっている。
【保有資格】 理学療法士、公認心理師
→詳細なプロフィールはこちら
認知行動療法とは?
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認知行動療法は、簡単に言うと、生きづらい「考え方の癖(認知)」と「行動のパターン」を整理し、
より生きやすい形へ少しずつ修正していく心理療法です。
過去の出来事をまったく扱わないわけではありませんが、
中心となるのは「今起きている悩みをどう改善するか」という考え方です。
例えば
友人から連絡の返事が来なかった時に、
「忙しいのかな」と考える人もいれば、「嫌われたのかな」と考える人もいます。
そして、「嫌われたのかな」と考えてしまうと、
不安を感じやすくなり、自分から連絡するのを避けたり、人と距離を置いたりする行動につながる場合があります。
そうなると徐々に人間関係が疎遠になり、「やっぱり嫌われていたんだ」と感じてしまいます。



認知行動療法は、この悪循環を見つけ出し、より生きやすい考え方や行動へ調整していくことで、苦しさを軽減していく方法だよ。
理論としては、認知行動療法は大きく「認知療法」と「行動療法」という二つの考え方を組み合わせています。
認知療法では、自動的に浮かぶ考えや思い込み、極端な解釈などに注目します。
一方、行動療法では、「避ける」「確認ばかりで実行しない」「挑戦しない」といった、
問題を維持してしまう行動パターンに注目します。
認知行動療法というと難しく聞こえるかもしれませんが、特別なことをするわけではありません。
日常の中で起きている出来事を整理し、自分の思考や行動の癖に気付いていくことから始まります。
それが認知行動療法の第一歩になるかもしれません。
認知行動療法はどんな悩みや問題に向いている?
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認知行動療法は幅広い悩みに用いられており、うつ病、不安症、社交不安、恐怖症、強迫症(OCD)、PTSD、摂食障害、不眠、アルコールや薬物の問題などにも活用されています。
また、診断名がつくかどうかに関わらず、
対人関係のストレス、感情のコントロールなどにも役立つ場合があります。
こう見ると非常に幅広く感じるかもしれませんが、
特に認知行動療法が向いていると考えられるのは、次のような特徴がある場合です。
- 具体的に改善したい悩みや目標がある
- 今の状態を少しでも変えたい気持ちがある
- 自分の考え方や行動を振り返ってみようと思える
- 実生活の中で少しずつ試してみることに抵抗が少ない
認知行動療法は、話を聞いてもらうだけで完結する方法ではありません。
また、認知行動療法が特に役立ちやすいのは、「症状を維持しているパターン」が見られる場合です。
例えば
- 考えがと止まらず、最悪のケースばかり想像してしまう
- 不安だからと避け続けていたら、どんどんできることが減ってしまった
- 確認しないと落ち着かず、何度も同じ行動を繰り返してしまう
- 落ち込むと何もできなくなり、さらに自己否定してしまう
こういった状態では、一時的には楽になれる行動が、長期的には自分をさらに苦しめてしまっている場合があります。
認知行動療法では、このような悪循環に気付き、
「今は楽だけど長期的には苦しくなる行動」と「少し負担はあるけれど長期的には生活を楽にする行動」
を整理しながら進めていきます。
しかし、認知行動療法がすべての人に同じ形で合うわけではありません。
例えば、「なぜ今の自分になったのかを深く理解したい」「幼少期の体験を中心に整理したい」と考えている場合には、別の心理療法の方が合う場合もあります。
また、重度のうつ状態で、エネルギーが極端に低下している時には、まず休養や薬物療法などを優先して土台を整えるのが必要になる場合もあります。



「今の悩みに合う方法なのか」を知るのも、認知行動療法を始める第一歩になるかもしれないね。
認知行動療法の効果とは?


認知行動療法は心理療法の中でも研究の蓄積が非常に多く、
効果について比較的根拠が示されている方法の一つとされています。
うつ病や不安症だけではなく、摂食障害、強迫症、依存症、トラウマなど、幅広い悩みに対して活用されています。



単に症状を軽くするだけではなく、生きやすさや日常での機能の改善につながると報告されているよ。
そのため、治療が終わった後も、自分自身で悩みに対処しながら生活できる力につながるのが期待されています。
それも認知行動療法が目指している効果の一つと言えるでしょう。
物事を冷静に考えられるようになる
認知行動療法では、自分の考え方や感情の流れを整理する練習を行います。
そのため、「本当にそうなのかな」「別の可能性はないかな」と、
一喜一憂せず、一歩引いて物事を考えられるようになる場合があります。
ポジティブに行動できるようになる
認知行動療法では、考え方だけでなく行動にも働きかけていきます。



不安や落ち込みがあるとそれらを避ける行動が増えやすくなるけど、
小さな成功体験を積み重ねると「やってみよう!」と前向きに動きやすくなることもあるよ。
ストレスの軽減につながる
ストレスそのものを完全になくすのは難しいですが、
認知行動療法ではストレスの受け止め方や対処方法を見直します。



同じ出来事が起きても必要以上に自分を責めたり、不安を膨らませたりしにくくなり、
結果的にストレスを軽減できる可能性があるよ。
心のバランスが整い、精神疾患の予防につながる
認知行動療法では、自分の思考や行動の癖に気付き、より負担の少ない対処方法を身につけていきます。
長期的には、精神的不調の予防につながる可能性も考えられます。
認知行動療法では実際にどんなことをするの?


心理療法やカウンセリングと聞くと、



カウンセラーやセラピストが治してくれたり、正解を教えてくれたり、話を聞いてくれるのかな?
とイメージされる方も多いと思いますが、
まず今困っていることや目指したい状態を整理するところから始めます。
例えば
- 「仕事に行く前になると強い不安を感じる」
- 「人と話した後に何時間も反省してしまう」
- 「落ち込むと何もできなくなる」
といった具体的な悩みを確認しながら、何を改善したいのかを一緒に決めていきます。
その上で、つらさが生じている流れを分解して考えていきます。
上司に話しかけられた場面を例にすると
【出来事】:上司に呼ばれた
↓
【考え方(認知)】:「失敗を指摘されるかもしれない」
↓
【感情】:不安・緊張
↓
【身体反応】:動悸、肩のこわばり
↓
【行動】:必要以上に謝る、上司を避ける
このように、出来事そのものではなく、
「どう受け止めたか」が感情や行動にどんな影響を及ぼしているかを整理しながら、
例えば、「絶対に失敗する」「嫌われているに違いない」と感じた時には
- そう考える根拠は何か
- 反対の証拠はないか
- もし友人なら何と声をかけるか
- 他の可能性は考えられないか
といった視点からさらに考え直します。
不安が強い人は不安を避ける行動を取る場合があり、一時的には安心できたとしても、
長期的には「やっぱり自分には無理だった」と感じ、不安を維持してしまうことがあります。
そのため、
- 少しだけ避けていることに挑戦する
- 活動量を少し増やしてみる
- 確認行動を減らしてみる
- 自分の意見を伝える練習をする
など、行動面にも働きかけながら変化を作っていきます。



また、認知行動療法ではセッション以外の時間も重要になるよ。
その場で話して終わりではなく、
- 思考記録表をつける
- 気分と行動を記録する
- 次回までに小さな課題を試してみる
- 困った場面を振り返る
といった宿題が出される場合も少なくありません。
こうした内容を見ると、「宿題なんて大変そう」と感じる方もいるかもしれません。
少しずつ考え方や行動の癖に気付き、自分自身で調整できる力を育てていくイメージに近いかもしれません。
もちろん、行う内容は悩みによって異なります。
リスクや注意点はある?
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認知行動療法は比較的安全性の高い心理療法として知られています。
しかし、「心理療法だから負担はない」「受ければ自然と楽になる」というわけではありません。
むしろ、認知行動療法ではこれまで避けていた感情や考え方に向き合う場面もあるため、
一時的に精神的な負荷がかかる場合があります。
例えば
- 過去の出来事を振り返って苦しくなる
- 避けていた不安に向き合って緊張が強くなる
- 課題に取り組む中で疲労感が出る
- 感情が大きく動いて落ち込む
といった反応がみられる場面もあります。



特に不安症状に対する練習では、不安を避けるのではなく、少しずつ向き合う方法を取る場合もあるよ。
そのため、始めた直後は「前よりつらくなった気がする」と感じる方もいるかもしれません。
ただ、それは必ずしも悪化を意味するわけではなく、
新しい対処法を身につける過程で一時的に負荷がかかっている可能性もあります。
筋力トレーニングにおける、筋肉痛と似ているかもしれません。
話を聞いてもらうだけではなく、実際に考えたり、試したり、振り返ったりすることが求められるため、
心身の余力が少ない時期には負担になる場合もあります。
人によっては認知行動療法が合わないと感じる場合もあります。
- 「もっと気持ちを受け止めてほしい」
- 「原因を深く整理したい」
- 「考え方を修正されているように感じる」
こうした感覚を持つ方もいるため、認知行動療法だけが唯一の正解というわけではありません。
そのような場合には、日常生活に余裕を作るための治療などが優先されます。
認知行動療法は非常に有効な方法の一つですが、万能な治療ではありません。



必要に応じて医師や心理士と相談しながら、その時の状態に合った支援を選ぶのが大切だね!
まとめ|上手に活用して、心のバランスを整えよう
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認知行動療法で焦点をあてる「認知すること」「行動すること」は誰もが無意識に行っている場合がほとんどです。
その過程では自分の嫌いな自分を直視する場面もあり、苦しさや恥ずかしさを感じる方もいるかもしれません。
しかし、それらを乗り越えることで生きづらさは大きく解消されるはずです。
「生きづらい」「こんな自分は……」と考える場面が多いのであれば、変えたい何かがあるはずです。
漠然とした悩みや不安こそ、認知や行動に隠れている場合もあるため、認知行動療法を活用しながら、
少しでも生きやすい日常を手に入れてもらえたらと思います。
【参考文献】
・ジュディス・S・ベック 認知行動療法実践ガイド:基礎から応用まで 第2反 星和書店 2018
このブログを運営している株式会社Tealsでは、
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記事執筆者


公認心理師:田原直裕
理学療法士として、施設、病院、区役所に従事したのち、各機関で学んだ医療・心理学・コミュニケーションの現場体験と知識を活かし、公認心理師の資格を取得。性格やメンタル、人間関係に悩みを抱える知人が多かったことから、現在は恋愛サポートや公認心理師としての活動も行なっている。
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